“結成25周年”サカイストが渋谷に、大宮に帰ってくる! 「渋谷は“進化”、大宮は“成熟”、福岡は“覚醒”の場所」

福岡を拠点に活動中の兄弟コンビ・サカイスト(伝ペー、マサヨシ)が今年でコンビ結成25周年を迎えました。現在、全国4都市を回る『サカイスト25周年記念ツアー 大感謝祭』の真っ最中です! 1997年に大阪で今いくよ・くるよに弟子入りし、すぐに東京進出して漫才の腕を磨いたあと、2017年に福岡よしもとに移籍。他に例を見ない道のりを歩んできたサカイストの2人を直撃し、これまでの思い出や今後の野望、ツアーの見どころや意気込みを聞きました!

出典: FANY マガジン
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“師匠”今いくよ・くるよと同じ舞台に…

——コンビ結成25周年、おめでとうございます。四半世紀にわたって漫才を続けてきて、とくに印象に残っている時期はいつですか?

マサヨシ 結成15年のときにサカイストのDVD(『サカイスト単独LIVE全国漫才ツアー 兄弟』)が発売されたんですけども、(収録された)ツアー初日の劇場が京都のよしもと祇園花月で、そのときに僕らの師匠である今いくよ・くるよと初めて同じ舞台に立って対談したことが、いちばんの思い出です。
あれから10年たって、いくよ師匠はもう天国にお引越しされちゃいましたけど、あのときに舞台の上で4人で話せたことは師匠への恩返しになりましたし、きっと35周年、45周年と何年たっても、いちばんの思い出です。

——今いくよ・くるよ師匠には「東京で売れるまで帰ってくるな」と言われたそうですね。

マサヨシ そうです。弟子だと、本来ならば年季(弟子入り期間)が明けたら師匠の近くにいて、師匠のサポートをしつつ自分たちも前説をやらせてもらったり……と、それが当時の弟子卒業後の生き方でした。師匠からすると、もう少しそばにいて育っていくと思っていたと思うんです。
なのに僕らは「東京に行きます」と急にいなくなったので、「それなら売れるまで帰ってくるな」と。その後、サカイスト単独ライブ全国ツアー初日の祇園花月で師匠とお会いして、そこでトークをする……とても感動的なDVDなので、ぜひとも購入していただけたらと思います(笑)。

出典: FANY マガジン
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伝ぺー ぜひ特典映像だけを見ていただいてね(笑)。そのDVDには、もちろん漫才も収録されているんですけど、いま見ると照れちゃいますね。当時といまでは全然違って、25年目のいまが、いちばんいい状態で漫才ができていると思うんですよ。でも30周年、35周年となったときにいまの漫才を見たら、また照れちゃうんでしょうね。
漫才って、いつかどこかで天井を迎えると思ってましたが、全然ないです。師匠の方々が、いまでも現役で漫才をやられているのはきっとそういうことだろう、と。たぶん、ゴールもないし天井もないから、納得できるまで漫才を続けているんだろうと思います。

「後輩芸人から愛される先輩でいたい」

——この25年間のなかで、伝ぺーさんの思い出に残っている分岐点はいつですか。

伝ぺー 僕らはめちゃめちゃ異例というか、大阪で弟子を経験して、東京で活動して、そのあと福岡に……という芸人人生って、ほかの芸人さんはやれない、というかやらないと思うんです。そんな環境のなかで続けていけるなんて、めちゃくちゃ恵まれてます。
何もない、頭がいいわけでもない兄弟が、ただ漫才をしているだけでいろんな場所で25年も漫才をやらせてもらえるなんて、「前世は相当いいことをしたんだろうな」って思うんですよね。この時期、と限定するのは難しくて、年を経て25年すべてに感謝する日々です。

出典: FANY マガジン
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——福岡に移籍して6年がたち、いまは若手を育てる立場でもありますね。

伝ぺー 接している若手は20代前半がほとんどなので、自分たちが若いころにできなかったことを教えられたらと思っています。たとえば楽屋ではいろんな人としゃべったほうがいいし、芸人だけじゃなく(吉本興業の)社員さんや技術さん、制作スタッフの方たちと仲良くなっておいたほうがいいぞ、とかですね。
僕らを支えてくれている劇場まわりのスタッフさんや社員さんって大事だな、と年齢を重ねてから気づいた、というか……。僕自身、若手のころにトガッていたのは、もったいなかったな~と感じるので。

マサヨシ 僕は、師匠から教えてもらった「礼に始まり礼に終わる」ということや、あとは楽屋の掃除や座り位置とかたくさんあるんですけど、僕らが教わったそのままを伝えるようにしています。なので、僕はもしかしたら兄ちゃんより厳しいかもしれません。

伝ぺー でも結局それも、僕らが後輩たちに好かれてないと受け取ってもらえないですからね。「この先輩、好きだな」「おもしろいな」と思う先輩の話はめっちゃ聞く。それは自分がそうだったですからですね。まず後輩に慕われていないと、どんな意見を言っても届かないから、「後輩たちからも愛される、イジってもらえる」先輩でいたいなと思います。

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2人にとって青春だった∞ホール

——現在、『コンビ結成25周年記念ツアー』の真っ最中ですが、初日の9月16日(土)に開催された大阪・道頓堀ZAZA HOUSEでのライブはどうでしたか。

伝ペー 芸歴25年にもなるから緊張しないと思っていたんですけど、初回なのでやっぱり緊張しました。出囃子が流れたときに「いよいよ始まるんだな。笑ってもらえるかな」って。漫才が始まっちゃえば大丈夫でしたけど。

マサヨシ 僕は逆で、まったく緊張せずやれました。実は母親が来ていたんですよ。開演前から来ていて、「暑いから」というので僕らの楽屋に入ってきて(笑)。そのとき、「母親のほうが緊張してるな」というのを感じて、そんな母親の姿を見たら反対に緊張しなかったです。舞台袖から息子たちの漫才を見るのは初めてだっただろうし、そういう意味でも母親にはいい思い出になったんじゃないかなとうれしくもあり、よかったなと思います。

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——親孝行にもなりましたね。残る3カ所も、思い入れの強い場所ばかりですね。10月14日(土)は東京・ヨシモト∞ホールです。

伝ぺー ∞ホールに出ていたころは30代で、いちばん脂が乗っていた時代ですね。僕らも、僕らを観に来てくれていたお客さんたちにとっても青春だった場所だと思います。「オシャレが止まらねぇ~!」も含めて、いまの漫才の形ができたのは∞ホールのおかげだし、いまその舞台に立つとあのころに戻れる気がします。年齢は重ねましたけど、あの舞台に立って客席を見渡したら、当時に考えていたことが蘇りそうですね。

マサヨシ 右(伝ぺー)に同じです(笑)。それに場所が東京・渋谷なので、僕らが東京時代にお世話になったテレビ局関係の方々からも、「見に行くよ」という連絡がけっこう来ているんです。それこそ10年以上ぶりに再会する方もいて、僕らがまだ前説をやっていたころにADさんだった方がディレクターさんやプロデューサーさんになっていて……となると、「これはちょっとスベれないぞ」というのもあります(笑)。

伝ぺー あと、∞ホールは大阪や大宮と比べてキャパが倍以上あるので、本当に皆さんに力を貸していただきたい。∞ホールは客席がすり鉢状になっていて明るいので、舞台からパッと見た時にお客さんが入っているかどうかがすぐわかるんです。いまは、僕の立ち位置から見て目線の先にある席(上手側)より、下手側のチケットのほうが売れちゃっていて……。

出典: FANY マガジン
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マサヨシ 下手側は伝ぺーサイドだから、そっち側のほうが売れているということは、「伝ぺーを間近で見たい、近くにいたい」っていうお客さんが多いということですよ?

伝ぺー いや、でもお客さんの熱量があったほうがいいし、僕らの成長を見てもらいたいし。なので、できるだけ上手側のチケットも集中的に狙ってもらって(笑)。いま、まさにチケット販売中です!

「大宮」の経験が「福岡」につながった

——11月11日(土)の埼玉・大宮ラクーンよしもと劇場も、思い出が多い劇場ではないですか。

伝ぺー 2013年、2014年に『THE MANZAI』(M-1休止中の2011~2014年に開催された漫才の賞レース)で認定漫才師に選んでいただけたのも大宮のころで、大きな自信になりました。1~10年目で漫才の基礎を学んで、∞ホールで漫才の形が定まり、完成形は大宮で作り上げられたので、感謝の気持ちが大きいです。それに、大都市の東京じゃなくて、埼玉の大宮という環境で漫才をつくった経験が、いまの福岡につながるというか。その街に寄せた漫才の作り方がいま、すごく生きてます。

マサヨシ 大阪は、今いくよ・くるよに弟子入りした“初心”の場所で、∞ホールはサカイストにとって“進化”の場所。そして大宮は“成熟”の場所ですね。「大宮セブン」(大宮ラクーンよしもと劇場の人気芸人ユニット)にも初代で入れていただいて、福岡に移籍するから卒業という形だったので、「ただいま感」が強そうです。いまだにお客さんの顔も覚えているので、1人ずつ確認しようと思います(笑)。

出典: FANY マガジン
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伝ぺー ひとつ懸念事項としては、劇場の下にパチンコ屋さんがあるんです。大宮での開催日は11月11日、いわゆる“ゾロ目の日”なので、お客さんがパチンコ屋さんに流れちゃうんじゃないかって……。

マサヨシ サカイストのお客さんはパチンコが大好きな方が多いのでね(笑)。個人的には、久しぶりに「デリカ チャオ」(劇場近くにある芸人御用達の弁当屋)のお弁当が食べられるのが楽しみでしょうがないです。

――ツアーの締めくくりは12月23日(土)、いまのホームであるよしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場ですね。

伝ぺー いまは地元特化型のネタをつくっているので、福岡に特化した、地元ならではのネタを見てもらえると思います。福岡だけじゃなくて九州の皆さんに笑ってもらえるような公演になると思いますよ。地元のことを、僕らが愛を持っていろんな切り口でしゃべることで、地元の人は喜んで笑ってくれる。そういうことに気づけたのも、大宮での経験のおかげです。

出典: FANY マガジン
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マサヨシ さっき、大阪は“初心”、渋谷は“進化”、大宮は“成熟”と言いましたけど、福岡は“覚醒”だと思っています。大阪、渋谷、大宮に関しては25周年感謝祭として「ありがとう」なんですけど、これからは覚醒していかないと新たなサカイストにはなれないと思うんです。なので福岡に関しては、26年目の新たなサカイストを見てもらいたいです!

公演概要

『サカイスト25周年ツアー大感謝祭』
【東京公演】
日時:10月14日(土) 開場19:15 開演19:30 終演21:00
場所:ヨシモト∞ホール
チケット:前売2,000円  当日2,500円

【埼玉公演】
日時:11月11日(土) 開場18:45 開演 19:00 終演20:30
場所:大宮ラクーンよしもと劇場
チケット:前売2,000円 当日2,500円

『サカイスト25周年ライブ「大大感謝祭2023」』
日時:12月23日(土) 開場18:40 開演19:00 終演20:30
場所:よしもと福岡ダイワファンドラップ劇場
チケット:前売1,500円 当日1,800円(整理券番号付き自由席)

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