なかよし特別対談!　NMB48 塩月希依音×少女歌劇団ミモザーヌいわむらゆきね「こないだも一緒にUSJに行って…」

言わずと知れた秋元康氏プロデュースのNMB48と、広井王子氏が総合演出を務める少女歌劇団ミモザーヌ。活動の場は違えど、実はNMB48 の塩月希依音（けいと）と、ミモザーヌのいわむらゆきねの2人は、同じ15歳で私生活でも友だち同士という間柄。それぞれ8月に開催される公演を前に、お互いのグループのこと、メンバーとの関係、それぞれの性格のこと、そして日々の生活のこと――などなど、ふだんの調子で“なかよしトーク”を繰り広げてもらいました。

「レッスンて、どんなん？」

——まず、2人はいつからの知り合いなんですか？

塩月希依音　今年の春くらいに知り合ったんよね。

いわむらゆきね　そう。私は希依音がNMB48にいてたのは知ってたけど、いつも忙しいからこちらからなかなか誘われへんなぁって思ってたときに、希依音から「ご飯行かへん？」って誘ってくれて、もう即「行きます！」って（笑）。

希依音　ケンタッキーに行った！　お店には、けっこういたよね。で、ずっとしゃべってた。

ゆきね　お互いの活動の話とか。

希依音　それまで、ぜんぜん知らなかったので。少女歌劇団ミモザーヌの存在は知っていたけど、それがどういう活動をしているとか、ぜんぜん知らなかったから新鮮やった。コロナ禍でのレッスンの違いや、ライブのことなどを聞いてお互い大変やねって。

ゆきね　私は、NMB48さんてすごい上の存在みたいな感じで思ってたので、希依音としゃべって、ものすごく親近感が湧いたかな。あと、希依音が言ってたレッスンは、（コロナ禍のなかで）なかなか少女歌劇団はできてなかったので、NMB48さんが集まって練習ができるようになってるって聞いたときは、うらやましいなって思った。
それと最初、希依音は「私、まだまだペーペーやから」って言うてたけど、調べたらちゃんと選抜メンバーにも入ってるし、めちゃめちゃ凄いやん！　どこがペーペーやねんって思わずツッコんだ（笑）。でも、めちゃめちゃリスペクトしてるし、同い年ってことでいい刺激ももらってるし。

希依音　私はゆきねと同じ事務所やったのが嬉しかったし、同じく刺激はもらってる。ところで少女歌劇団も、レッスンはもう集まれてるの？

ゆきね　いまは、もうすぐ夏公演があるから集まって練習できてるよ。NMB48さんのレッスンって、どんなんなん？

希依音　私たちの場合は、まず先生に楽曲のフリを教えてもらってから、自分たちで何回か確認するって感じ。

ゆきね　そうなんや。少女歌劇団は、最初はダンスとか歌の基礎ばっかりやって、それができるようになってから楽曲へっていう感じ。

希依音　基礎練習はNMB48に入ったばっかりのときに、ほぼ毎日やってた。

ゆきね　基礎練習てどんなん？

希依音　アイソレーションと言って、首だけ動かしたり、肩だけ動かしたり、体の部位を動かしていく練習と筋トレ。体幹を鍛えたりとか、ステップしながらリズムの取り方を何種類かやったりとか、ウェーブをやったりとか、そういうのをしてたよ。

ゆきね　基本的には一緒やね。ただ、少女歌劇団の場合は、アクロバットのレッスンとかもあるので、それに使える筋トレだったりとか、ストレッチとか、ちょっと技を練習したりとかそういうことをやってる。

希依音　アクロバット！　すごい！

ゆきね　少女歌劇団に入る前は運動音痴だったけど、アクロバットのレッスンを受けさせてもらって、前転しかできてなかったのが、側転はできるようになった！

希依音　やるやん！

ゆきね　イヤイヤ、私なんか全然。ほかのメンバーなんて、曲のなかで歌いながらバック転を6回もする子もいるので。私なんてまだまだ。

根性論の世界！

ゆきね　ほかにも「表現」というレッスンがあって、新聞紙をビリビリに破りながら大声で叫ぶとか、毎回、けっこう変わったレッスンが多い。エチュードもやったりとか。

希依音　実際にやってみてどうなん？

ゆきね　新聞ビリビリって、はたから見たら“おーっ”って思うやん。私も最初は恥ずかしさと戸惑いもありながらやってたけど、回を重ねるごとにそれが快感になりだして、しっかりやれるようになった（笑）。

希依音　面白いね（笑）。とりあえず、私らは基礎をしっかり叩き込んで、ちょっと期間が経ってから舞台に立ち出すと、楽曲のことばっかりやってる。

ゆきね　公演とかも多いもんね。NMB48さんだと、同じ曲でも立ち位置が違ったりするやん。

希依音　そう。ポジションもそれぞれ公演でぜんぶ違うから。

ゆきね　私たちは今度の公演が2回目やから、前回やった曲も当然やるんだけど、ちょっとだけメンバーが変わってるから若干、立ち位置の入れ替えはあるけど基本的には同じ位置。NMB48さんみたいに毎回変わるって思ったら、すごい大変やろなって思う。

希依音　曲が一緒やったら、けっこうフリは覚えてることがあるけれど、結局、イチから作るって感じになるので、大変は大変。

ゆきね　公演ごとにイチから作っていくというのは、少女歌劇団とは違うなって思うね。覚えるコツってある？

希依音　コツというより、NMB48は数をこなすやん。どれだけやるかみたいな感じで。8月14日（土）と15日（日）にやるライブもそうやけど、1公演20曲くらいあるのを一気にやって、それを今回は3公演するから60曲くらい詰め込んでいるから……。それにレッスン期間もそれほどないので……。短い期間でどれだけこなすか……もう、根性ッ！

ゆきね　根性論の世界！

希依音　そう。根性論のみ（笑）。とにかく、ひたすらずっと練習してる。ライブ前のリハーサル期間は、毎日朝から夕方くらいまでみんなでやって、レッスンが始まる前や後の時間で自主練して、どれだけ頭と体に詰め込められるかって感じ。

先輩たちをお手本に

ゆきね　少女歌劇団は学業優先で、レッスンは土日だけ。だから平日は自分たちで頭を整理してそれぞれで自主練して、土日にそれぞれが練習したものをみんなで合わせるっていうスタイル。NMB48さんは朝から夜までレッスンがあると思うけど、少女歌劇団は小さい子も多いので、夜遅くまでできへんから。

希依音　確かにNMB48のほうが、年上のメンバーさんが多いから夜まででも大丈夫やけど、少女歌劇団は小学生がいるからね。平均年齢ってどれくらいなん？

ゆきね　14.5歳かな。

希依音　NMB48は20歳くらいちゃうかなぁ。

ゆきね　NMB48のお姉さんとか、どんな感じなん？

希依音　年下のメンバーのことをすごい可愛がってくれはるし、引っ張っていってくださるから、先輩さんたちをお手本にしてるって感じかな。ゆきねは少女歌劇団で1期生って言うてたから、みんなからしたら先輩的存在になってるんちゃう？

ゆきね　うん、最近それをすごく実感する。3期生が入ってきて、もともと私はまとめたりするのが得意なタイプじゃないねんけど、実際、その立場になってみて、まとめていくことの大変さとか、それまでは自分ができてたらOKみたいな感じやったけど、その意識を変えてまわりのこともちゃんと見てあげないといけないっていうのが大変やなぁって。希依音はさ、年齢は下やけどセンターしてるやんか、それってどんな感じ？

希依音　さっきも言うたけど、先輩方のやってきはったお手本を見てっていう感じかな。それは、すごくありがたいよね。でもゆきねは、きっとお手本を作る立場やと思うから、“うわ〜”ってなったりしないのかな？って心配してしまう。

ゆきね　“うわ〜”っていうよりは、毎日、これでいいんかなって自問自答、迷いながらやってる。いま最年長のまこちゃん（きくたまこと）て子がいて、凄く頼ってたんやけど、今年卒団（少女歌劇団は20歳になると卒業）になっちゃうから。まこちゃんがいなくなったら、またいろいろと変わるんやろなって思うし、私もいつか卒団した後のことも考えなければいけないなと思ってる。

希依音　NMB48は卒業とか決まってなくて、自分のタイミングで卒業していく感じやから。少女歌劇団は、どんどん年齢が上になるにつれて自分が上の立場になるわけやんか。そういうのを考えると、すごいなぁって思う。

ゆきね　いまってさ、NMB48さんて全員で何人くらいおるの？

希依音　44人かな。

ゆきね　少女歌劇団は27人やねんけど、それでも大人数は大変やなって思うことが多いから、44人とかやったらめちゃめちゃ大変やろなって。

希依音　いまはコロナ禍やから、ふだんのステージはグループごとみたいな8人編成で、これまでと比べたら少ない人数でライブをやっていて。大きな会場のコンサートになると全員一気に出るって感じになるけど、やっぱり人数が増えれば増えるほど大変よね。

本人が気づいていない魅力は…

——ちなみに、2人の公演前のルーティーンはありますか？

ゆきね　私は毎朝、ストレッチとトレーニングするように心がけてる。公演の時とかも、そのルーティーンは崩さないようにしてる。あと毎朝、納豆卵かけご飯を食べてるよ。希依音は？

希依音　NMB48の場合は、1週間に1回くらい公演があって、その公演終わりで反省会をやってるねんけど、そこで言われたことや次に直さないといけないことをメモを取ってるねんね。それを次の公演前に必ず見直して、今日の公演ではここを気をつけようって部分を決めてから、出るようにしてる。

——ここでお互いのことも話してもらいたいと思うんですが、それぞれ本人が気づいてない魅力を教えてもらえたら。

ゆきね　希依音は末っ子キャラかもしれないんですけど、友だちとして、まわりのことが見える子やなと。私は自分のことでいっぱいいっぱいで、まわりのことが見えていないことが多いんですけど、まわりのことにも気をつかえるなってとこが魅力かな。

希依音　なんか恥ずかしい（笑）。けど、ゆきねもまわりのことをいつも見てくれてて、遊びに行った時に、その日は暑いからって自分のハンディファンをさりげなく貸してくれたりとか。あの時、同じこと思ったよ……。

ゆきね　じゃ、お互い気づいてないけど、そこが魅力やってことで（笑）

——では、お互い、ここをちょっと直したほうがいいんじゃないってとこはありますか？

ゆきね　希依音は　まわりから高嶺の花と思われてるから、アホキャラをもっと出してほしい。あれ？　希依音ちゃん、そんな感じやったんや！って思われたら、さらにいろんなことが広がりそう。

希依音　アホキャラなぁ……考えとく（笑）。ゆきねは……あ！　私もやけど、優柔不断なんですよね。

ゆきね　それは本当お互いにやね（笑）。

希依音　ご飯を一緒に食べに行くときも、ぜんぜん決まらない。一緒にUSJ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）に行ったときも、あらゆることが何にも決まらなくて。

ゆきね　ほとんど乗らんかったよね（笑）。

希依音　そう、そう。USJに1日中いたのに（笑）。

ゆきね　私、優柔不断すぎて、「次は何に乗る〜？」みたいな話を一生しながらグルグルグルグル、パーク内を一緒に歩き続けて、結局3つくらいしか乗れなかったもんね（笑）。

希依音　ゆきねに対して言うたけど、私も優柔不断を直さないとアカンね（笑）。

「荷物がめっちゃ重い」ワケは！？

——希依音さんは「自分の荷物が重い」とブログでも書いていましたが、もしバッグにスマホと財布以外に3つしか入れてはいけないとしたら、何を入れますか？

ゆきね　そういや、希依音、荷物めっちゃ重いよな。いつも、なに入ってんねやろって思う。

希依音　自覚してる（笑）。重たすぎて……いらんもん、めっちゃ入ってる。何かしら入ってるポーチの数がめっちゃ多くて、私自身、把握していない物もあるし（笑）。

ゆきね　きっと希依音の愛が入ってるのよ（笑）。

希依音　キャッ！　それはいっぱい入ってるかも（笑）。

ゆきね　でも何を入れる？　考えるなぁ〜。

希依音　3つなんか何もできひん（笑）。

ゆきね　でも考えて。

希依音　除菌のアルコールと……。

ゆきね　えらい！

希依音　歯ブラシ。と、何やろ……？

ゆきね　めっちゃ清潔やん！

希依音　あとは……お水かな！

ゆきね　確かにお水はいるかも。私もひとつはお水。あとは、お守り。総合演出の広井（王子）さんの奥さんが前回の公演の時に、みんなにひとつずつ、名前とミモザの花の刺繍の入ったものを作ってくださったんやけど、それがないと、なんか心配なので。あとはお菓子ですかね。やばい！　3つのうち2つが飲食物や（笑）。

希依音　ゆきねって細いのに、けっこう食べるよね。朝から納豆卵かけご飯を食べてからパンとか食べてるし、その後、しっかりお昼ご飯を食べて……パンが好きよね。

ゆきね　パンは神（笑）。納豆卵かけご飯はね、食べることで胃を「おはよう」って起こしてるねん。それで次のパンで「今日も元気にいこう〜」ってエール送ってる（笑）。希依音は逆に少食やもんね。

希依音　うん。食べることに対してあんまりこだわりはない。食べなくていいやって思う日は食べないし、食べる日は食べる……食の気分屋（笑）。特に公演前は、お腹いっぱいでパフォーマンスをするのが得意じゃないから、始まる前はちょっとだけにして、終わってからお家でご褒美飯のトマトを食べる。

ゆきね　希依音はトマト好きやもんね。前にトマトが肌にいいって教えてもらってから、私も影響受けてトマト食べることが多くなったよ。

「まさに夏の曲って感じやん」

——続いて、夏に聴きたい曲ってありますか？

希依音　あ、それはある！　ふだんからNMB48の曲を聴くことが多いから、「ナギイチ」や「僕らのユリイカ」とかは夏の定番曲で好きですね。コンサートでも絶対に入る夏らしい盛り上がる曲！

ゆきね　NMB48は夏のイメージする曲が多い気がする。私は、いま少女歌劇団で出している曲では夏っぽいのはないねんけど、次の公演で実は「夏色レモン」というのがあるねん。

希依音　まさに夏の曲って感じやん。

ゆきね　この曲はぜひコンサートで覚えてもらいたい。で、夏の曲の定番にしたい！

——オススメの夏の曲を挙げてもらったところで、まもなく開催されるNMB48、少女歌劇団ミモザーヌの公演について、意気込みをお願いします。

希依音　NMB48は3公演をやらせてもらうんですけど、初日の昼公演の「はつなつ！ハツラツ！」はメンバー総出演で「これぞ夏！」っていう曲が詰まってて、汗をかきまくる体力勝負のセットリストになってます。
夜公演の「戦わな次世代ちゃうやろっ！」は、5期生さんから7期生までの若手で、入って5〜6年の先輩から、まだ入って1年経つか経たないかの若手のメンバーが、バチバチなバトルのような、“戦う”をテーマに次世代の実力はこんなのだっていうセットリストになってます。
翌日の「みるるん、さるるん、ありがとう♡」は1期生の（白間）美瑠さんの卒業コンサートなんですけど、11年いはったその歴史を歩めるセットリストになってます。
私は全公演に出るんですけど、自分たちにとっても、見てくださる方にとっても、楽しい夏の思い出になるコンサートにしたいですね。

ゆきね　少女歌劇団は、実は今回が初めてのお客さんを入れてのステージなんですよ。

希依音　あ、そうや！

ゆきね　前回は無観客配信のみで、ステージに立てたことは嬉しかったけど、やっぱり心残りだった。今回は声は出してもらうのは控えていただかなきゃいけないけど、同じ空間でお客さんと一緒に盛り上がれることができるんやっていうのが嬉しいし、期待に応えたいですね。
今回は20曲やる予定で、先ほど言った「夏色レモン」を含めて新曲もたくさんあって、これは少女歌劇団の特徴なんですけど、いろんなジャンルの曲をやるんですね。ミュージカル調あり、ポップスもあれば、ロックがあったり、それこそバイキングのような感じなので、とにかくバラエティにとんだ曲を楽しんでもらえるかなって思います。
私は20曲中11曲に出ているんですけど、それぞれの楽曲がぜんぜん違う色なので、私もその楽曲に合った表情や体の使い方とか、いろんな“私”をお見せしたいなって思います。

希依音　お互い、いいコンサートにして、お客さんと一緒にいい夏にしたいね。

ゆきね　ほんまやね。

取材・構成＝仲谷暢之（アラスカ社）