プラン9のお~い!久馬が毎月主催している人気イベント『月刊コント』が15周年を迎え、2024年7月7日(日)に笑いの殿堂・なんばグランド花月にて『久馬歩責任編集 月刊コント15周年グランド号』が開催されました。

2009年から毎月開催されているこのイベントは、出演する芸人の持ちネタのコントを久馬オリジナルのブリッジコントで繋ぎ、最後の巻末コントで一つの物語になるというものです。バラバラのコントが見事に繋がっていく様は、まさに久馬マジック。
15周年記念公演となる今回は、ザ・プラン9(お~い!久馬、浅越ゴエ、ヤナギブソン、コヴァンサン、きょうくん、爆ノ介)、カベポスター(永見大吾、浜田順平)、隣人(中村遊直、橋本市民球場)、アインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)、アキナ(山名文和、秋山賢太)、水田信二、石田明(NON STYLE)、小籔千豊、ライス(田所仁、関町知弘)、未知やすえ、渋谷凪咲といった人気者に加え、なんと“お笑い怪獣” 明石家さんまも出演する超豪華メンバー!
吉本新喜劇座員で芸人ライターとしても活動する𠮷岡友見が、このワクワクしかしないスペシャルイベントをレポートさせていただきます。が、𠮷岡はおこがましさにドキドキもします!
久馬も思わず「嬉しいよね…」

テーブルとイスのみのシンプルなセットに石田がひとり。
ここは劇団マンスリーの15周年記念公演の楽屋で、石田は脚本を任された作家です。
劇団員の久馬、浅越ゴエ、爆ノ介やラーメン配達の新人バイト中村が登場し、月刊コントお馴染みの演出により出演者がシルエットで次々と紹介されます。
シルエットにさんまが浮かび上がると会場は割れんばかりの大きな拍手。久馬は思わず「嬉しいよね……」と本音をこぼし、それぞれのコントがスタートです。
まずはザ・プラン9のコント『カンニング』。クスリの取引きという設定のお芝居を演じる役者たち。登場する人物が次々とセリフ忘れ、カンニングしていくコントはどうやら劇団マンスリーの公演のようです。
ラーメン屋の大将・橋本が様子のおかしい新人・中村に翻弄される隣人の『元祖橋本屋』、稲田演じるシンデレラのインパクトが強すぎるアインシュタインの『シンデレラ』、インドに行って生き方の変わった親子が独特の世界観を繰り広げるアキナの『息子』、思い出の水族館で浜田が彼女にプロポーズしようとすると『ナマコ通ります』と飼育員・永見が通り過ぎるカベポスターの『水族館』、接着剤で上司の関町を椅子にくっつける田所がサイコパスすぎる『chaku』といった爆笑コントが続きます。

そして久馬マジック、久馬オリジナルのブリッジコントによってそれぞれの世界が繋がっていきます。
ラーメン屋『元祖橋本屋』のカウンターにはアキナ扮する親子が座り、そこに大将・橋本の妻である未知が登場。新喜劇の鉄板ギャグで沸かせます。そこに新人バイトとしてやってきたのは水田、実は橋本を始末するために未来からやってきたのだと言います。
そしてもうひとつの世界、水族館でプロポーズをしようとしている浜田の恋人は渋谷。そして娘・渋谷の後を追いかけてきた父親の小籔が登場します。そこに「サンマ通ります」と永見が水族館館長に扮するさんまを連れてくるとこの日一番の拍手に会場が包まれます。
登場から間髪入れずにボケまくるさんまにツッコみまくる小籔、そしてなぜか大喜利大会が始まり、さんまの厳しいダメ出しに浜田はタジタジになっていました。
なんとか結婚を許され、永見の「この水族館には結婚式場があります。」という言葉に「今日式を挙げたい」と言う渋谷。そんな急に司会を誰に頼むねん、と小籔がボヤくと「私がやります」とさんまが立候補します。
小籔も叫ぶ、「あんたのワンマンショーちゃうねん!」

そして結婚式が始まると、石田も参列。実は新郎である浜田の兄だったのです。
司会者としてさんまが客席から登場すると会場は大盛り上がり。お客さんとコミュニケーションを取り続け、なかなか舞台に上がってこないさんまに「司会者が目立つな! あんたのワンマンショーちゃうねん!」と小籔は叫び、舞台に上がるも止まらないトークを続けるさんまに石田も「時間が押してるんはあんたのせいや!」と絶叫します。
軌道修正してコントに戻り、石田の乾杯の挨拶が始まります。余興にザ・プラン9扮する劇団マンスリーの面々が呼び込まれたり、新郎の先輩・友人としてライスの2人が登場するも関町は椅子にくっついたままでスピーチしたり、突然渋谷の元カレとして河井が登場したり、渋谷と入れ替わりでシンデレラの稲田が登場したり、水田から逃げてラーメン屋にいた面々が式場にやってきたり……、すべての登場人物が見事に繋がっていきます。
「吉本のエラいさんが観てるねん」とコントの途中でも隙あらば入っていこうとするさんまに「エラいさん、みんなあんたより後輩や!」小籔が制し、客席は大爆笑。
盛り上がり過ぎて収集の付かなくなったところで未知がブチ切れ「こわかった~」で全員ズッコケ、大団円となりました。
最後には出演者全員集合し『笑顔のまんま』を大合唱。さんまは「僕が笑いを君にあげるから 君の笑顔を僕にください」と歌い上げ、客席の大きな拍手と歓声で幕を閉じました。
さんまさんがこんなに頑張ってくださるとは

エンディングでは「15周年おめでとう!」と久馬に拍手が送られるものの、さんまの破壊力に「誰のイベントだったんだろう」と浅越がつぶやきます。
そんな特別ゲストのさんまが呼び込まれると再び大きな拍手が巻き起こります。常にフルスロットルの大先輩を見て久馬は「こんな頑張ってくださるとは思ってもみなかった……」と感無量。未知に「まさか稽古からがっつり参加されると思ってなかった!」と言われたさんまは、「久馬に稽古から来いって手紙をもらって」と手紙での出演オファーだったと明かします。「出演してくださいと言っただけで稽古から来いとは言ってません!」と慌てて訂正すると「ギャラないんやろ」と言うさんまに出演者も大笑い。
最後まで爆笑を取り続けるさんまに終始ツッコみ続けた小籔は今回のイベントを「ロデオに乗ってる気分でした。手綱だけ離したらあかんと必死でした」とまとめ、これまた大爆笑でイベントは終了しました。
今回筆者は、もはやただのお客さんの気分でした。豪華すぎて面白すぎて。
お腹いっぱい、胸いっぱいでした。
そしてこんなイベントを15年も続けている久馬さんはやっぱりスゴイ。ずーーーっと続いてほしいイベントです。
作り続ける久馬さんは大変でしょうが……(笑)。
さあ、来月は一体どんなコントが繋がっていくのか。ぜひ皆さんも劇場で月刊コントの世界を体験してください!