桂文枝による大阪市24区創作落語プロジェクトが、コロナ禍による一時休止から再始動しました。地域の魅力を発信するため、桂文枝が大阪市24区それぞれの特色を盛り込んだ創作落語を各区で披露して巡るプロジェクトで、再開第1弾は「参地直笑『祭』in福島区」。今回はスペシャルトークゲストに同区出身の月亭八方が登場し、2月25日(土)に大阪市・福島区民センターで開かれました。
題材は八方の地元・福島区
プロジェクト第12弾の今回は福島区。まずは文枝と八方のトークからスタートします。
「参地直笑『祭』」では各区の名物などを盛り込んだ落語が創作されますが、福島は八方の地元だけに、「福島を落語にしてもらえるのはうれしいですね」と目を細めました。
福島区は大阪の中心地・梅田に隣接しながらも、下町の雰囲気が色濃く残る地域。区内の長屋で育ったという八方は、「むかしは近所で砂糖や醤油の貸し借りもしていましたね。それがふつうやった」と懐かしみます。
そんな八方は数日前に75歳の誕生日を迎えたとのこと。文枝がプレゼントを渡す場面では会場が温かい拍手に包まれました。
次に登場したのは、文枝の弟子の桂三語。落語『たぬさい』を披露し、ほがらかな声色で、噺の舞台となるとばく場でのやり取りを陽気に描きました。
文枝創作の“福島区落語”に八方が登場!?
そして、いよいよ文枝が落語を披露。マクラでは耳鼻科の検査に行ったというエピソードで盛り上げ、会場を笑いに包みます。そこから、松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助が福島区に15年間住んでいたことを初めて知ったと驚きを隠せない様子で語ると、いつのまにか噺の本題へ。
登場人物は、年月が経って後期高齢者になった福島区在住の中学の同級生たち。落語には、松下幸之助のエピソードのほか、新5000円札に福島区が発祥とされる名物「のだふじ」が描かれているなど、福島区にまつわるレアな情報が数々盛り込まれ、会場に集まった福島区民たちも「へ~」と驚きの様子。八方が本名で出演するなど、遊び心も忘れませんでした。
最後は深津友剛・福島区長が登壇し、文枝に花束を贈呈。八方は、「(福島区落語には)子どものころから知っていたところも、一度も行ったことがないところも出てきた」と感心した様子で話しました。
「参地直笑『祭』」の次回は城東区で4月30日(日)開催の予定です。