NSC東京30周年オールナイト公演は「第二夜」も熱かった!「AGE AGE LIVE」復活にパンサー向井「このノリに加わりたい! って自然と身体が動いてた」

平成ノブシコブシ・吉村崇を発起人とした『吉村崇の勝手にシリーズ ~祝!東京NSC30周年「決起集会」〜第二夜〜』が3月22日(土)、オールナイト公演で開催されました。2025年3月末に閉館となる東京・渋谷のヨシモト∞ホールの19年の歴史を凝縮した一大イベントの第2弾。インパルス・板倉俊之、ロバート(山本博、秋山竜次、馬場裕之)、ピース・又吉直樹、パンサー(菅良太郎、向井慧、尾形貴弘)やチョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)など、今年30周年を迎えるNSC(吉本総合芸能学院)東京出身の豪華出演者が駆けつけるスペシャルな一夜となりました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

真剣審査の客席に「聞いてた話と違う!」

今回のイベントは、3月15日(土)に行われた「第一夜」の続編。前回と同じく、商業ビル「渋谷BEAM」地下1階のヨシモト∞ホールを「令和ステージ」、同ビルの7階に2018年にオープンし、今年5月末で閉館となるヨシモト∞ドームのステージⅠを「平成ステージ」、ステージⅡを「昭和ステージ」と銘打って3会場同時に行われました。

「平成ステージ」で開催されたのは「あの頃のAGEAGE LIVE」です。

2007年〜2010年にかけてヨシモト∞ホールで開催されていた若手芸人のランキングバトル形式のライブをオマージュしたこの企画。デビュー当初のチョコレートプラネットやトレンディエンジェル、結成直後のパンサーらが切磋琢磨したライブということもあり、ステージ上の出演者たちは同窓会のようなテンションです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

当時のライブを再現し、出演者全組がネタを披露。客席から票を募り、エンディングでランキングを発表します。

パンサーやチョコレートプラネットのネタが生で見られる貴重な機会に、客席も熱視線を送ります。「お祭り騒ぎだって言われてきたのに、お客さんめちゃくちゃ真剣にネタの審査してません? 聞いてた話と違う!」と出演者たちから思わず本音が漏れるほど、会場は盛り上がりを見せました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ラフ・コン重岡のくだりに一同「懐かしい!」

ネタの合間には出演者たちによる「AGE AGE LIVE」の思い出トーク。いまでは伝説となっているパンサーの出待ちの話題や、今回MCを務めたグランジ・大の泥酔事件など、”おおらかな時代”のライブシーンを振り返るトークは、新旧どちらのファンも楽しめる内容でした。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

投票を集計した結果発表のシーンでは、「AGE AGE LIVE」の中心メンバーとして劇場を盛り上げてきたラフ・コントロールの重岡謙作がかつてライブのたびにやっていた“くだり”を久しぶりにぶっ込み、出演者一同、「シゲさんすぎる! 懐かしい!」と一気にステージ上は当時のムードに。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

そこからは、チョコプラ・長田がカブせ、さらにパンサー・向井がフリとなり……という往年のファンにはたまらないやりとりが。

そして投票の結果、この日の第1位に輝いたのはインポッシブル(えいじ、ひるちゃん)でした! 「『AGE AGE LIVE』時代はくすぶっていて、1位をとることなんて一度もなかった」と語る彼らでしたが、この日は客席を爆笑の渦に巻き込んでいました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

エンディングでのパンサーとチョコプラの“スイッチ”の入り方を見るだけでも、見逃し視聴(3月30日から4月6日まで配信予定)の価値大! テレビで活躍する彼らの若き日の原点に触れることができる貴重な瞬間が詰まっていました。

ライブ出演後のパンサー・向井のコメントをご紹介します。

向井 「オールナイトライブって聞いたときは、正直、『めんどくせえな』って思ったんですよ(笑)。もう年齢も年齢だし、体力もないし。でも吉村さんが言うんだったら出よう、ぐらいのテンションで会場に来て……みなさんに会った瞬間にもうめっちゃ嬉しくなって! ライブ終わったら、マジで出てよかったなと思いました。

ラフ・コン重岡さんのくだりとかすっかり忘れてたけど、舞台でボケを聞いた瞬間に全部のくだりが頭に浮かんで、このノリに加わりたい! って自然と身体が動いてました。むかしライブに来てくださっていたみなさんも、たぶん最初の僕と同じような気持ちで『配信で観るのはめんどくさいな』って思うかもしれないけど、絶対に『観てよかった』と思うはずなので、ぜひダマされたと思って観ていただきたいです。

当時、ライブに足を運んでいなかった方も、『AGE AGE LIVE』時代があって、いまの僕らがあるので。いまに至るまでの僕らの過程の一部を知っていただける配信になっていると思いますのでぜひ!」

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

NSC時代の片思い相手に呼びかけ

インパルス・板倉と、ロバート・秋山。NSC東京が生んだレジェンド芸人2人を審査員に迎え、「令和ステージ」で行われた「嗚呼♪思い出ののど自慢」は、これぞオールナイトライブという深夜のテンションで、自由なボケの応酬がとまらないディープな企画となりました。

NSC時代の思い出を手紙にしたため、思いの丈を歌で表現した出演者は、おばたのお兄さん、ヨネダ2000(誠、愛)、ネルソンズ(和田まんじゅう、青山フォール勝ち、岸健之助)、レインボー・ジャンボたかお、世間知らズ・さおり、しずる・村上純、オズワルド・畠中悠、スパイク・松浦志穂、大西ライオンといった面々。

ステージが始まると、安定してボケまくる板倉と秋山。そしてNSC時代のコンビの思い出を“思わぬ曲”で表現するヨネダ2000に、会場は爆笑に包まれます。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

スパイク・松浦はNSC時代に片想いしていた”ある同期”に向かって配信カメラ越しに呼びかけ、「芸人と付き合うために芸人を志した」と豪語する世間知らズ・さおりは思いを寄せていた某先輩との赤裸々なエピソードをねっとりと語り、レインボー・ジャンボはなぜかびしょ濡れで登場。

そして、そんな出演者の歌声のすべてを、秋山・板倉の両人がボケでなぎ倒す……!! カオス満載のこの企画、年末に「紅白歌合戦」を観る感覚で楽しめます。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

クイズで飛び出すNSCレアエピソード

さらに「令和ステージ」では、「赤坂・西大井・神保町・池袋4校舎対抗NSCクイズ」が開催されました。

NSC東京の1期〜5期の校舎は赤坂(インパルス・板倉は「正確には赤坂じゃなく、溜池山王なんだよ!」と連呼)、6期〜13期は西大井(とにかく明るい安村曰く「6期も本当は卒業数カ月前までは溜池山王でした」)、14期〜28期は神保町(この時代のイメージが強い人が多いのでは?)、そして今年がデビュー1年目となる29期生から拠点となった池袋と、時代ごとの各校舎の出身者がチームとなり、NSC東京30年の歴史をまとめたクイズに答えていきます。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

はんにゃ.・金田哲が出題した相方・川島章良にまつわるクイズの衝撃の答えに一同が騒然とする場面があるなど、お祭りイベントならではのレアなエピソードが次々と飛び出しました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

芸人たちのNSC入学願書の画像が次々とモニターで写されていく演出もあり、推しの若き日の写真に会場は大盛り上がりです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

平場でボケ倒す芸人のわちゃわちゃ感や、ガヤ好きのファンにはたまらない企画でした。

相席スタート・山添「心では泣いてます」

イベントも終盤に差し掛かった深夜3時。「平成ステージ」では「世界キワモノ演芸2025」が開催されました。1990年代から定期的に開催されてきた、下ネタ・お下劣なんでもアリのキワキワの芸を披露するアンダーグラウンドなイベントが一夜限りの復活です!

MCに平成ノブシコブシ・吉村、審査員にピース・又吉、相席スタート・山添寛、オズワルド・伊藤俊介と盤石なメンバーで出演者を迎えますが、次々と繰り出されるシュール・下品・理解不能なネタに、舞台の上は爆笑と困惑が渦巻きます。まさに“ふつうのお笑い”では満足できない人にピッタリのディープな時間となりました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

この企画をはじめ、決起集会イベント「第一夜」「第二夜」ともにさまざまなコーナーに出演し、大いに会場を盛り上げた相席スタート・山添から、イベントの感想が届きました。

山添 「こんなイベントに2週にわたって出させてもらえるなんて、嬉しくて泣きそうだし、感極まってひざから崩れ落ちそうです。泣きそうだけどまったく泣いてないのは花粉症で涙が枯れちゃったからなだけですし、ひざから崩れ落ちそうな様子にまったく見えないのは、いま取材中だからなだけです。心では泣いてますし、ひざから崩れ落ちてます(真顔で)。

でも、ホンマに僕ら14期は、∞ホールの舞台に立つのがデビューしてからのひとつの目標だった世代なんですよ。デビューして立ち見で見学させてもらって、先輩に挨拶できるようになって、顔覚えてもらって声かけてもらえるようになって、っていう。そういう思い出がぜんぶ詰まった劇場なんで、こうして先輩と後輩のちょうど狭間みたいなポジションで、みんなとイベントに出演できたのはシンプルに嬉しかったです。

普段はあんまり絡むことのない先輩・後輩同士の絡みがたくさん観られるのもこんなイベントならではなんで、見逃した方は配信でチェックしてほしいですね」

発起人・ノブコブ吉村は「やってよかった」

こうして2夜にわたって開催された『吉村崇の勝手にシリーズ ~祝!東京NSC30周年「決起集会」』は無事!?終演となりました。

約20年もの間、渋谷の地で数々の伝説を生んできたヨシモト∞ホール。テレビ番組でメインを張るスターになった者や、賞レースの栄冠をつかんだ者だけでなく、芸人と観客の記憶の中だけで輝き続ける者や、人知れず散った者、いまも劇場で目の前のお客さんを圧倒的に沸かす者、いまだくすぶりながらも夢を見る者……。舞台に染み込んだ汗と涙とイロイロな汁が輝きとなって、ステージを照らしていたように感じさせてくれました。

最後に、お祭りイベントの指揮をとった平成ノブシコブシ・吉村を終演直後に直撃しました。

吉村 「さすがに年齢を感じておりますが、楽屋でいろんな世代が話してる姿とか見て、やってよかったなって思っております。『NSC校舎対抗』のコーナーとか、ほんとに誰も真面目にクイズをやらないあの感じ、芸人だけしか笑ってない時間、そういうのもすごく楽しかったですね。若手たちもそれに食らいついてきてくれて。

東京NSCの芸人を一度でも好きになったことのあるみなさんには、記念として観てもらいたいイベントだなって改めて思いました。とにかく今回、まったく体力が戻り切らなかったんで、次の東京NSC40周年イベントを僕がやるかはわかりません。40周年イベントが行われるかもわかりません。なんで、ぜひこのイベントを配信で見逃さないでほしいですね」

取材・文/maison de tanaharu


3月15日(土)に開催された『吉村崇の勝手にシリーズ~祝!東京NSC30周年「決起集会」~第一夜~』が現在、オンラインで見逃し視聴できます。視聴は3月29日(土)14:00まで(チケット販売は同日正午まで)。

FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。

『第二夜』の見逃し配信は以下の通りです。

<ストリーミング配信・配信期間>
発売期間:3/30(日)12:00~4/6(日)12:00
視聴期間:3/30(日)12:00~4/6(日)23:59

関連記事

関連ライブ配信

関連ライブ