「世界で一番笑える一週間!」をテーマにした国内最大級のコメディフェスティバル『OSAKA COMEDY FESTIVAL 2025』が、9月15日(月・祝)~9月21日(日)まで、大阪市内3会場で開催されました。最終日のSkyシアターMBSでは「JAPAN’S GOT TALENT Presents Superstars Live」の2日目公演を開催。世界中を席巻する「ゴットタレント」のパフォーマーが集結し、観客を魅了しました。

爆笑ネタからスゴ技パフォーマンスまで
『OSAKA COMEDY FESTIVAL 2025』は、大阪府、大阪市、大阪商工会議所などによる「大阪にぎわい創出事業」の一環として行われる国内最大級のコメディフェスティバルです。大阪・関西万博の開催に合わせて「コメディの“首都”大阪」の魅力を国内外に発信し、大阪のブランド力を高めることを目的としています。
「JAPAN’S GOT TALENT Presents Superstars Live」は、世界中で熱狂を巻き起こす「ゴット・タレント」の舞台を沸かせた出場者たちが一堂に集う豪華ステージで、9月20日(土)と9月21日(日)の2日間、開催されました。

ゴージャスな照明がきらめくなか、重厚なオープニングVTRが流れるとMCの平成ノブシコブシ・吉村崇とCRAZY COCOが登場! 早くも異様な熱気に包まれ、さらにもうひとりのMCであるダンサーの“EBIKEN”こと蛯名健一がステージに現れました。「イェー!」「フォー!」「オーマイガー!」といった掛け声を観客と練習して、さらにボルテージが上がります。
トップバッターは、ジェラードン(アタック西本、かみちぃ)、バタハリ(いながきスタイル、バッフォイかさはら)、ウエスPという3組が登場して得意のネタで会場を笑いで包みました。
新体操×ダンスをテーマに活動するMPLUSPLUS DANCERSは、LEDライトを搭載したフラッグとリボンを使った世界初のパフォーマンスは、幻想的な光で観客を沸かせます。




続いては、“ローラーボーラーパフォーマー”のジョナサン・リニーです。筒の上に乗ってバランスを取るリニーは、サーカス一家の4代目というサラブレッド。
序盤から、ローラーボーラーの上で逆立ちをしたり、何台も重ねたスケボーの上に乗ったりと、驚愕の技が飛び出します。クライマックスではさらに筒を7つ重ねてバランスを取り、そのうえで1回転。めくるめく驚きの大技に、客席から歓声と拍手が止まりません。

続いて登場したのは、“タンバリンマスター”のピン芸人・ゴンゾー。タンバリンを多彩に操って世界を渡り歩いてきたゴンゾーの、軽快なステップとユニークな動きに観客は大笑いです。
この日は特別に、特殊な“投げるタンバリン”を用意。「ミッキーマウス・マーチ」に合わせて客席に降り、タンバリンが客席の目の前まで飛ぶパフォーマンスで会場を盛り上げました。

パフォーマーの高取優耶は、“イス倒立”のスゴ技を披露。16歳から北京京劇院などで修行した高取は、命綱なしでバランスを取りながらイスを何段にも上へ重ねます。最後には天井に届いてしまいそうなほどに高い位置に! そして観客が固唾を呑んで見守るなか、逆立ちが成功して観客は拍手喝采です。
MCのノブコブ・吉村は「やった! 決めた!」と大喜び。高取は「声援が力になった。すごく応援していただいてうれしかったです」とホッとした表情を見せました。

歌やダンス、マジックで客席を魅了
次は、この日のMCも務めたEBIKENこと蛯名のパフォーマンス。蛯名は、2013年に開催された「アメリカズ・ゴット・タレント シーズン8」で日本人として初めて優勝した、世界で活躍中のダンサーです。
近未来を感じさせるメカニックな背景が映し出されると、蛯名もロボットのような動きで観客を沸かせます。そして、おなじみの首が落ちるパフォーマンスも飛び出してオーディエンスは大喜び!
アップテンポのダンスでは手拍子も起こり、テンションは最高潮。最後は観客も立ち上がって一緒に踊り、会場が一体感に包まれました。

続いて、2023年に放送された『Japan’s Got Talent』で優勝したオペラ歌手、マリアセレンが登場。1人でソプラノとテノールを歌い分ける“両声ボーカル”の美声を響かせます。MCの蛯名が「圧巻すぎて言葉を失います」と語るなか、マリアセレンは「Time To Say Goodbye」と「The New Me~栄光への讃歌」を歌唱しました。
透き通るようなソプラノの歌声が響き渡ったと思ったら、次の瞬間には観る側の全身を震わすようなダイナミックなテノールに変わり、その表情豊かな歌唱力で圧倒しました。

そして最後に登場したのは、マジシャンのセロです。セロは「大阪のお客さん、久しぶり! セロでーす!」とハイテンションで挨拶すると、まずは客席に降りて観客の子どもと一緒にトランプマジックを披露します。
さらに、MCの吉村と女性アシスタント、そして観客の子どもも加わって“カードゲーム”がスタート。3枚のカードから1枚の赤いカードがどこにあるかを当てるという、シンプルなゲームです。しかし、赤いカードの場所がなかなか当てられず、吉村は「難しいですね~」と唸ります。

さらに、“世界一大きい”という巨大カードを使って同じゲームをしますが、あるタイミングで3枚すべてが赤に変化。しかも、セロだと思っていたステージ上の人物が、いつのまにかノブコブ・吉村に入れ変わっていて観客は驚愕です! セロは、それまで吉村が座っていた客席に座っていました。
どよめきが止まらないなか、最後は観客にあらかじめ配布された4種のマークが描かれたカードを使って、会場全員をマジックの世界に引き込みます。その結末に、観客は「なんで!?」とびっくり仰天! 「舞台と客席はつながっているんです!」というセロの言葉に大きな拍手が起こりました。

マリアセレン「大阪のお客さんは反応のスピードが速い」
終演後、囲み会見が行われ、ノブコブ・吉村、蛯名、マリアセレン、ローラーボーラーパフォーマーのリニーが参加しました。
吉村は、この日が最終日の『OSAKA COMEDY FESTIVAL 2025』について、「こんなに幅広いエンタメを集めるイベントは、すごく珍しいと思います。それが初回で成功したのがすごい」と興奮気味に語ると、熱くこう続けます。
「僕は芸人ですから、お笑いをなんとか世界に……という思いで、韓国とか、来月には台湾にも行くんですが、今回改めて思ったのは、お笑いもエンタメもおそらく日本はかなり実力があって、世界に飛び立っても結構な可能性がある。一刻も早くやったほうがいいです」

今回のイベントにパフォーマー、MC、プロデューサーと、さまざまな立場で携わった蛯名は、こう話します。
「思ったよりも楽しめたし、面白い人材がいて、今後も出てほしいという方もいました。ゴットタレントの制作会社やシルク・ドゥ・ソレイユのキャスティングマネージャーもいましたので、『彼ならハマるな』とか『もう少し手を加えたらゴットタレントに行けそうだな』と推薦したりとかしながら、よりどりみどりですごく楽しめました」

大阪・関西万博のステージでもパフォーマンスしたマリアセレンは、大阪の観客の印象をこう語ります。
「大阪の方は反応のスピードが速いです。今日も、お客さんの反射神経というか、歌唱後の拍手のスピードや勢いに『いくぞー!』というようなパワーを感じました」
また、日ごろから学んでいる「能」を引き合いに、「世阿弥の言葉で“いい演者、いい演目、いい観客がいて初めて舞台に花が咲く”というのがあるんですが、今日はまさにそろっていたからこそすごく盛り上がって、舞台に花が咲いたと感じました」とコメント。

リニーはこの日のステージについて、「思っていた以上の反応で、皆さんが自分のパフォーマンスに対してここまで大きなリアクションをしてくれてすごくうれしかったです」と振り返ります。リニーは初来日だそうで、「ずっと日本に来るのが夢だったので、今日、その夢が叶った」と笑顔を見せました。


『OSAKA COMEDY FESTIVAL 2025』公式サイト:https://osaka-fringe.com/