吉本新喜劇・川畑泰史の呼びかけで、NSC(吉本総合芸能学院)大阪9期世代の芸人たち──ナインティナイン(矢部浩之、岡村隆史)、博多華丸・大吉、矢野・兵動(矢野勝也、兵動大樹)、宮川大輔、星田英利、へびいちご(島川学、高橋智)、杉岡みどりが、大阪・なんばグランド花月に集結! 10月4日(日)に『NSC9期世代の35周年コメディ〜忘れてたから1年越しやけど集まろか〜』と題した記念イベントを開催しました。そこで今回、爆笑と歓声に包まれた公演の模様と、終演後の囲み会見を合わせてレポートします。

持ち味全開の芸人たちに会場のテンションもMAX
この公演、実は昨年が芸歴35周年でしたが、タイトルにある通り全員がすっかり忘れていたため、お祝いは“1年遅れ”に。チケットは早々に完売し、当日は立ち見も出る超満員!
開演前、おなじみのギャグ「カーッ!」の音楽とともに幕前に現れた川畑が前説を担当しました。「今日は盛り上がるぞ!」と呼びかけると、客席から「おーっ!」と大きな声が。この日のうちに帰京しなければならないメンバーもいて、終演時間が延びると「後半、出てこない人がいるかも……」と笑わせます。
物語の舞台は、新作映画のオーディションが行われる離島のホテル。そこへ、35年鳴かず飛ばずの役者・川畑をはじめ、出演を熱望する個性豊かな面々が1人、また1人と集まってきます。

歌手役の矢野、モノマネ芸人役の華丸、そのマネージャー役で、なぜか自身もオーディションを受ける大吉と、登場するたびに拍手と歓声が。
やる気満々で歌おうとするものの、出鼻をくじかれる矢野、涼しい顔でイジりやボケを繰り出す大吉、鉄板ネタの児玉清のモノマネで沸かせる華丸と、冒頭から持ち味全開です。プロデューサー役で登場した矢部には、ひときわ大きな歓声が上がり、会場のテンションは早くもMAXに!
拡散禁止!? 若かりし時代のウラ話が次々と
女優に扮するのは杉岡、へびいちご、兵動。川畑らを一瞥して「パッとせん!」と毒舌を炸裂させる杉岡に続き、へびいちごは「演技だけじゃなくダンスもできる」と『ダンシング・ヒーロー』に乗せて踊りまくります。
また、兵動は「びっくりした話」と前置きして“すべらない話”を披露。オチのひと言、「こんなことあっていいんかな」に、華丸が川平慈英のモノマネで「いーんです!」とのっかるなど、息の合ったやりとりも飛び出しました。

期待の新人女優として登場した星田は、新人なのにおばあさんという謎設定ながら、さすがのなりきりぶり。売れっ子俳優役の宮川は、出てくるなり“PayPayダンス”を要求され、観客の手拍子に乗って何度も踊らされていました。
最後に現れた監督役の岡村は、俳優たちを一列に並ばせ、点呼と称してムチャぶりを連発! 「いまだからいえる若いころの秘密」をぶっちゃけるよう求めると、キワどいウラ話が次々と飛び出し、岡村は「Xとかは禁止。つぶやかないように!」としっかり釘を刺していました。

NSC時代の秘蔵ネタ音声を大公開
オーディションの内容は、若手時代を思い出させる“ゲームコーナー”そのもの! 進行役はナインティナイン。「洗面器息止めゲーム」では、男優役と女優役の各5人が、それぞれ水に顔をつけ、どれだけ長く息を止めていられるかを競います。
いまやお笑い界の第一線で活躍している面々が、びしょ濡れになりながら体を張った真剣勝負! 男優役チームでは、ピクリとも動かず最後まで粘った華丸が勝利し、客席から大きな拍手が。女優役チームでは、かつらを脱ぎ捨てて奮闘した星田が勝利。同期から「(所属する)俳優部から芸人に戻った!」「(宮川と組んでいたコンビ)チュパチャップスの顔になった!」と声が上がりました。


続く「借り物競走」では、矢野、高橋、大吉、宮川、杉岡がプレーヤーとなり客席へ。「有名人と同姓同名の人」「特技がある人」「自慢話がある人」など、くじで引いたお題に合う観客を探します。選ばれた人は次々と舞台に上がり、参加型の演出で大いに盛り上がりました。
罰ゲームとして用意されていたのは、なんとNSC時代のネタ音声! 杉岡がクラスメイトから借りたままになっているという“秘蔵音声”に、一同、動揺を隠せません。
コンビ時代の川畑や矢野・兵動、星田のネタが公開されると、「これ、覚えてる!」「このころは早口やな」「聴いてられへん!」とメンバーも爆笑&大興奮。観客にとっても、貴重な“お宝”を楽しむ時間となりました。
「最後の1人になるまでやらなあかん!」
その後、宮川が部屋で死んでいたという衝撃の展開から、物語は思わぬ結末へ……。化けて出てきた宮川に追いかけられ、一同が舞台を右へ左へ、全力疾走するクライマックスに、会場は爆笑の渦となりました。

全員がそろったエンディングで、川畑は「なんとか時間内に収めることができました!」とホッとした表情。大吉は「本当に楽しい時間でした」と振り返りつつ、華丸とともに翌朝の『あさイチ』(NHK)の内容をちゃっかりPRします。
星田は「定期的にやりましょね。1人欠けていったりしてもおもしろいし。最後の1人になるまでやらなあかんみたいな。そのときは、また来てください」と呼びかけ。矢部も「かわばっちゃん(川畑)が声かけてくれないとこういうのはないので、定期的にまたよろしくお願いします」とリクエストしました。
帰京する4人が抜けたあともトークは止まらず、「たぶん、みんな聞きたいんちゃうか」という川畑の提案で、ナインティナインのNSC時代のネタ音声までガッツリ公開! 当時の思い出話に花を咲かせ、同窓会のようななごやかな空気に包まれて終演となりました。

あのころは全員がライバルだった
終演後の囲み会見には、川畑、岡村、宮川が出席しました。華丸・大吉らのタイムリミットを気にかけながらも、観客を喜ばせようと全力を尽くした一同。宮川は、時間の制約があるなかでも、同期たちと一丸となって楽しませることができたと手応えを語ります。
岡村も「笑いの聖地で、50(歳)過ぎた芸人たちが走り倒して、コメディやらしてもらって。僕らも楽しかったですし、お客さんも喜んでくれたって信じて、打ち上げに参加したい」と笑顔。川畑は「月曜日が祭日やと、華大も(大阪に)残れるらしいんですよね。次回は、そういう日をうまいこと選んで……」と、早くも次回に思いを巡らせました。

同期とはいえ、NSC時代は年齢も目指す方向も違っていた3人。宮川は高校3年生のとき、通常より2カ月遅れの6月に入学したため、すでに辞めていたナインティナインとは在学期間が重なっていないそうです。
当時、滋賀の実家から通っていた宮川は、放課後、アルバイト先に向かう川畑と一緒に京阪電車で帰っていたのだとか。学生でお金がなかったため、淀屋橋駅の売店で、いつもフランクフルトとお茶をおごってもらっていたと懐かしみます。
すでに「新喜劇に行こうと思っている」と話していた川畑を、宮川は「すげえなと思っていた」。しかし、川畑自身は「ナインティナインがやっぱすごかったし、チュパチャップスも矢野・兵動もへびいちごもすごかったんで、ある意味、逃げるように新喜劇に入った部分もある」と振り返りました。
それぞれの道を歩み始めた“あのころ”は、「芸人さんはとがってますから。仲がよかった風に見えてましたけど、全員がライバル」だったと岡村。続けて「当時はやっぱり、矢野なんかには……」と話を向けると、横で会見を見ていた矢野が乱入し、ここでもおなじみのノリで笑わせていました。

来年は盛大に「川畑の還暦記念」!?
そんな同期たちを集められたのは、川畑だからこそ。岡村は、今回の開催に感謝を込めて話しました。
「同期が集まるイベントは、川畑が声をかけなければ誰もやろうと言う人がいなかった。川畑が『やろうか』って言ったら、華丸・大吉とかも来てくれますし。僕が『やろう』って言うてもたぶん全員集まらなかったと思う。川畑がやろうかって言ってくれたことが、やっぱいちばん大きいかな。9期生が奇跡的にこうやって集まれるっていうのが、本当にうれしいなと思います」
全員で走り回る“体力勝負”の舞台は、次回もできるのか。そう問われた岡村は「今日、見ましたか? うちの相方を」と、舞台セットでつまずいた矢部をひとイジり。顔を合わせると病気や飲んでいる薬の話になることも多くなったようですが、「みんなが集まれる限り、ドタバタやりたいな」と意欲を見せました。

前夜は全員で集まり、朝4時まで盛り上がったそうで、「大人になりましたね」「ようやく、いろいろしゃべれるというか」と顔を見合わせた3人。来年は川畑が還暦を迎えるため、岡村は「盛大にやりたい」と宣言。同期たちの次なる集結にも期待がふくらみます。
