ここ数年、年末に単独ライブを開催している囲碁将棋(文田大介、根建太一)。今年も12月1日(日)に大阪・なんばグランド花月、12月28日(土)に東京・ルミネtheよしもとで、ライブ『曼珠沙華』を開催します。2024年に結成20周年を迎え、さらに活躍の幅を広げた2人。この1年を振り返りながら、恒例となった単独ライブへの思いを語ってもらいました。
「自分たちのやりたいことができた」
──今年が結成20周年イヤーの囲碁将棋は、初の全国ツアーや自身のラジオ番組のイベントなどさまざまな活動をしてきましたが、振り返ってみてどんな年でしたか?
文田 去年(2023年)のほうが活動としては派手だったのかなと思いますけど、今年は自分たちのやりたいことをやらせてもらった1年だった気がします。
根建 たしかに。『THE SECOND』の決勝には行けなかったけど、けっこういろんなことができましたね。
──2023年に『THE SECOND』の決勝戦・グランプリファイナルに進んだことをきっかけに、2人の知名度はとても広がったと思います。しかも、2024年の大会後も人気が衰えることなく、ますます活躍していた印象があります。
文田 賞レースって基本、新しい年の人たちによって更新されていくじゃないですか。だから今年はめっちゃ仕事減るかなと思ってたんですよ。でも、ありがたいことに減らなかった。ただ、大宮にいる日が増えました(笑)。
──たしかに。昨年は、大宮ラクーンよしもと劇場に出演する機会が一時的に減っていましたね。
文田 大宮を捨てて、芸能界のスターダムを駆け上がっていこうと思ったんですけど。
根建 捨てられませんでした。
文田 で、帰ってきました(笑)。ただ、ないものねだりで、大宮になかなか出られなかった時期は、それはそれで寂しかったりしたので、今年はバランスがよかった気がしますね。
根建 幕張にも出てますし。
文田 そう。で、わりと自分たちが楽しかったから、いい年だった。
文田の父親が台無しにしかけた野音イベント
──2024年でいちばん印象に残っている出来事はなんですか?
根建 僕はやっぱり野音(2月にZEKKEI MANZAI TOUR東京公演を日比谷野外大音楽堂で開催)ですね。野音ファンなんで、あのステージからの景色を見られたのはすごく嬉しかったです。
文田 念願の野音でネタ始まって、ボケで「僕らのこと知らない人?」って聞いたとき、うちの親父だけ手を挙げてて。こんなに積み上げてきたイベントが、開始即終わるんじゃないかと思いました。
根建 大事なライブのしょっぱなで、始まってんのにまだ席についてもいない、通路歩いてる文田の親父が手ぇ挙げてね。マジであれはヤバかったな。台無しになるとこだった。
文田 まだあんまり許してないですもん(笑)。
大宮セブンの映画は「すばらしい材料」
──(笑)。文田さんがいちばん印象に残っているのは?
文田 ダイヤモンドとマヂカルラブリーと3組で回った『ウルトラセンスツアー』で(9月に)沖縄の宮古島に行ったんですよ。そこで、野田クリスタルが見たことないくらいはしゃいでたこと。
根建 すげえ羽伸ばしてましたね。
文田 みんなで海行ったとき、シュノーケルとかラッシュガードとか、大量にドンキで買ってきて。
根建 全員分。何もかも野田くんが払ってたよな。
文田 僕は自分用のちゃんとしたラッシュガードを持っていって着てたんですよ。で、流れで脱いだやつが、たぶん野田くんが買ってきたみんなの分に紛れてなくなっちゃったんだよね。
根建 いいラッシュガードなんでしょ?
文田 そう。あれけっこうショックだった(笑)。
──今年は8月に大宮セブンの10周年ツアーでも沖縄に行きましたよね。
文田 野田くん、そのときも浮かれてはいたけど、宮古島ではさらに先頭ではしゃいでた。
根建 野田クリスタルってあんなキャラですけど、旅行ではめちゃくちゃベタな男なんですよ。オレも一緒に何度か旅行したことあるけど、マジでパンフレット1ページ目から順番にいく男。お笑いの教科書はぜんぶ無視するのに、旅行の教科書は読みまくるんです(笑)。
──大宮セブンといえば、今年は大宮セブンの映画『くすぶりの狂騒曲』もつくられました(12月13日から全国公開)。
文田 僕らも観たんですけど、タモンズがウケてないころから客席で笑っている女の子がいるんです。で、その子がライブ後に大波だけを出待ちするシーンがあるんですよ。別に2人の出待ちでもいいのに。個人的にそこがめっちゃツボです。
根建 主役・タモンズって言ってるけど、実は主役・大波なんだよね(笑)。脚本は僕らの元同期のヤツ(中村元樹)で、めっちゃ細かく取材してつくってくれてます。
文田 映画ってすごいですよ。もちろんヒットしてほしいけど、しなくてもそれはそれでイジれるから、すばらしい材料が与えられたなと思って。ちゃんとつくられている映画だから、そこがいいですよね。
単独ライブが賞レースの始まり
──12月には、なんばグランド花月とルミネtheよしもとで単独ライブ『曼珠沙華』が開催されます。年末の単独ライブも毎年恒例になってきましたね。
文田 『M-1』に出ていたころは春〜夏にやってましたけど、卒業してからは当てつけのようにこの時期に単独をやってますね(笑)。単独ライブがいちばん少ない時期だと思うので。
──『THE SECOND』が始まってからは、この単独ライブが賞レースの始まりという感覚も?
文田 あ、そうっすね。できれば『THE SECOND』で「今年つくったネタをやっている人」でありたいという気持ちがあるんですよ。だから単独は戦えるネタができるかできないか、「お願いします!」という気持ちでやってます。それこそ今年の『THE SECOND』では新ネタをかけられなかったので、来年はなんとか。
──『THE SECOND』は『M-1』と比べても、新ネタであることはそこまで重視されないように思いますが、「できれば新ネタで」という思いを持っているのはなぜですか?
文田 別にお客さんもそれを求めてるわけじゃないし、僕らもむちゃくちゃこだわりがあるというわけではないんです。ただ、わざわざ昔のネタを引っ張り出してイマ風にするのって、なんか面倒じゃないですか。それよりも、いまできて面白いものだったら、できればそっちをやりたい、それが第一希望、という感覚ですかね。
見たことあるネタでも『THE SECOND』のあったかいお客さんは笑ってくれるんでしょうけど……。やっぱり新ネタ、見たことないネタで笑いたいじゃないですか、きっと。今年の『THE SECOND』のかもめんたるさんとか、本当に最近つくったネタ持ってくるからドキドキするじゃないですか。
根建 たしかにな。
文田 ああいう魅力をまとっていたいなという思いはありますね。
根建 単独ライブで、初めてお客さんの前で新ネタをやるときが、やっぱりワクワク度合いはいちばんあるんですよね。だから賞レースでも、直近の新ネタをやれるのがいちばん鮮度もあるし、やっててドキドキもするし。逆にめちゃくちゃ自信あるネタでいつもよりウケなかったら、「あれ、いつも絶対ウケてんのに」と傷つきそうじゃないですか(笑)。だったら、新しいネタを手探りでやる感じのほうがいいのかなと。
今年の単独は70分ネタも!?
──そんななか、今年の単独ライブ『曼珠沙華』はどんなライブになりそうですか?
文田 たぶん、ほかの漫才師の単独とは違う構成になると思います。以前は90分ぶっ通しで漫才やって帰るスタンスでやってたんですけど、数年前からネタを分けて出すようにして。で、今回は大きく3パートくらいに分けてやろうかなと思ってます。
──3パート。
文田 細かくいうと、8本から10本くらい新ネタをやるんですけど、それを2〜3個ずつ、3パートに分けてやりたいなと。その中身の分類はまだ決めてなくて、均等じゃなくて5分ネタ、70分ネタ、20分ネタに分けるかもしれませんけど。あまり見たことのないものにはしたいなって。だからタイトルもこれまでとは変えましたし。
──また新たな境地の単独ライブが見られそうですね。
文田 そうですね。
根建 楽しみにしててください。
公演概要
囲碁将棋単独ライブ2024「曼珠沙華」
【大阪公演】
日時:12月1日(日)開場19:00/開演19:30/終演21:00
会場:なんばグランド花月
(大阪市中央区難波千日前11-6)
【東京公演】
日時:12月28日(土)開場19:00/開演19:30/終演21:00
会場:ルミネtheよしもと
(新宿区新宿3-38-2 7F)
<チケット情報>
チケット料金:前売3,500円/当日4,000円(全席指定・税込み)
配信2,000円 ※東京公演のみ
FANYチケット(会場)はこちらから。
映画概要
『くすぶりの狂騒曲』
公開日:2024年12月13日(金)より新宿バルト9、イオンシネマほか全国ロードショー
出演:和田正人 駒木根隆介 辻凪子 土屋佑壱 永瀬未留 / 徳井義実(チュートリアル) 岡田義徳ほか
監督:立川晋輔
脚本:中村元樹
主題歌:河口恭吾「悪い恋人」(よしもとミュージック/ミラクル・バス)
配給:イオンエンターテイメント 吉本興業
公式サイトはこちらから。