上方漫才協会の会長である中田カウスがホストとなり、次世代を担う漫才師たちの素顔に迫る公演『漫才のDENDO NEXT』が始まり、その第1回が9月5日(木)に東京・渋谷よしもと漫才劇場で開催されました。記念すべき初回ゲストは、めきめきと頭角を現している結成8年のナイチンゲールダンス(中野なかるてぃん、ヤス)。トークコーナーでは、コンビ間の関係性や互いの長所、短所などについてカウス会長とクロストークを繰り広げました。

カウス「たくさんの若手にここに登場してほしい」
今回スタートした『漫才のDENDO NEXT』は、100回以上にわたって開催されてきた人気イベント「漫才のDENDO」の進化版。これまでよりさらに若い世代の芸人を対象に、珠玉のネタとトークを通して、カウス会長が彼らの魅力を深堀りします。
この日は「渋谷よしもと漫才劇場 寄席SP」と題し、まずは注目の若手芸人たちが続々と登場。ゼロカラン(ワキユウタ、たいが)、インテイク(鈴木龍平、まえかず)、からし蓮根(伊織ラッキー、青空)、くらげ(杉昇、渡辺翔太)、オフローズ(カンノコレクション、宮崎駿介、明賀愛貴)、金魚番長(箕輪智征、古市勇介)、ケビンス(仁木恭平、山口コンボイ)、マルセイユ(別府貴之、津田康平)がネタを披露しました。



そして、『漫才のDENDO NEXT』のオープニングVTRが流れると、カウス会長が登場。まずは、軽快な1人トークで幕開けです。
「(横山)エンタツ・(花菱)アチャコ師匠以降、素敵な師匠方がたくさん誕生し、その流れのなかに僕たちがいますが、さらにその後に才能あふれる若手たちがたくさん育ってきています」
こう語るカウス会長は「できるだけたくさんの若手にここに登場してほしい」と『漫才のDENDO NEXT』にかける思いを口にしました。
ここで、いよいよ初回ゲストとなるナイチンゲールダンスが登場。中野が保育士、ヤスが保育園児に扮した「保育園」ネタで爆笑をさらいました。


NSC同期だけど学生時代からの上下関係が…
カウス会長とのトークコーナーは、2人の“馴れ初め”から。
「どこで出会ったの?」と聞かれたヤスが「NSC(吉本総合芸能学院)で……」と答えると、中野が「NSCに入る前に(大学時代に)先輩、後輩で出会って」と即座に訂正。「あの時期はなんだったんですか!」とヤスにツッコみます。
それぞれ別の大学の“お笑いサークル“に所属する先輩(ヤス)・後輩(中野)として出会った2人。カウス会長が「楽屋で、わりと(ヤスが)上からモノを言うてる」と言うとおり、ふだんから、上下関係が強めに現れやすいコンビ関係のようです。
中野は「僕らはNSC22期で同期なんですけど、吉本が勘違いして(ヤスの)プロフィールにNSC21期って書いていたんですよ」と明かしました。

事前アンケートからカウス会長が注目したのは、お互いが指摘する“長所”と“短所”の項目です。
ヤスが回答した中野の長所は「しゃべっただけで赤ちゃんが笑う」というもので、「中野が寄席とかで、(独特の高い声で)『こんにちはー』とか『おはようございまーす』って言うと、赤ちゃんがワーって笑って、それだけで好印象になります」と説明します。
一方、中野はヤスの長所を「ストイック」と回答。中野は「人に媚びずに、楽屋とかでも1人でいます。カッコいいです」と一匹狼的なヤスの行動に憧れていることを明かしました。ただし、困ったこともあるようで……。
「楽屋からいなくなっちゃうんですよ。ネタ合わせがしたくて探すんですけど、見つからないときはSNSとかを見れば、劇場のどこかで自撮りした写真がアップされているんです。それをヒントに謎解きみたいに居場所を探します」

ヤスの“短所”が盛りだくさん!?
続いて、中野が回答したヤスの短所をカウス会長が読み上げますが、「コミュニケ―ションや気さくさに欠ける、機嫌が日によって違いすぎる、マイナスの感情が顔に出過ぎる、人に興味がない、人を数字で見ている、オブラートに包むことを知らない……」と止まりません。

いたたまれなくなった中野が「なんかその日、僕、書き過ぎていますね! 可能な限りあげてくださいって書いてあったので……」と割って入ると会場は爆笑です。
さらに「タクシーに乗るのがヘタ」という短所まで飛び出すと、それまで黙って聞いていたヤスから「それ、関係ねぇだろ!」とツッコミが。カウス会長は「これだけ言われるなんておもろい! 憎めない」とヤスの人柄を“称賛”していました。
ほかにも、ヤスが「女遊びができるほどモテているわけがない!」とぶった切った中野の女性関係の話や、医者家系に生まれた中野の偉大なるご先祖様の話まで、カウス会長がさまざまな角度から2人の素顔に肉迫。ナイチンゲールダンスの魅力が存分に発揮された『漫才のDENDO NEXT』第1回目は、大盛り上がりのうちに幕を閉じました。

第1回の『漫才のDENDO NEXT』を終えて、カウス会長はこうコメントしました。
「漫才劇場が誕生して10年が経ち、アインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)を始め、いまや多くの若手漫才師が活躍するようになりました。そして、次の世代の育成のために、今日から新たに『漫才のDENDO NEXT』が始まりました。今日は初めて一緒になる若手芸人も沢山おり、鮮度がありました。このNEXTを通して、新たな売れっ子漫才師が育ってくる感触があったことが嬉しく、また安心しました。この緊張感の中で、将来有望な若い世代にどんどん頑張ってもらいたいと思います」