吉本新喜劇で約5年ぶりに実施された「金の卵12個目オーディション」に合格した新座員による特別公演が、8月2日(土)、3日(日)に大阪・道頓堀シアターで開催されました。今回の「金の卵LIVE ~金の卵12個目お披露目公演~」では、新座員たちがAとBの2チームに分かれて公演。ここでは2日目のBチームのフレッシュな舞台の様子をレポートします。

新人たちが全力で持ち味発揮
「金の卵12個目オーディション」では、応募総数約500人の中から17人の新座員が選ばれました。合格した顔ぶれは、超フレッシュ10代や音大出身の異色の経歴を持つメンバーなど個性豊かな面々です。新喜劇座長・アキの相方である水玉れっぷう隊・ケンが加入したことも話題になりました。
今回は、Aチーム(菅野智義、川越星、上野駿太、きだななみ、アイリスガワ、井上果音、横山裕輝、沖ひなた)、Bチーム(田中ルイボスティー、川本眞優、野呂桃花、立花えこ、後藤サフィー、おはる、九冨悠二郎、仲澤秀朗)という2チームがそれぞれ2公演ずつ行いました。

開演直前には、今回のステージを監修した佐藤太一郎が出演者を紹介します。新座員の初舞台ということで会場も少し緊張気味でしたが、佐藤がその空気をほぐして温めました。
演目は、作・演出を小西武蔵、監修を佐藤が務める「幸せのレシピと魔法のスパイス」。日本一おいしいラーメン屋を目指す大将・田中は、妻の眞優、新人バイト・野呂と小さなラーメン屋台を切り盛りしています。そんな屋台に、借金取りが押しかけてきたり、ラーメンのレシピを狙う詐欺師が近づいてきたり……。

ラーメン屋の大将として回しの役割を担った田中は、あちこちに散りばめられたボケにも巧みにツッコんで物語を引っ張っります。新人アルバイト役の野呂は、最初から最後まで絶妙な間合いでボケを次々と繰り出して、初舞台にして堂々たるコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮。川本は、23歳ながらすっかり“大阪のおばちゃん”が板につくどっしりとした存在感で物語に深みを与えました。
「体を鍛えることが趣味」という仲澤は、上半身裸になってたくましい筋肉を披露し、会場の視線を独占します。警察官役のおはるは、特技のフラフープを回しながら歌う離れ技でお客さんは大喜び。借金取り役の九冨、詐欺師役の後藤は、どちらも整った顔立ちから繰り出される飄々としたボケで、大笑いをゲットしました。


寛平GM「島田珠代のライバルになる」!?
終演後、佐藤に呼び込まれて出演者全員がステージに並ぶと、客席から惜しみない拍手が送られました。ここで、間寛平GM(ゼネラルマネージャー)が登場! 寛平GMはこう絶賛しました。
「びっくりしました。お披露目公演ですけど、うまいこと“間”も取って笑いも取って、素晴らしいと思います」

佐藤が「確かに、初舞台とは思えない出来でした」とうなずくと、客席から共感の拍手。寛平GMのうれしい言葉を聞いた新座員たちは感無量の表情で、こうコメントしました。
「ここまでこれたのは監修の佐藤太一郎さん、作・演出の小西武蔵さんはじめ、皆さまのおかげです」(九冨)
「憧れの新喜劇の舞台に立てて本当によかったです。出囃子を聴いたときに自分たちのためにこの音楽が流れていると思うとうれしすぎて泣きそうになりました」(後藤)

「フラフープ芸を見せつけることができて、本当にうれしく思います。金の卵オーディションは、10個目、11個目と落ちまして、3度目の正直でやっとこのステージに立てたので感慨深いです」(おはる)
「この日を迎えるまで緊張してたんですけど、舞台に立ってからは皆さんの笑い声のおかげで楽しみながら舞台に立つことができました」(野呂)
「この3カ月間、太一郎さんにご指導いただきました。アホすぎて言葉もまとまってないんですが(笑)、今後は回しだけではなくボケとしてもがんばっていこうかなと思います」(田中)
「すごい緊張して、ホンマに大丈夫かな? と思って毎日ジムに通いました。筋肉自慢の座員さんに割って入れる存在になれるようにがんばりたいです」(仲澤)

「小西さんにとても素敵な脚本を書いていただき、佐藤さんにご指導いただき、胸がいっぱいです。早くNGK(なんばグランド花月)で立てるようにがんばります」(川本)
「お芝居が未経験やったんですけど、3カ月前から太一郎さんにお稽古をつけていただきいろいろ教えていただいて、いまはお芝居も楽しくなり、どんどん目も大きくなってきました(笑)。楽しかったです!」(立花)
座員たちのフレッシュな感想を受けて、寛平GMと佐藤も目を細めます。野呂の堂々としたコメディエンヌぶりに寛平GMは「間もいいし、すごいね! (島田)珠代の強敵になるよ」と絶賛。
さらに、川本の落ち着いた堂々とした演技にも寛平GMは「23歳!? 僕ならもう、すぐに使いたいくらい」と驚きを隠せない様子です。そして「いまも、なんばグランド花月や祇園花月で大先輩たちが新喜劇をやってますが、その先輩らもこの子たちを見たらビビると思う」と、ニューフェイスの今後の活躍に期待を寄せました。

