しずる、空気階段、ピース又吉まで…とにかく「かわいい」づくしのコントライブに会場キュンキュン! 「この公演に来てくれた、みんながかわいいー」

「最高のコント寄席やってください」。そんなムチャぶりを受け、マンボウやしろが企画・構成・演出を務めたライブ『コントかわいい』が、7月11日（金）に大阪・なんばグランド花月で開催されました。もう中学生を案内人に迎え、タイトル通り、出演者からネタ、そしてBGMまで、すべて「かわいい」で埋め尽くされたライブの様子をレポートします。

冒頭からもう中学生ワールド全開！

定刻になると、案内人を務める「もう中」こと、もう中学生が登場。観客に向けてつむじが見えるほど丁寧に頭を下げて挨拶すると、もう中ワールドのスタートです。

今回のライブの趣旨について一生懸命、「これ、かわいいよねー」「あれ、かわいいよねー」とたとえ話を交えながら説明すればするほど、意味不明な状態に。「ちょっと見ちゃうね」と台本を取り出し、「えーっと」「なんだっけ？」などと、たどたどしく進行する姿さえ愛くるしいのが、もう中の魅力です！

「今年初めての7月11日の今日、この公演に来てくれた、みんながかわいいー！　それでは、かわいいコントの始まりでーす！」と満面の笑みで締めくくって、会場をキュンキュンさせました。

映像や音楽も抜かりなくかわいい！

もう中が立ち去って舞台が暗転すると、袖パネルにリボンにキャンディ、テディベアなど「かわいい」を詰め込んだガチャガチャの映像が映し出されました。目で見る「かわいい」だけでなく、「もう中学生ってずるいくらいかわいくない？」と語りかけるAI楽曲も耳に残ります。

そしてガチャガチャの結果、トップバッターとなったのは、しずる（池田一真、純）。「素人さんクイズ選手権」を舞台にしたコントを展開します。

解答者はクイズが大好きな「かわいい」おじいちゃん（一真）。一生懸命に解答するのですが、滑舌が悪くて司会者（純）に伝わらず、何度も「ブー！」。不正解のブザー音を鳴らされます。いっさいの妥協を許さない司会者とモヤモヤする解答者との、噛み合いそうで噛み合わない、じれったいやりとりに会場は大笑いです。

続いてガチャガチャが弾き出したコンビは、マイスイートメモリーズ（トランスフォーム福田、花谷豊）。金属バットやナイフ、ロープを繰り出すチンピラに絡まれて怖い思いをするものの、リンボーダンスや大根のかつらむき、手品やクイズに付き合わされる、かわいいオチに会場もほっこり。コントが終わると、ネタに含まれるキーワードを抽出したAI楽曲が流れ、絶妙な余韻を残します。

毒があるのに憎めないキャラ

続いて、空気階段（水川かたまり、鈴木もぐら）です。水墨画で描かれた水辺の景色に、いかだに乗った船頭（もぐら）と若侍（かたまり）が、静かに登場。長い沈黙の末に、あり得ない発言を繰り返す船頭と、どんな状況にも動じない若侍の不思議な掛け合いに、会場は笑いを抑えきれませんでした。ネタに合わせて流れるAI楽曲が、それぞれの男心を歌った演歌節なのもニクい！

舞台の中盤になって、ようやく登場したもう中は、全身黒タイツ姿。「海辺の鰻屋でお客さんに美味しく食べられるのが仕事だ」と胸を張るうなぎ役を快演したあとは、マイスイートメモリーズが2回、3回と登場。

その後、cacao（高橋、浦田スターク、たっぺい）が男女3人でお付き合いの末に結婚、出産にまで至る、円満なようなそうでないような微妙な三角関係コントを、5GAP（クボケン、トモ）は往年の葬儀コントを全力で披露したのちに、ヨネダ2000（誠、愛）が登場。喧嘩するほど仲がいい、独特の絆で結ばれた女同士の友情コントを披露します。

どのコントも、毒があるけど憎めない、滑稽なのに愛くるしい、「かわいい」キャラのオンパレードとなりました！