大阪のパパ芸人たちを勝手に会員にして発足した「なにわパパの会」。今回のテーマは、自宅のリノベーション! 前回に引き続き、藤崎マーケット・田崎佑一、アキナ・秋山賢太、ラニーノーズ・洲崎貴郁、セルライトスパ・肥後裕之の4人が、中古マンションのリノベーション事業を展開する「リノベる。」の靭公園ショールーム(大阪市西区)にお邪魔しました。子どものため、ママのため、家族が住みやすい家とは――いろんなリノベの可能性を学びました。
前回は中古不動産、特に中古マンションの購入の最新事情を「リノベる。」の松本健太さんから学びました。田崎は1歳6カ月の息子、秋山は9カ月の娘、洲崎は1歳2カ月の息子、そして肥後は2歳の娘と1歳の息子がいるパパです。それぞれが“我が家の事情”を抱えながら、最近、結婚を見据えて築47年の駅近マンションを購入したという松本さんの話に興味津々で……。
大事なのは「管理状態」と「修繕履歴」
リノベる。・松本健太さん 前回、“最低でも築20年以上の家がオススメ”という話をしましたが、私自身、茨木市駅(阪急京都線)から徒歩3分のところにある築47年の中古を買いました。これは将来を見据えた判断です。ただ、(築年数の古い物件は)当然デメリットもあって、耐震性が不足してる可能性があるということ。
秋山 そうか、むかしの物件はいまの建築法とかと違うこともあるし、資材の違いもあるし。
松本 そこが大事になりますね。でも、なんで私が築47年の物件を購入したかというと、耐震補強がされていて耐震性に問題がなかったことと、管理状態がしっかりしていてこれからも長持ちしそうだと判断したからなんです。そもそも鉄筋コンクリートって、何年持つと思いますか?
田崎 50年くらい?
秋山 100年は持たないでしょう。
松本 諸説あるのですが、100年以上持つというのが専門家の見解です。
一同 え~~っ!
松本 めちゃくちゃ持つんです。
肥後 そうなんですか!
洲崎 その松本さんが買われた物件の鉄筋も持つんですか?
松本 持つんです。
田崎 ということは、住み続けたとしても全然いけるってことですね。
松本 私が買った物件は建物のメンテナンスがしっかりしていたんですね。それを確認できたので信用ができました。なぜかというと、メンテナンスをちゃんとしていれば、鉄筋コンクリートの劣化を防ぐことができるからです。
鉄筋コンクリートというのは、コンクリートの中に鉄筋を入れることで地震に対する強度を持たせているのですが、鉄って、水をかぶると酸化して錆びますよね。コンクリートが風雨にさらされて中性化が進行すると、小さなヒビなどから水が侵入し、鉄筋が錆びて劣化する可能性が高まるんです。なので、定期的に外壁を塗装したり、タイルのはく離をメンテナンスしてあげることが重要です。
修繕履歴を確認すれば、メンテナンスの実施状況がわかります。修繕履歴は不動産の契約時に説明されることになっているのですが、こうした知識がないと見落としてしまいがちな情報ですし、購入検討の段階で確認できると安心ですよね。
秋山 僕はこれ、見せてもらったはず。
洲崎 そういえば、(自宅マンションが)工事していたとき、掲示板に貼ってありました。外壁塗装はただの見た目の問題だけじゃなかったんですね。
松本 そうなんですよ。いままでどれだけのペースで工事をしてきたかとか、マンション側でどれだけメンテナンス用のおカネが貯まっているか、なども確認しましょう。大規模な工事となれば、何億円というおカネが必要ですからね。それと、今後の工事の計画などもわかっていれば、金額と照らし合わせて、無理なく建物の維持管理ができそうか確認できます。
洲崎 マンションに貯金があるんやって、知らなかった!
松本 そのあたりの確認をよくさせてもらうことは大事ですね。
「リフォーム」と「リノベーション」の違い
松本 次に、「リフォーム」と「リノベーション」の違いなんですけど、リフォームってどういうイメージされてます?
洲崎 気分転換ですか?
田崎 壁紙とか、床をフローリングに張り替えるとかがリフォームでは?
松本 まさしくその通りで、表側の古くなったところやキッチンやトイレを直したりするのがリフォーム。では、リノベーションは?
田崎 間取り自体を変えちゃうとかですか。
洲崎 大改造って感じ。
松本 そうです。でも、私たちが考えるリノベーションは、配管などインフラ部分の刷新も含むんです。築年数が経過したマンションは配管などが劣化している可能性もあります。まずは全体の状態を確認するために、壁や床などを解体します。それをすることによって、老朽化しているところが見えてくるわけですね。
たとえば築30年ともなれば、鉄でできた配管にはサビが発生している場合もあるんです。こうなると悪臭やゴキブリが出たりします。それに、地震でヒビが入っていることも考えられますよね。そうすると、せっかく綺麗にした家もすぐにダメになってしまう。
なので、まず解体をして目視で確認する。劣化しているところをちゃんと直してあげて、そこから間取りを大きく変更して、お客さまらしい住まいを作り上げる――というのが、私たちの考えるリノベーションなんですね。
一同 なるほど!
松本 中古のデメリットって、狭く感じやすかったりとか、暗くてジトッとしたイメージがあったりすると思うんですけど、これを根本的に変えることができるんです。
田崎 天井の高さも変えられるんですか?
松本 はい。天井の板を張らずに、コンクリートをむき出しにするのも人気です。
洲崎 むき出しの状態と普通の状態では、そんなに天井の高さに差があるんですか!
松本 物件によってまちまちですが、天井をはがすと通常20センチくらい高さが確保できます。物件によっては、まれに50センチ近くあるものもあるんですよ。
田崎 もう空間自体が変わってきますよね。広く感じるし。めっちゃいいな。
松本 リノベーションでは、いくつも部屋がつくれたり、ロフトをつくることもできるので面白いです。ただ、物件によっては壊せない壁があるところもあるので、「リノベる。」では、どんな暮らし方が希望か伺ってから物件探しをさせていただいてます。
田崎 天井高が上げられるなら、逆に子どもの騒音などで下の階の人に迷惑をかけたくないとき、床の防音はパワーアップできたりするんですか?
松本 できます。
一同 お~、できるんや!
松本 ほとんどのマンションは遮音等級というのが定まってますが、気になる方は、床を上げて遮音材を入れたり、クッション性の高い床材を採用すれば、さらに遮音性を高めることもできますよ!
田崎 それは安心やなぁ。
松本 ただ工事中は音がすごいので、下の階の方にはくれぐれもご挨拶しておいたほうがいいです。
子どもとの暮らしを考えたリノベとは
松本 たとえば、あるお客さまからは、リビングを広くして、天井を高くして広く感じるようなものにしたいという要望がありました。そのとき、リビングが家族の中心となるので、子どもをちゃんと見守ることができるよう、壁付けだったキッチンをリビングに向けて対面式キッチンにしました。
田崎 小さい子がいたら、いつでも目が届くキッチンやと安心ですもんね。
松本 奥さんとしても、実際に住んでみて、毎日のちょっとしたことがストレスとして溜まっていく、それがやがて旦那さんへの不満にも繋がっていくわけですから(笑)。そのとき、こういう暮らしをしたいというイメージを具現化できるのが、リノベーション会社に依頼するいちばんのメリットです。
田崎 いちばん家にいるからな。
洲崎 それに子どもが生まれると、子どもが中心になっていきますからね。
松本 子どもの勉強をどこでさせたいのか。たとえば部屋のなのか、それともリビングなのかとか……。
肥後 それはあるなぁ。過ごす場所も子どもが大きくなるにつれて変わってきますからね。僕らでもそうですから。
松本 家族の動線って変わりますし、もちろん変わらない部分もある、それを把握してまとめるのも大事です。あとは収納ですね。
肥後 収納はいりますからね。僕のとこはすでに足りないですから、本当に大変です。
洲崎 間取りはいいのに、収納場所が少なくて選ばなかったりするし。
松本 それがリノベーションをすることによって、自分たちの理想の暮らしができる。ボルダリングができる壁、落書きできる壁、秘密基地感の書斎……みたいなこともできます。
田崎 これはいいなぁ。いまの時代なら、家から配信ができるといいかも。趣味の部屋もつくることができるやろうし。秋山さん、スニーカーが好きやから。
秋山 そうやねん、スニーカーの数もすごいから、それを飾ったり、収納できる趣味の部屋みたいなのができたら、めっちゃええなぁ。
松本 玄関を広げて、そこにスニーカーを並べるようにってこともできます。
秋山 なるほど!
洲崎 僕もフィギア400体くらいあるからなぁ。でもね、そういう部屋をつくりたいけど、いわゆるセンスというか、オシャレ力というか、そういうものがない時はどうしたらいいんですか?
秋山 そう! イメージは浮かんだりするけど、それをいい感じにっていうのが伝えられへんもどかしさがある。
松本 そういうときは、もちろん我々が提案しますが、実は皆さんの妄想を具現化するウェブサービスも作っております。
一同 え~っ!
田崎 マジか! ロボットが!
松本 ロボットではないんですけど、これまで我々がつくってきた事例のなかから、お気に入りの写真を選んでいただくことで、お気に入りの住まいのテイストを自動提案してくれるんです。
肥後 こんなんしたいって言うたら、僕らにちゃんと可視化してくれるんですもんね。これはいいなぁ。
田崎 さっそくリノベーションしたい!
秋山 僕、今日帰ったら、まずは奥さんの要望をメモにして将来のリノベーション用にためときます!
取材・構成 仲谷暢之(アラスカ社)
「リノベる。」の公式サイトはこちらから。