本気のおかずクラブ「今回、CMを取りにいこうと思っています」「狙ってます!」【THE W決勝直前インタビュー】

“笑いの女王”を決める『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』の決勝が、12月10日（火）に日本テレビ系で生放送されます。過去最多となるエントリー総数903組の中から決勝に残ったのは12組。今回はそのなかから、5年ぶり2度目の決勝進出を決めたおかずクラブ（オカリナ、ゆいP）のインタビューをお届けします！

今年で第8回を迎え、すっかりこの時期の恒例となった『THE W』。プロ・アマ問わず、芸歴や芸風、人数などの制限はいっさいなしに、純粋にネタの面白さだけで、女性芸人日本一の称号と優勝賞金1000万円をかけて争う“異種格闘技戦”です。

今年のファイナリストは、足腰げんき教室（うちだすぺしゃるはーたみん、くろさわ）、エルフ（荒川、はる）、おかずクラブ（オカリナ、ゆいP）、河邑ミク、キンタロー。、紺野ぶるま、忠犬立ハチ高（ノムラフッソ、王坂）、にぼしいわし（香空にぼし、伽説いわし）、ぼる塾（酒寄希望、きりやはるか、あんり、田辺智加）、もじゃ、やました、レモンコマドリ（梶原はるな、小野寺ゆき）の12組。

おかずクラブの2人は、当初は出場するつもりがなかった今回の大会に出ることになった経緯や、支えてもらった人たちへの思いを明かしてくれました。

今年に入って一度は目標を見失った

――本番直前のいまの気持ちを聞かせてください。

オカリナ　だいぶワタワタしています。慌ただしいです。ゆいPが『THE W』のスタッフさんとネタのことで連絡をとりあってくれているんですけど、それが二転三転しているので、向こうのスタッフさんも大変だと思います。

ゆいP　1本目のネタはだいたい固まってきているんですけど、最終決戦で出すネタをだいぶテコ入れしていて、いまの時点で、あと2回の劇場出番で試すしかないんですよ。

――今回、ルミネtheよしもとでインタビューをしていますが、劇場でのネタの調整が大事なんですね。

ゆいP　今日の出番もそうでしたけど、ルミネtheよしもとのスタッフさんがめっちゃ優しくてびっくりしました。

オカリナ　リハーサルをしていても「（おかずクラブ側が準備した）音が悪いから本番までに用意ができたらいい音に変えようか」と提案してくれて……。

ゆいP　そのほかにも「いまは台本ではこうなっているけど、もうちょっとこの音を長く聞かせないとお客さんには伝わらないかもね」とアドバイスをくれました。それって、絶対に自分たちでは気づけないことだし、そこまでウチらなんかにしなくたっていいのに、本当にありがたいことです。

あと、山﨑ケイ（相席スタート）さん、KAƵMA（しずる）さん、ライスさん、ビスケットブラザーズとか……芸人さんたちにもネタを見てもらったんですけど、皆さん親身になってアドバイスをくださるんです。スタッフさんもそうだし、芸人さんもそうですけど、ここ最近で、マジで吉本に入ってよかったなって思う瞬間が何度もありました。そもそも、お仕事をいただけるのも吉本のおかげだし。

オカリナ　劇場に出られるのも吉本だからですし、お世話になってる先輩にお願いできるのも吉本の強さだなって思います。

ゆいP　層が厚いですからね。当たり前のようにチャンピオンがゴロゴロいますから。今年は10年前くらいに作ったネタをブラッシュアップして、劇場でネタを試しているんですけど、褒めてくれることが多くて嬉しいです。やっぱり、芸人に褒められるのがいちばん嬉しいじゃないですか。ビスブラの原田（泰雅）は後輩なんですけど、そんなの関係なしに思ったことを素直に言ってくれるので本当に助かっています。

――おふたりにとって、ネタと向き合う期間になっているんですね。

ゆいP　人生で初めてぐらいです。寄席でネタをかけたり、合間の時間にめちゃくちゃ話し合ったり、アドバイスをもらったり、いままでそんなことしなかったんですよ。いままでの空き時間は寝てるか、漫画読んでるか、YouTube見てるとか、本当に何もしていませんでした。

オカリナ　今回、準決勝が終わったあと、ゆいPが初めて「落ちたらマジで悔しいかも」と言っていたので、ストレートで行けてよかったです。

――昨年の『THE W』は惜しくもリザーバー（次点）でしたね。

ゆいP　正直、去年までは漠然と『THE W』を受けていたんですよ。

オカリナ　もともとは、新幹線の移動をグリーン車にしたい目的があって。

ゆいP　吉本は賞レースで優勝したらグリーン車になるんです。

オカリナ　でも、今年急にグリーン車になったんですよ。だから目標を見失っちゃって……。今年は『THE W』に出ないという話になっていたんですけど、マネージャーさんが変わって、そのチーフの方が「出なきゃダメだよ」と言ってくださったんです。最初は不満もあったんですけど（笑）、出たことによって今があるので、ありがたい言葉だったなって思います。

ゆいP　人の助言は聞くべきだよなと思いました。去年まで漠然と受けていたから、リザーバーになるとは思っていなかったんですよ。こういう大会ってニューカマーを探しているから、何年か前にテレビに出させてもらった私たちのような芸人は、よっぽどのことじゃないと上げてくれない……と思っていて。でも、去年リザーバーになって、「私たちでもしっかり面白いネタを作れば、上げてくれるんだ」と思いました。

新マネージャーが“3人目のおかずクラブ”？

――今回の決勝進出会見では「怠惰な生活をしていた」と言っていました。具体的にいつごろまでそうした生活をしていたんですか？

ゆいP　今年の6、7月くらいまでです。本当にグータラしていました。

オカリナ　前の前のマネージャーさんも私たちに「やらないとマズいですよ」と話をしてくれたし、久しぶりに『キングオブコント』に出たら涙してくれる方で、“声”で励ましてくれたんですけど、私たちは声だけだとやらなかったんですよね。

ゆいP　私たちは怠け者なんです。ネタ合わせがあっても「眠いから今日はやめよう」って寝ちゃうんです。

――（笑）

オカリナ　今年の7月にマネージャーさんが変わって。私がロケに行っているあいだに、スケジュールに「ネタ合わせ」って入ってたんですよ。「聞いてないぞ？」と思っていたら、（マネージャーがゆいＰに）「ゆいPさん、この日空いていますよね。『THE W』のネタ作りしますよね？　教室（吉本本社の会議室）取っておいたんで」と囲い込んできたらしくて……。

ゆいP　そうなると、私が断るのもおかしいし、やんなきゃダメだなと思って……。ネタを作りはじめたんですけど、その教室にマネージャーさんがずっといてくれるんです。で、私が煮詰まっていると「こういうのどうですか？」と提案もしてくれる。しかも、その提案がめっちゃいい。さっきもネタ出番の前後に打ち合わせをしていたら、マネージャーさんが最適解をくれて、“それをやりましょう”って話になりました。本当に3人目のおかずクラブですね。

――芸人さんも劇場スタッフも含めて、まわりの人に支えられているんですね。

ゆいP　今回はマジで絆を感じています。お世話になっています。

オカリナ　もちろん、いままでのマネージャーさんもちゃんとやってくれていたんですけど、励ましの言葉だけじゃ私たちは動かなかったんだ……と今回、初めて気づきました（笑）。何も言えない状況に追い込まれるほうがいいというか。

――最後に決勝に向けて、意気込みをお願いします。

ゆいP　やれることはやってきたので、結果がどうであれ、楽しんでやれるといいなと思います。緊張でガチガチなのは、自分たちらしくないなって思うので。

オカリナ　テレビでネタをしているイメージがないと思うので、「ネタをやっているよ」と知ってもらえたら嬉しいです。私たちのネタを見たお偉いさんのお孫さんが、自分のおじいちゃん、おばあちゃんに「このネタ大好きなんだ。会社の商品のCMに使ったらいいと思うよ！」とおすすめしてくれたらいいな、と願望を持っています。

ゆいP　そうだねー。「たまたまアラブの大富豪とか見てくんねーかな」って思います。

オカリナ　今回、CMを取りにいこうと思っています。いけるネタだと思うんですよ。

ゆいP　狙っています！

文・写真＝浜瀬将樹