書道をたしなむアキナ・山名文和の初めての書道展『生きる~読んでにやつき見て感動して~』が、5月3日(日・祝)から5日(火・祝)まで大阪・護念山心光寺で開催されました。期間中は連日、山名による書道パフォーマンスも行われて大盛況! FANYマガジンでは、1000人以上が来場した初日の様子をレポートします。

想像以上の来場者数に「泣きそうに…」
山名が書道に打ち込み始めたのは2019年のこと。昨年6月には大阪・LAUGH & PEACE ART GALLERYで書道家・永山玳潤さんと書道パフォーマンスを行うなど、精力的に活動してきました。
そしてついに、念願の書道展の開催に漕ぎ付けた山名。初日は開場時間前から心光寺の前に長蛇の列ができるなど、その注目度の高さをうかがわせました。
展示エリアには、そのタイトル通りさまざまな「生きる」の書18作品をはじめ、山名によって紡ぎ出された「自分が“生きてるな”と思うとき」のポエムの数々も並びました。

この日、開催された本堂での書道パフォーマンスには多くの来場者が詰めかけ、会場は熱気に包まれます。開始直前、挨拶のために姿を見せた山名は、「こんなにもたくさんの方に来ていただいて、泣きそうになりました」と、感無量の表情を浮かべていました。
書道パフォーマンスで巨大筆に挑戦!
そしていよいよパフォーマンスがスタート! 当初は自前の筆で書く予定だったものの、「細すぎて無理やった」と用意された大筆を使うことに。山名が「こんなん使ったことがない」と言いながらその“巨大筆”を来場者に披露すると、会場から「おお~!」と驚きの声が上がりました。
今回のテーマ「生きる」について、山名はこう語ります。
「何年か前から『生きてるってことは最高やな』と思うようになりました。今回、個展に向けて考えたときに、『“生きる”やな』と思って、たくさん書かせてもらいました」

さらに「失敗しながら生きてる人が大好き」とも。山名自身も、前夜に気合いを入れて完全なスキンヘッドにしたものの耳の裏に剃り残しがあったというエピソードを明かし、「頑張ってもどこかでミスが起きる。それでも明日がやってくる。それがすばらしい」と、自身の哲学をにじませました。
初日の書道パフォーマンスで書くのは「生」の字。バケツに入った墨汁を大筆にたっぷり含ませ、「一発勝負です!」と腹をくくります。会場のあちこちから子どもたちの「がんばれー!」という声援が飛び、そのたびに「はーい!」と応じます。
「いきます! やー! えーい!」と気合を込めて、立てかけた大判半紙に「生」を渾身の力でしたためました。
……と、書き終えたとたん、頭を抱えて「最悪や~! ほんますいません!」と悔しさをにじませる山名。それでも会場は惜しみない拍手に包まれました。


失敗続きも「これが自分」
パフォーマンス終了後の囲み会見では、「まず、『こんなでっかい筆で書けるのか?』と心の迷いが出まくりました。ひと突き目はよかったんですが、左斜めに下がっていって、そこで『ヤバい! 紙なくなった』と思って……」と振り返り、さらにこう続けます。
「縦一本を引くときに、筆がどんどん太くなっていきまして、そこで気持ちがちょっと切れてしまった。『どうにでもなれ』という気持ちでした」
ほんのり苦い表情を浮かべつつも、「ほんま、失敗続きやなと思います。まぁ、これも自分らしくていいんですかね」と、最後はどこか吹っ切れたような様子。この日のパフォーマンスの出来栄えを漢字一文字で表すなら「愚」という山名ですが、パフォーマンスを見守っていた友人の書家たちからは「いいですよ!」と称賛を受けたといいます。

また、書道展のテーマ「生きる」については、改めてこう説明しました。
「僕は、ポンポンと成功する人より、無様に生きて泥水をすすって最後に成し得た人の言葉が好きだし、そんな生き方しかできないから、そういう自分でいたいというのを改めて確認するために……」
創作期間中は、一つひとつの作品を仕上げるために膨大な下書きをしたそうで、「数え切れないくらい。100枚とかは全然書いてます。めっちゃ書きました。でも、楽しかった」と満足そうな表情を見せました。
この期間は自分にとって大きな節目
今回の書道展だけでなく、6月9日(火)には山名が愛犬おまめとの日常を綴った初エッセイ『しあわせは小走りでやって来る』(ヨシモトブックス)も発売。実はどれも「いつかやりたかったこと」だと話します。
「(相方の)秋山(賢太)さんが体調不良で休養したので、時間ができまして。なので、秋山さんが戻ってくるのを待ちながら、やりたいことをこの期間で全部やらせてもらおうと思って、仕事になるとか関係なく、片っ端から好きなことをした時間になりました」
そして、「だいぶ先に振り返ったとしても、この期間は大きな節目になるんじゃないかなという予感がします」と語りました。

展示会場には、山名が書いた「生きる」の書18作品のほかに、京藍染師・松﨑陸が山名の書をもとに染め上げた作品も展示。さらに賛助として、山名と交流のある書家・信貴聖玉さん、永山玳潤さん、丸田萌さん、上籠鈍牛さんの作品も会場を彩りました。
また、愛犬おまめのグッズ販売に加え、山名と親交の深いコーヒーショップのコーヒーや、豆腐屋のドーナツなども登場。来場者は心光寺の中庭を望む展示スペースで、にぎわいの中にも居心地のよさを感じながら、作品に囲まれた時間を楽しんでいました。

