京都・八坂神社本殿が国宝に指定されたことを祝い、ミキ、テンダラーら吉本芸人が11月14日（月）と17日（木）に漫才奉納を行いました。漫才が奉納されるのは、八坂神社の長い歴史のなかでも初めてだと言われています。両日とも多くの観客が集まり、境内は終始、大きな笑い声に包まれました。
八坂神社本殿が国宝に、社殿・建築物26棟が重要文化財に指定されたのは2020年12月23日のこと。今回の奉祝行事は、コロナ禍での延期を経て2年越しの開催となりました。11月3日（木・祝）〜23日（水・祝）の期間中には、狂言、雅楽、舞踊など数々の伝統芸能が奉納されます。
「“衹園”というコンビ名をつけて本当によかった！」
本殿正面の舞殿が提灯の明かりで浮かび上がる午後６時、漫才奉納がスタートしました。14日のトップバッターはツートライブ（たかのり、周平魂）です。これまで芸人が立ったことのない舞殿で、2人は「ここに最初に立ったのはツートライブ！」とうれしそうに宣言して拍手を浴びます。さらに、「国！」「宝！」のコール＆レスポンスで盛り上げつつ、周平魂の出身地・京都と、たかのりの出身地・広島を比べて“京都アゲ”を連発したり、八坂神社にちなんだ初詣ネタを繰り出したりしました。
2番手の衹園（木﨑太郎、櫻井健一朗）は櫻井が京都出身。まさに祇園にある八坂神社の由緒ある舞台に立てたことを喜び、「“衹園”というコンビ名をつけて本当によかった！」と笑顔。自己紹介も盛り込んだやりとりのあとは、神社デートや絵本の読み聞かせを題材にした漫才で笑いを誘いました。
滋賀県住みます芸人のファミリーレストラン（ハラダ、しもばやし）も登場。ハラダは冒頭から持ちギャグ「いらっしゃっせー」を全方角にやってみせ、撮影タイムまで設ける大サービスぶり！ 隣同士ということでなにかと話題になる京都と滋賀の微妙な関係性をネタに、滋賀の魅力もしっかりアピールしていました。
コロナウイルス陽性により、休演となったおいでやすこが（おいでやす小田、こがけん）に代わって、トリを務めたのはテンダラー（白川悟実、浜本広晃）。「どっちも京都出身じゃないんですけど……」と言いつつ、八坂神社の向かいによしもと衹園花月があることからも、思い入れはたっぷり。結婚、料理、教育など、変幻自在にネタを繰り広げたほか、神様の前で“下ネタ”をやってしまって反省する浜本にも爆笑が起こっていました。
エンディングのトークでは、「いい思い出になった」とうれしそうに語った一同。浜本は観客に「１年後ぐらいに、このメンバーでまた集まりたいですね」と語りかけていました。
ミキ“二礼二拍一礼”で漫才前に参拝！
17日の1番手は、京都府住みます芸人として京丹後市で“半農半芸”生活を送っているきゃろっときゃべつ（えいじ、みく）。みくは晴れの舞台に「25年間生きてきて、こんなすごいことない！」と大興奮。一方、えいじは「今日が29歳の誕生日なんです！」と明かし、観客から祝福の拍手を受けます。2人は観客と一緒にギャグをやってみたり、数字を当てる特技で笑わせたり、観客とのコミュニケーションを交えながら盛り上げました。
『オールザッツ漫才 真夏のゴールデンSP』で準優勝したピン芸人、ソマオ・ミートボールは、息つく間もなくギャグを連発。TikTokでバズったギャグや、1人でツッコミもこなす漫才テイストのネタなど、クセになる笑いで魅了しました。
3番手はミサイルマン（岩部彰、西代洋）。自身のギャラを暴露する驚きのつかみと、炊きたてごはんを擬人化した漫才で、大きな笑いを起こしました。
トリを飾ったのはミキ（昴生、亜生）です。まずはそろって本殿に向かい、二礼二拍一礼で参拝します。京都出身の2人は八坂神社に毎年初詣に訪れているそうで、亜生は実家の住所をバラそうとするボケで笑わせるなど、地元トークを展開します。
さらに、父への誕生日プレゼントで大モメするネタでは、どんどんヒートアップする兄弟ゲンカに大爆笑。夏に息子が生まれたばかりの昴生に祝福の拍手が起こるなか、“お下がり”にまつわる丁々発止のやりとりでも大いに沸かせました。
最後は全員集合してトークタイム。改めて国宝指定を祝い、ソマオの祝賀ギャグが飛び出すなど、最後まで賑やかな舞台となりました。
