緑豊かな自然に囲まれたハートの街、沖縄県南城市。市民たちの文化拠点となっている南城市文化センターでイベント『Laugh&Peace Live ~音楽×お笑いの祭典~』が、10月13日(日)、14日(月・祝)の2日間にわたって開催されました。 メインステージでは音楽ライブ、サブステージではお笑いライブ、さらには漫画家体験やCGを使ったワークショップ、会場全体を使った世界遺産謎解きラリーなど、とにかく盛りだくさん。 また このイベントでは、南城市にある世界遺産・斎場御嶽(せーふぁーうたき)など、貴重な沖縄の世界遺産の正しい理解やマナー喚起も目的にしていて、イベントの随所に工夫が凝らされていました。
よしもと沖縄で活動する又吉広人が、熱く盛り上がった現地からレポートいたします!
沖縄出身のド派手ロックバンドが登場!
出演者は、MCのガレッジセール(川田、ゴリ)をはじめ、初日の13日には、空気階段(水川かたまり、鈴木もぐら)、3時のヒロイン(ゆめっち、福田麻貴、かなで)、ラニーノーズ(洲崎貴郁、山田健人)、そして漫才コンビ・テンダラーの白川悟実が率いる『ジ・白川バンド』、ラニーノーズによる4人組メロコアバンド『Runny Noize』、沖縄発の歌謡曲パフォーマンス集団『デラックス×デラックス』。
14日には、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)、トレンディエンジェル(たかし、斎藤司)、くまだまさし、エハラマサヒロ、トニーフランク――などなど、まさに音楽とお笑いの祭典にふさわしい、そうそうたる面々が登場しました。
初日のメインステージで、MCガレッジセールに呼び込まれて登場したのは、ボーカルのアサガオをリーダーに、ギターのスイレン、ベースのスズラン、ドラムのサクラ、そしてパフォーマンスのシダ、コク、ラシからなる『デラックス×デラックス』。地元沖縄から拠点を東京に移し、いまや日本全国で活動するロックバンドです。
まず登場したときのオーラ、迫力がスゴかった。それもそのはず、アサガオ、スイレン、スズラン、サクラの総体重はなんと555キロオーバー!! 派手な衣装を身にまとい、とにかく異彩を放っています。そして、その横にいる黒い衣装のシダ、コク、ラシは“か弱い演奏隊”を守るためのSPだそうです。
その会場にいるみんな思ったはずです。「いや、大丈夫だろう」と(笑)。
ものの数分でやられた…デラックス×デラックスの魅力
そんななか、まず披露したのは中森明菜の『DESIRE-情熱-』。その演奏技術もさることながら、大きな体躯から放たれる歌声は観る者を一瞬にして惹きつけます。軽快なトークとのギャップに、僕もものの数分でその魅力に魅せられました。
オリジナル曲の『飼いならされたいの』に続いて『恋してよDISCO』では、観客も頭の上でタオルを振り回し、会場のボルテージは最高潮! 沖縄人はシャイな人が多いなんて言われたりしますが、会場一丸となってタオルを回すほどの盛り上がり!!
ライブ中盤、アサガオが松原みきの名曲『真夜中のドア~stay with me~』をしっとりと歌い上げます。そこで際立っていたのが、ラシとシダのダンス。ゆったりとしたバラード曲に合わせ、力強いパフォーマンスを見せて観客を魅了。ただのSPじゃなかったんだ……。
圧倒的な声量と圧巻のパフォーマンスで、最後にオリジナル曲『セクシーダイナマイト』を披露。ポップな曲調と一緒に歌いたくなるような歌詞、ノリやすい曲となってます。気がつくと会場全体で「セクシーダイナマイト!」と大合唱する大盛り上がりでした。
最後にMCのガレッジセールから今後の夢を聞かれると、「いつかは紅白出て世間を賑わせたり、海外進出したい。そして、日本が誇れるアーティストになって沖縄に戻ってきたい」と笑顔で語ってくれました。
沖縄でもっとも勢いのある若手も登場!
サブステージでも、沖縄で活躍する芸人と東京・大阪から来た芸人の熱いお笑いライブが開催されています!
まず1組目は超若手女性コンビの桃花鳥(仲門もえか、よすみ)です。
沖縄本島と本州を繋ぐ橋がほしいと言い出したよすみに対し、「いらない」理由を述べていくというもの。独自の視点で繰り広げられる展開と、次第に強まっていく仲門もえかの毒の効いたあるあるで会場を大いに盛り上げてくれました。
続いて登場したのが、10月からよしもと沖縄に移籍したピン芸人・たなか茜。この日が沖縄移籍後の初舞台で、得意の深田恭子のモノマネでショートコントなどを披露して盛り上げました。どうやら彼女は、沖縄人に受け入れられたようです。めんそーれー!
3番手で登場した、いま沖縄でもっとも勢いのある若手・ハナフラワー(グレキン、リョウジ)。すべての曲を覚えたと豪語するリョウジ。しかしグレキンがイントロクイズを出題すると、リョウジはカバー曲のほうで答えてしまう。独特のテンポと着眼点で客席からは大きな笑い声が聞こえていました。
そして、指笛とともに4番手で登場したオリオンリーグ(剛くん、玉代勢直)。いつもの紅いもタルト色のシャツに身を包んで漫才を披露します。子どもにキラキラネームをつけたいという玉代勢に、剛くんの提案するキラキラネームがヘン過ぎる。その心地いいボケと軽快なテンポは、さすがの一言でした!!
■ラニーノーズとのセッションはカオスな展開に…
メインステージでRunny Noizeとして音楽ライブで盛り上げたラニーノーズは、サブステージでも、得意の音楽ネタで会場を巻き込んで大盛り上がり! メインステージにも勝るとも劣らない一体感でした!
コーナーのエンディングでは、自身も音楽活動をしているという玉代勢が「ラニーノーズと一緒にやりたい」と言い出します。すると、ラニーノーズがネタでやった曲を歌い出し、そこにオリオンリーグが指笛とカチャーシーで加わり、なぜか後ろでグレキンが野球の素振りをするというカオスな展開に――会場は大きな笑いに包まれました。
サブステージでは、翌日も沖縄芸人たちが大活躍! TOKU、ありんくりん(ひがりゅうた、クリス)、チキンナンゴー(ぶぎー、山下翔大)、カートンズ(古賀一樹、りおチルドレン)、ハイビスカスパーティー(ゆか、ちあき)、オムライスマカロン(上村淳也、神垣)、初恋クロマニヨン(比嘉憲吾、新本奨、松田しょう)らが観客を沸かせました。
職業体験ができるワークショップ
大盛り上がりの音楽&お笑いライブのほかにも、親子で楽しめるコーナーがたくさん! 「マンガ家体験コース」では、さまざまなショートエピソードに自分が考えたキャラクターを当てはめて、4コマやショートマンガのネームにチャレンジします。沖縄ラフ&ピース専門学校の講師・うやまつかさ先生が、キャラクターの配置、セリフのコマ割りなど、わかりやすく教えてくれました。
子どもたちも真剣な眼差しでつかさ先生のお話を聞いていました。将来、このなかからスゴい漫画家さんが生まれるかもしれません!
「CG(キャラクター制作体験)コース』ではフリーソフトを使って、みんなで思い思いのキャラクターをつくっていました。同じく沖縄ラフ&ピース専門学校の講師・垣花英貴先生が、子どもたち一人ひとりに丁寧に教えていたのが印象的でした。パソコンでつくったキャラクターをカメラと連動させて、自身の動きに合わせて動くようになると、子どもたちは大喜び!!
それを見ていた大人の僕も思わず「すご!」と声を漏らしてしまいました! この体験からCGに興味が沸いて、クリエイターになる人もきっといるはず。
終了2分前に「謎解きラリー」クリア!
そういえば、会場のいたるところにクイズのパネルがあったんです。どうやら「世界遺産謎解きラリー」というものをやっているようだったので、もちろん僕も参加してきました。
「世界遺産」といえば、確かにステージでもガレッジさんがこんな注意喚起をしていました。
「南城市にある斎場御嶽が2000年に『琉球王国のグスク及び関連遺産群』のひとつとしてユネスコ世界遺産に登録されて以降、来訪者が増加している反面、レンタカーなどの交通渋滞や観光客のマナー違反が目立ってきているため、事前にホームページでマナーと禁止事項を確認しましょう」
そう、沖縄には実は世界遺産が9カ所もあるんです。それがテーマになった今回の「世界遺産謎解きラリー」。
しょせん子ども向けの簡単なクイズだろうとタカをくくっていたのですが、でーじ(とても)難しい!! むしろ子どもたちのほうがスラスラ解いてる! 実際、2問目の答えがまったくわからなくて、近くにいた小学生に聞きました。
なんとか全4問のパネルを解読して受付に行くと、さらなるクイズの紙を渡されました。楽しませてくれるじゃない! 謎解きラリーが終了するのが午後6時。受付スタッフさんたちの協力もあり、なんとか午後5時58分にクリア!! 景品で謎解きラリーカード、そして金貨(チョコ)をいただきました。
音楽を聴いて、お笑いを観て、ワークショップで体験して学んで、謎解きで体と脳を動かして1日中遊べるイベント、それが『~Laugh&Peace Live~音楽×お笑いの祭典』。フェスや音楽ライブにほとんど行ったことがない私ですが、とても楽しかったです! 親子で来ても、1人で来ても、楽しめる『Laugh&Peace Live』! 次は音楽好きの友だちと一緒に来たいと思います!!