吉本新喜劇の池乃めだかが、7月3日(月)に80歳の誕生日を迎えました。これを記念して、めだかが史上最年長座長を務める「池乃めだか傘寿記念公演」が9月19日(火)~25日(月)の7日間、大阪・なんばグランド花月(NGK)で開催されます。7月4日(火)に行われた発表会見に出席した新喜劇座員で芸人ライターの吉岡友見が、レジェンドのお言葉を皆さまにお伝えしたいと思います!
末成「喜劇をやるために生まれてきた人」
この日の会見の司会進行を努めた現座長・酒井藍に呼び込まれためだかは、末成映薫とともに登場。めだかは酒井からお祝いの言葉を贈られ、「80の壁は厚い。80までは持たんと思っていた」としみじみ語りました。
つき合いの長い末成がめだかについて、「初めて会ったときから“存在そのものがギャグ”。喋らなくても面白い。喋っても面白い。この人は喜劇をするために生まれてきた人」と力説すると、酒井も「お芝居を崩さずに笑いを取る姿がカッコいい」と尊敬のまなざし。めだかは「有難い言葉。照れます」と笑顔を見せました。
「物語があるお芝居で笑いを取りたい」
めだかは9月の最年長座長公演について、こう意気込みます。
「いままでやってきたことをやりたい。やっぱり物語がある“お芝居”で笑いを取りたい。“なんでもええから笑いを取る”というのが好きではないし、できない。たとえば、セリフを間違えたときに“間違えたやろ、稽古したのに”とか言って芝居を離れて笑いを取るのはズルいと思ってしまう。そんなことを言うたら誰でも笑い取れるし。芝居から離れずにやりたい」
酒井もめだかの話にうなずきながら、こう語りました。
「私もそんな新喜劇がやりたいです。ベテランさんは大いに笑かして締めるところはきゅっと締めてくださる。本当にすごく憧れます。めだか師匠の座長公演では、出演決定している私、映薫姉さん、浅香あき恵姉さんで師匠を持ち上げます。肩に担ぐつもりで頑張ります」
頼もしい現座長の言葉を聞いためだかは「だいぶん軽くなって持ち上げやすいで」と話し、集まった記者を笑わせました。
努力はしたことがない「天才」
「80歳まで現役で居続ける秘訣」を問われためだかは、「なーんにもないです。考えたらいままで努力をしたことがない。流れに任せて生きてきた。こんなこと後輩が聞いたら、いい影響を与えないけれど……」と言います。
これに末成が「舞台に立って面白く、愛される“池乃めだか”がここまで存続しているということが努力なんです。私からしたら」と熱弁すると、酒井も「ずっとアンテナを立ててらっしゃって、流行りもすぐに取り入れる。自然と努力されている天才」と熱く語りました。
めだかは「最近はセリフ覚えも悪くて、台本もらったら稽古前に目を通します」とポツリ。すると酒井が「みんなそうですから! 稽古ですぐ覚えてしまう師匠のセリフ覚えがスゴすぎるんです」とツッコみました。
サプライズにニッコリ
「ここまできたら、もうこれしかない。新喜劇に骨を埋めます」と宣言するめだか。末成が「まずは85までは、ぜったい頑張ってね」と言うと、めだかは「短いな、90まで頑張る」と高い目標を掲げます……が、すぐに「やっぱりしんどいな」と撤回して笑いを誘いました。
めだかは、自身の盟友であり恩人でもあるという間寛平GM(ゼネラルマネージャー)と、「80になっても90になってもサルとネコをやろう」と語り合っているそうです。筆者は、座員というより新喜劇ファンとして、その姿をずっと見続けたいと願います。
そして会見も終了――と思いきや、ここでサプライズ。長年、めだかとともに新喜劇を支えてきた島田一の介、Mr.オクレが誕生日ソングを歌いながらケーキを持って登場しました。めだかはこの日いちばんの笑顔になり、そのままフォトセッションへ。
「ケーキにイチゴいっぱいのってる!」と酒井が言うと、島田が「一期一会」とオヤジギャグを飛ばし、オクレの白けた表情に会場は笑いに包まれ、終始和やかな雰囲気で終了。とても素敵な記者会見でした。
「わかりやすく、泣いて笑っての新喜劇をやる」という最年長座長・池乃めだか。レジェンドの舞台に立つ姿を皆さまぜひ、その目で確認し、生で体験してください!