ダブルアート(タグ、真べぇ)の動画配信ファンクラブ「12才協会」による音楽とネタのライブ『ダブルアートの12才協会presents真剣音楽祭』が7月29日(月)に大阪・なんば Hatchで開催されました。2人が結成した過激バンドWART(ウォート)を始め、ZiDol、Runny Noizeら音楽活動に取り組む芸人たちが“真剣”な演奏を披露。ゲストにアインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)、見取り図(盛山晋太郎、リリー)ら人気芸人も迎え、満席の会場をリズムと爆笑で揺らしました。
“伝説のアイドル”登場で冒頭から最高潮
「12才協会」とは、「思春期のころのようにキラキラした好奇心をもって、テレビやYouTubeでも見れない企画を、ゲストを招いて挑戦していく」をコンセプトとしたダブルアートの動画配信ファンクラブです。1周年を迎えた2023年12月には大阪・味園ユニバースで『「過激大祭典」〜この日しか見れない観覧注意のお笑いライブ〜』と題して過激なネタとコーナーからなるイベントを開催し、今回はその第2弾です。
前説を務めたのは、ロングコートダディ・兎、男性ブランコ・平井まさあき、滝音・秋定遼太郎、スーズ・黒木すず、シカゴ実業・中川ひちゃゆきの4人。いずれも、相方はこの日、アーティストとして出番があるけれど自分たちにはない、自称「じゃない方芸人」たちです。
アカペラで「うぅー」とまったく成立していない和音を全員で合わせて、ゆずの「夏色」をそれぞれが自由な音程で披露すると会場は大爆笑、さっそく盛り上がりのスイッチが入ります。
オープニングアクトは、“あやや”ならぬ伝説のアイドル・くまま(紅しょうが・熊元プロレス)が、松浦亜弥の3曲をメドレーで披露しました。
暗転中にくままのシルエットが見えただけで、客席から「キャー!」と歓声が上がります。明るくなった舞台には、頭のてっぺんに“ツインお団子”を作ったヘアースタイルのくままが、ピンクのフリフリミニ丈ドレスに「女子プロレスコント」のときに使う自前の白い編み上げブーツという完璧なアイドル衣装で登場。満面の笑みを浮かべるくままに、客席から歓声と爆笑が上がりました。
“あやや名曲メドレー”は完璧な歌と振り付けの「♡桃色片想い♡」からスタート! が、2曲目の「GOOD BYE夏男」からくままの様子がさっそく怪しくなります。息が上がって、口は動いているけれど歌声は聞こえず、明らかにつらそうに……。
それでも声を絞り出して「ヒトツ フタツ ミッツ?」とコールすると、客席は「くまま!」と、なんの練習もしていないのに完璧で優秀すぎるレスポンス。曲間では「みんなの熱気で熱中症になっちゃいそう~!」と、アイドルとは思えないフレーズで盛り上げました。
稲田の「顔轢かれてないんだぜ」で爆笑
続いてアインシュタインの紹介VTRが流れると、客席から悲鳴のような歓声が上がり、英国貴族のような王子様衣装にメイクアップした河井ゆずるが登場。相方の稲田直樹が「なにわのJO1やん」とコメントするほどの美しい仕上がりで、客席から黄色い声が止まりません。
まずは、河井の持ち歌「Sha-kedo~愛されるよりアインシュタイン~」から。演奏には、作詞の稲田がエレキギターで、作曲のトニーフランクがアコースティックギターで参加します。最後はタグが「当日、たまたま大阪にいた」からと、スカチャン・ヤジマリー。本人から借りてきたというネタ道具のスプレーを両腰から噴射し、“セルフスモーク”を焚いて拍手と笑いを巻き起こしました。
稲田は、斉藤和義の「ずっと好きだった」の替え歌、「オレ、無傷だった」を披露。タクシーと原付バイクの事故を目撃して通報しただけなのに、現場に到着した警察に真っ先に「大丈夫?」と心配された――という歌詞は、サビで「顔轢かれてないんだぜ」と歌い、客席は大爆笑でした。
一方、見取り図・盛山が童貞の後輩芸人4人(キャツミ、とくいち・西垣、オニイチャン・府上ふが、国道アリス・かとうスムージー)を集めて結成したバンド「DT4」は、5人が学ラン姿で登場しました。
ボーカルの西垣が「オレたち童貞5人組です!」と自己紹介すると、ドラム席の盛山が「オレは違うねん! オレ、童貞の高校生に混じってる童貞のおじさんちゃうねん!」と慌てて否定。西垣が「ぼくはまだキスもしたことありません!」と叫んで曲が始まると、あふれるあどけなさに客席は頭上で手拍子しながら応援していました。
見取り図・リリーは全身チェック柄の衣装で登場し、チェッカーズの「涙のリクエスト」を披露。歌の途中で、柄シャツにロン毛のカツラを被った盛山風のマユリカ・中谷と、金髪のカツラに顔面を白塗りにしたリリー風のマユリカ・阪本が乱入し、最後のサビを3人で熱唱しました。
巨大火柱にタグの髪が…
イベントでは、ゲームコーナー企画も充実!
タグが考案した「聖火を灯せ!12才協会ゲームチャレンジ」は、羽とクチバシをつけた鳥役の1人が、仲間の3人と協力して聖火台に火をつけるチーム戦。クチバシの先のマッチを仲間のブリーフについているヤスリに擦って火をつけ、さらに3人で鳥役を持ち上げて高い聖火台の綿に着火させるという過激なゲームです。
12才協会のお馴染みメンバーが、レギュラーチーム(真べぇ、ツートライブ、令和喜多みな実・河野良祐、ザ・プラン9・爆ノ介)と、ゲストチーム(アインシュタイン、見取り図、キャツミ)に分かれて対決しました。
ゲーム開始前から、盛山がTシャツを脱いで客席に投げ込むと観客が奪い合ったり、爆ノ介に「怖いから手を繋いでて」と頼まれた河井が「なんでやねん」と言いながら手を繋いであげたり……と大騒ぎ!
ようやく始まったゲームでは、レギュラーチームもゲストチームも失敗続き。本当に成功できるゲームなのか不審に思った出演者から「お前がやってみろ」と抗議されたタグが、自ら鳥役になって聖火台に火を点けることに……。
タグがクチバシに点いた火を聖火台の綿に近づけると思ったよりも大きな火柱が上がり、悲鳴と歓声と爆笑が入り混じる結果になりました。タグの髪が少し燃えましたが、もともとチリチリパーマヘアーでどこが燃えたかわからず、難を逃れました。
棒倒しゲーム「大罰賭けて!スティックアタック!」では、爛々・萌々との対戦に敗れた熊元プロレスが罰ゲーム「股間ファイヤー」を受けることに。熊元がはいた綿付きのブリーフにMCのタグが火をつけると、股間からボワっと火柱が! 股間がファイヤーしながら「わぉ! セルフ脱毛!」と満面の笑みで大絶叫する熊元に、出演者は這いつくばるほど大爆笑していました。
ZiDolに対抗心燃やすジュースごくごく倶楽部
演奏パートも、まだまだ見どころが盛りだくさん。ラニーノーズ(洲崎貴郁、山田健人)の2人によるロックバンドRunny Noizeがノリやすいメロディでお客さんをほぐして温め、kento fukayaプロデュースの芸人5人によるアイドルユニット・ZiDol(スーズ・高見、マユリカ・中谷、ニッポンの社長・ケツ、紅しょうが・稲田美紀、男性ブランコ・浦井のりひろ)が会場をサイリウムで埋め尽くしました。kento曰く「思ってる2.4倍短い」というケツのソロダンスも、会場を大いに盛り上げました。
これに激しい対抗心を燃やしていたのが、人気若手芸人6人で結成されたロックバンド・ジュースごくごく倶楽部(マユリカ・阪本、ムームー大陸・山﨑おしるこ、ロングコートダディ・堂前透、ニッポンの社長・辻、シカゴ実業・山本プロ野球)です。鎖帷子のようなスケスケのシャツを着た阪本が、「ZiDolとかいう口パク集団には負けへんで!」と挑発して、観客を盛り上げました。
トニーフランクが披露した、辞めていった芸人に向けて作った歌「壁の向こうに笑い声を聞きましたか」では、この日、客席に見に来ていた芸人の目が潤む一幕も。
大トリを飾ったのは、ダブルアートの2人が結成した過激バンド・WART。ラストを飾るのにふさわしいとんでもない熱気と一体感で、会場は大盛り上がりでした。
フィナーレでは、出演者全員で光GENJIの「勇気100%」を合唱。盛山がTシャツを、河井がタオルを客席に投げ入れると、観客が殺到して奪い合います。それを見ていた髙見がTシャツを客席に投げますが、客席から舞台に投げ返され、「なんで俺のだけ戻ってくんねん!」と嘆きながらTシャツを着て退場していました。
最初から最後まで音楽と笑いに包まれ、花火大会のような賑やかさのまま「真剣音楽祭」は幕を下ろしました。
大きすぎる野望に盛山からツッコミ
終演後にはダブルアート、アインシュタイン、見取り図が報道陣の囲み取材に応じました。
河井が「ダブルアートのコーナーは絶対にケガをする。ケガなく終わってよかったです」と安堵の表情を浮かべると、盛山は「DT4に、あんなカリスマ性があるなんてびっくりした。ベースの府上なんか、ゼロからの状態であそこまで仕上げてきてスゴいです」と、メンバーの可能性を感じた様子。
リリーは「ふだんはチンカスみたいなダブルアートの2人が、今日は魅力を発揮していて大きく見えました」と、可愛がっている後輩の成長に顔がほころんでいました。
ビッグイベントを成功させ、無事、先輩たちからも認められたダブルアート。12才協会の今後を聞かれると、真べぇは「Amazonプライムビデオ、Netflixに並ぶコンテンツにしていきたい」、タグは「天気予報くらい必要とされるコンテンツにしたい」。コンビ揃って大きすぎる野望を語りますが、盛山に「動画配信で金玉燃やしたりしてるのに無理やろ!」と、即座に現実を突きつけられていました。
「12才協会」公式サイトはこちらから。