今年の『関西演劇祭2022』実行委員長は笠井信輔氏! 芸人劇団も参加で「エネルギーが出まくっている」

演劇を通じて関西の街を元気にしようと2019年に始まった『関西演劇祭』が、今年も11月に開催されます。それに先立つ10月11日(火)、演劇祭の実行委員長発表会見が行われました。今回、実行委員長に就任したのは、フリーアナウンサーの笠井信輔氏。人気芸人や吉本新喜劇座員による劇団の参加や、恒例の「ティーチイン」など、今回も見どころいっぱいの演劇祭について語られました。

出典: FANY マガジン
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『関西演劇祭』は“「つなぐ演劇祭」から「つながる演劇祭」へ”をテーマに、クリエイター・劇団・観客・審査員やスタッフなど、参加するすべての人に「出会いの場を提供する演劇祭」をモットーとして、関西から演劇シーンを盛り上げようとスタートしました。第4回となる今年も、全国から厳選されたバラエティ豊かな10劇団が参加。大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールで、11月12日(土)~20日(日)まで開催される予定です。

「記者会見で真ん中に立つのは生まれて初めて」

会見には、フェスティバル・ディレクターの板尾創路、スペシャルサポーターとして2.5次元ミュージカルを中心にプロデュースするネルケプランニング社長・野上祥子氏、映画監督の三島有紀子氏、NHKエンタープライズでドラマ制作を担当する山本敏彦氏、そしてスーパーバイザーとして劇作家の西田シャトナー氏が登壇しました。

今回、実行委員長に就任した笠井氏の祖父は劇作家、伯父は東宝の演劇プロデューサー。さらに自身も映画、演劇、宝塚歌劇団などに造詣が深く、映画や演劇作品を年間100本近く観ることも。笠井氏は笑いをまじえつつ、こう語りました。

出典: FANY マガジン
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「記者会見で真ん中に立つのは生まれて初めて。私が中央にいるのは、結婚式以来です(笑)。スペシャルサポーターの顔ぶれを拝見して思うのは、舞台のステージ側で作っていらっしゃる方が多いということ。(プロデューサーや監督もいるため)多角的に(作品を観られるよう)構成されているメンバーだなと思いました。私はファンとして観ている客席側の人間なので、この演劇祭をどう盛り上げるのか、どう語っていけるのか、が自分のテーマだと思っています」

続いては、初回からフェスティバル・ディレクターとして参加している板尾。「3回目まででしっかり形ができて、まさに(テーマである)『つながり』ができてきていました。これからも新たな演劇祭として、つながりが広く持てれば」と思いを語ります。

出典: FANY マガジン
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同じく初回から参加し、今回はスーパーバイザーとして、劇団側や観客側にも立つ西田氏は「劇団をしっかり応援させていただきます。こっそり稽古を観に行き、審査する皆さんにも『この劇団こんなことになっていますよ』と報告したいと思います」と、ここでも“つなぐ”役割を担うことを約束しました。

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芸人や新喜劇座員の劇団も参加!

初参加となる各スペシャルサポーターも、それぞれ語っていきます。

「(自身が生業とする)2.5次元ミュージカルも、大きなくくりでとらえると演劇だし、エンターテインメントであると考えています。その大きなくくりの中で、縦のつながり、横のつながりをみなさんにお伝えできたら」(野上氏)

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「自分自身は(演劇としては)完全に素人。素人の観客としての意見を代表して言いたいなと思います。(映画監督のため)素人としては経験があるほうだと思うので、“少し干渉している素人”として参加したいです(笑)」(三島氏)

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「(ドラマを作る)仲間を探すために小劇場を観に行くことがあります。その時々に素敵な出会いがあり、『こんな発想があるんだ』と新鮮に思うことがあります。今回も素敵な出会いがあることを楽しみにしております」(山本氏)

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今回、劇団には『キングオブコント2022』で活躍したロングコートダディ・兎ら芸人がメンバーの『劇団イロモンスター』、吉本新喜劇チームで結成された『劇団なんば千日前』も参加。野上氏は「キングオブコントを観ていても、もはや演劇。演技のうまさや、一瞬をどう切り取るか、緻密に考えていらっしゃった。現役の芸人さんが演劇で“何を伝えたいか”にすごく興味があります。もちろんほかの劇団も、お客さんのことをどう考えているのか、気になります」と語りました。

こうした芸人主宰の劇団が高評価を受ける現状について、板尾は「吉本という巨大組織の中で揉まれている連中。我が強いというか、やりたいことがすごいんですよ(笑)。自分たちが主導権をもって舞台で表現できるので、エネルギーが出まくっている」と、吉本の先輩として彼らの新たな“表現”に期待を寄せました。

出典: FANY マガジン
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早くも来年の実行委員長に意欲!?

観客からの質問に俳優やクリエイターが、じかに答える「公開ティーチイン」もこの演劇祭の魅力。過去に、野上氏らなどとティーチインに参加した三島氏は「それこそが祭りですよね」と一言。演劇を観たあとに、演者や審査員、客席に座る人たちが一緒になって意見交換できる場が“見どころだ”と太鼓判を押すと、西田氏も「客席と舞台がないまぜになるのが面白い」と感想を述べました。

また、審査の注目ポイントを訊ねられた山本氏は、「我々も芝居をすごく楽しみにしていますし、ある種、観客として観ることになると思います」とコメント。個人的には減点式ではなく加点方式で採点するとし、“可能性を秘めた演者・作家”を見てみたいと語りました。

出典: FANY マガジン
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最後に笠井氏は「演劇をずっと見てきたご褒美をもらったよう。次回もやりたいと思っています!」と早くも来年に向けて意気込み!? 「司会側に立っていて、(俳優やタレントが)記者会見で言うと、実現しているなと実感することが多いんです。言ったもん勝ち!」と記者らを笑わせていました。


「関西演劇祭」公式サイトはこちらから。