吉本新喜劇と、多くの人気声優が所属する事務所「アクロスエンタテインメント」がコラボした異色の舞台公演が、1月25日(土)、26日(日)に東京・草月ホールで開催されています。吉本新喜劇きってのアニメ・声優オタクである岡田直子が監修した『とある神様に異世界転送させられた新喜劇座員が、オタク知識(スキル)を振りかざし、無双するみたいです。』には、新喜劇座員に加えて多く人気声優が出演。声優ファン、新喜劇ファンのどちらも楽しめる大爆笑のステージになった初回公演の模様をレポートします。
岡田の“オタク熱”が舞台上で大爆発!!
今回の舞台は、“オタク”を自認する岡田が、夢と情熱をかけて企画したもの。アクロスエンタテインメントからは、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の宮城リョータ役などで人気の仲村宗悟や、アニメ『ラブライブ』の南ことり役で知られる内田彩、タレントとしても活躍する金田朋子らが出演。
さらに、“レジェンド声優”の山寺宏一がVTRで登場し、アニメ『鬼滅の刃』の竈門炭治郎役で話題をさらった花江夏樹も声で出演するなど、実に豪華な顔ぶれです。吉本新喜劇からも川畑泰史、島田珠代、烏川耕一、松浦真也といった人気メンバーが勢ぞろいしました。
物語の始まりは、おなじみの吉本新喜劇の舞台。新喜劇のテーマソングにのせて幕が開くと、岡田や川畑が働く「花月うどん」に、松浦と大黒笑けいけい扮する強面の男たちが借金の取り立てにやってきます。
新喜劇らしい軽妙なやりとりでさっそく客席は笑いに包まれるなか、川畑から岡田にダメ出しが……。落ち込む岡田のもとに神様が現れ、“勇者”として異世界へ転送するというストーリーです。
異世界の住人として人気声優たちが舞台に登場するたびに、岡田は「あの役が大好きで!」「作品の聖地巡礼にも行きました!」とファンとして情熱が大爆発! 声優たちは異世界の住人役に徹しながらも、岡田の絶賛に嬉しさを隠し切れない表情を見せ笑わせます。
良くも悪くも台本に捉われず自由な言動を繰り返す金田をはじめ、声優陣は座員からの達者なツッコミを受けながら、のびのびと楽しそうにボケを連発し、会場の笑いが止まりません。
さらに島田珠代が元気よく登場すると、会場からは割れんばかりの拍手が。珠代はギャグ連発の大サービスで応じました。
カーテンコールで岡田は「アクロスエンタテインメントさんとがっつり新喜劇するとか、新喜劇で異世界ものをやるとか、初めてのことすぎて、どうなることやらと顔面蒼白になっていましたが、いまはどうにかホカホカしてよかったです!」と笑顔を見せ、公演は終了しました。
新喜劇としては異例の“長い”稽古?
初回公演終了後、仲村宗悟、金田朋子、内田彩、岡田直子、川畑泰史、新名徹郎、島田珠代が囲み取材に応じ、それぞれ感想を語りました。
岡田直子「とにかく不安でしたが、(舞台が)始まってすぐに、お客さまが新喜劇を受け入れてくださった空気が出ていたので、その時点でガッツポーズが出るくらい安心しました。残りも無事に終えられるように全力で頑張ります!」
仲村宗悟「稽古で見せてもらったんですけど、笑いに貪欲な人たちってめちゃめちゃカッコいいなと思いました。舞台上で作品をブラッシュアップしていく感じが、声優業にもつながるものがあるんじゃないかなと、すごく勉強させてもらいました」
金田朋子「本当に私、すぐ忘れてしまうので、舞台とかできるのかなって思っていたんですけど、皆さんがすごく助けてくださったので、皆さんとだからできたな、と。あと、今日は娘が観に来てくれて、帰りたくないってなっちゃうくらい面白かったみたいなので、本当にこの舞台に出させてもらってよかったです」
内田彩「声優の仕事では“異世界モノ”の作品に出演することが多くて、転生してばかりだったのですが、実際に舞台でエルフ(内田が演じた妖精)の耳とかを着けて体現できたのが楽しかったです。それと、大ファンの珠代姉さんとご一緒できたのが、本当に、本当に嬉しかったです!」
川畑泰史「(最近は)声優さんとお仕事をさせてもらうことが多いんですけど、声優さんたちのスキルの高さね。ボクたちに声優さんと同じ仕事はできないですけど、声優さんたちはボクらの仕事をパッとできちゃうんですよ。あと、声優さんのファンの方々はええ人が多い! たいそうな音楽に合わせてボクみたいなのが舞台に出て行っても、ワッと盛り上がってくれる。皆さんがすごく優しいか、もしくはボクを声優の誰かと間違っているのかも(笑)」
新名徹郎「新喜劇で珠代姉さんの相手させてもらうこともあるんですけど、今回、金田さんとご一緒して、“ガチでヤバい人やな”って……(笑)。珠代姉さんは舞台上でヤバくなるんですけど、金田さんはナチュラルでヤバいんですよ。マジで台本一文字も合っていなかったです! 何が飛んでくるかわからないので、残りの公演も楽しみです」
島田珠代「企画・台本にかかわっている岡田直子ちゃんにあんなにお願いしたのに、(仲村)宗悟とのキスシーンがありませんでした……。声優さんのファンの方に新喜劇が受け入れられるか心配だったのですが、ふたを開けてみたらすごい盛り上がりで、まさかのボインボインダンスを急遽入れてしまいました。お客さまのノリ次第で、珠代はどんどん“転生”していきます!」
今後チャレンジしたい企画について聞かれた岡田は、「やっぱり恋愛系。高校生たちが恋愛する学園異能モノ」と即答。川畑から「新喜劇なんておっさんしかいいひん!」とツッコミが入りますが、岡田は「大丈夫! 私がちゃんと(役を)当てがいます!」と自信を覗かせます。
金田は「動物がいっぱいでてくるヤツとか。でも、私は人間役をあまりやったことがないから、やっぱり人間がいっぱい出てくる話で……」と迷走。川畑に「それ、ふつうの芝居や!」とピシャリとツッコまれていました。
岡田は今回の稽古について、「公演の前々日に劇場に入って稽古して、昨日も稽古してと、新喜劇として前代未聞の(長い)日数をこなしました」と振り返ります。すると仲村は「いやいや、僕たち不安すぎてもう1日、練習日を増やしたんですから」と明かして、座員たちはびっくり。仲村は「こんな日数でできるあなたたちはおかしい!」と座員たちにツッコミを入れました。
声優ファンやアニメファン、新喜劇ファンはもちろん、そうでない人も楽しめるこの公演は、1月26日(日)分(昼・夜2公演)の当日券を劇場で販売しています!
公演概要
『とある神様に異世界転送させられた新喜劇座員が、オタク知識(スキル)を振りかざし、無双するみたいです。』
日程:1月26日(日)<昼公演>開場 12:30/開演 13:30 <夜公演>開場 16:30/開演 17:30
会場: 草月ホール(東京都港区赤坂7-2-21)
出演:
<吉本新喜劇>
岡田直子、川畑泰史、新名徹郎
島田珠代、烏川耕一、松浦真也、タックルながい。、金原早苗、
多和田上人、大黒笑けいけい、松浦景子
<アクロスエンタテインメント>
仲村宗悟、金田朋子、小山剛志、池辺久美子、
内田彩(25日のみ)、福原綾香(26日のみ)、
五十嵐雅、イッキ、亀岡孝洋
山寺宏一(VTR出演)
チケット:当日 10,000円(税込み)
※全席指定