『上方落語若手噺家グランプリ』優勝は桂三実! 自信の創作落語は「去年の3倍ウケたらさすがに優勝できるだろうと」

上方の若手落語家の登竜門『第12回上方落語若手噺家グランプリ』の決勝戦が、6月24日(水)に大阪・天満天神繁昌亭で開催されました。決勝に進出した8人は、満員の観客と審査員を前に渾身のネタを披露。厳正なる審査の結果、桂三実が優勝し、桂九ノ一が準優勝に輝きました。終演後に開かれた優勝会見と合わせてレポートします!

出典: FANY マガジン
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『若手噺家グランプリ』に育てていただいた

今年のグランプリには、参加資格を持つ73人のうち40人がエントリー。この日は、予選を勝ち抜いた露の眞、桂三実、露の瑞、月亭秀都、月亭遊真、桂九ノ一、桂弥壱、笑福亭笑有が決勝の舞台に立ちました(笑福亭喬龍は欠場)。

まずは出番順の抽選から。もっともキャリアの長い眞と最若手の笑有がじゃんけんをして、勝った眞が最若手からくじを引くほうを選択しました。くじ引きの結果、遊真がトップバッターを引き当てました。

持ち時間は9分から12分。審査員は6人、1人100点満点で行われ、その合計得点で優勝者が決まります。出場者たちは、それぞれの持ち味をぶつけながら、満員の客席を前に熱演を繰り広げました。

遊真は古典落語の『紙入れ』を披露。二番手の三実は自ら創作した『危ない』を。眞は得意の『蛸芝居』を熱演、中トリの弥壱は『貧乏花見』で沸かせました。後半は秀都の『癪の合薬』から始まり、続いて九ノ一が『天神山』を。笑有の新作落語『まかない』のあとには、大トリを務めた瑞が『しじみ売り』でしっとりと聴かせました。

全員の高座が終わり、いよいよ結果発表へ。得点発表は出演順に行われ、それぞれ得点が書かれたボードをオープン。点数が発表されるたびに大きな歓声が沸き起こります。

出典: FANY マガジン
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そして561点を獲得した三実が優勝! 557点の九ノ一が準優勝となりました。

上方落語協会会長の笑福亭仁智は、次のように講評しました。

「新作と古典ということで、三実くんは2回準優勝して、今年ついに優勝しました。おめでとう! 九ノ一くんは年季は下のほうですが、もう風格がありますね。今後が楽しみです。みんなよかったです。お客さんもよかったです!」

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準優勝の九ノ一は、こう話しました。

「何回も出させていただいて、なかなか決勝に行けず。『天神山』は何とか時間に収まるように工夫しました。三実兄さんはずっと僕の上にいてはったので、やっと卒業してくれると思うと嬉しい限りです」

三実は、次のように心境を語りました。

「私が3年目のときにこの会が始まりまして、当時は師匠の文枝が上方落語協会会長だったので、決勝も見させていただいていました。とんでもない先輩方がいらっしゃって、ここで戦うのは大変やなと思っていて、(出場すると)案の定、ボロ負けで歯が立たず、何年か続けてやっと決勝に行けるようになり、準優勝を2回させていただきました。

挫折もありましたが、決勝に行くことによって他の落語会でも堂々と落語ができるようになったので、『若手噺家グランプリ』に育てていただいたと自負しています。1年でも長く続いてほしいなと思います。ありがとうございました」

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『R-1グランプリ』でもいいパフォーマンスを

終演後に三実と九ノ一による記者会見が行われ、決勝に続いて笑福亭生寿が司会を務めました。まずは、この日のネタを選んだ理由について、九ノ一がこう話します。

「僕は今日、ネタを3つ用意していまして、時間に合わせて編集していました。できる限り『天神山』をやりたいと思って楽屋入りしたのですが、僕の前に弥壱くんが『貧乏花見』というお花見の噺をして、僕も同じようなくだりがあったので、楽屋でちょっと編集しました。その作業が楽しかったです。

『天神山』が本当に好きな噺で、この噺をいい感じにできるようになることが僕の噺家人生の目標みたいなところがあります。今回、三実兄さんには負けてしまいましたが、古典の中ではいちばんよかった、という評価をいただけたのかなと思っています」

九ノ一は、長尺の『天神山』を10分に収めたことにも自信をのぞかせます。

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「10分の『天神山』を見ても、雰囲気を感じ取ってくださるんじゃないかという信頼はありました。もちろん、これが『天神山』のベストだと思って聞いてほしいわけではありませんが、(桂)文珍師匠には、編集能力をすごく褒めていただきました」

三実も新作を2本用意していたそうで、その中から『危ない』を選択しました。これは、有名な映画も「年齢によってとらえ方が変わっていく」と話す友だち同士の30年後、そのまた30年後の姿を描いた噺です。三実は、次のように話します。

「去年は『保険の保険の保険』という落語で準優勝だったのですが、いちばんウケていたかなと思っていたんです。でも、最後に林家染吉さんがあえて笑いの少ないネタをされて、優勝して、届きませんでした。

今年は去年の3倍ウケたらさすがに優勝できるだろうと考えたのと、去年のネタは『ちょっとわかりにくかった』とお客さんから言われることが何度かあったので、今回は全世代にわかることを重視して『危ない』を選びました」

司会の生寿が、「六代文枝一門での優勝は、三度さん、三四郎さんに続いて、三実さん。12回開催のうち3人が文枝一門」と水を向けらた三実は、「師匠に恩返しができてよかったです」とほっとした表情を浮かべました。

出典: FANY マガジン
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最後に三実は、今後への意気込みをこう語りました。

「僕は『R-1グランプリ』に毎年挑戦していて、落語のスタイルで出ようと決めているので、短くて、いいパフォーマンスができるネタを作っていきたいです」

一方の九ノ一は「三実兄さんが卒業した大会の賞を全部取りたいです!」と力を込めました。

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