5GAP改名独占インタビュー! クボケンとトモで再出発へ…千鳥と華大に感謝、『テレビ千鳥』号泣裏話も

5GAPが3月23日(火)に放送された『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)に出演。番組内で、久保田賢治が“クボケン”、秋本智仁が“トモ”に改名されることが発表されました。

1999年に結成された5GAPは、吉本の養成所であるNSC東京校5期出身。同期には、ピース、平成ノブシコブシ、大阪(22期生)にはキングコング、南海キャンディーズ・山里亮太などがいます。
これまでハチャメチャなキャラコントを武器に『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)や、『日10☆演芸パレード』(TBS系)など、ネタ番組で存在感を示すも、ブレイクには至らず。しかし、2021年に入ってからは『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)など、人気バラエティーに立て続けに出演しており、いま、もっとも注目が集まっているお笑いコンビです。

出典: FANY マガジン

今回、二人には改名の経緯や、SNSでも話題となった番組での活躍について、さらに世話になっているという千鳥(大悟、ノブ)や博多華丸・大吉などの先輩芸人の話まで詳しく伺いました。

『いろはに千鳥』…千鳥の関東初冠番組。街ブラトークバラエティーとして人気を博しており、2019年には、ダイアンの西澤裕介が占い師からの助言でユースケに改名している。

志村けんさんの魂を胸に改名

――『いろはに千鳥』で改名。どのような経緯でそのような流れになったのでしょうか?

クボケン 『いろはに』のスタッフさんが、自粛中のルミネ(theよしもと)のステージを観て、僕らのこと「むちゃくちゃ面白い」って言ってくださって。『実は今仕上がってた芸人特集』に呼んでいただいたのが最初です。それから何回か呼んでいただいた中で、ポロっと「改名したいんです」って言っていたのを企画にしてくださいました。

トモ 二人の本名が占い的に悪いらしくて、どちらも「大病する可能性がある」って言われたんですよ。『いろはに千鳥』さん側は「変えても変えなくてもどちらでもいいんだよ」っていうスタンスで、占い師さんの案を見ることになりました。そもそも僕らも改名したい思いはあって。コンビ名も5GAPって……あんなにベタな芸風なくせに、「5GAPってカッコつけた名前だな!」って。

クボケン 文字面でみたらEXITと一緒ですからね(笑)。

トモ 二人の見た目もNSCのときから、全然違っていて、最初はちょっとカッコつけている入口だったのに、芸風や芸歴と共に、ハゲてくるわ、ヒゲ生えてくるわ、ずんぐりむっくりだわで、第三形態くらいまで変わっちゃいまして。勇気がいるので変えはしなかったんですけど、コンビ名を“コントジャパン”に変えそうになった時期もありました(笑)。久保田は、ずっと「個人名を変えたい」って言っていたよね。

クボケン ネタで変なキャラクターをやることが多いんですけど、そのボケてるヤツの名前が普通って、“なんなんだろう?”って思っていたのと、同期でとろサーモンの久保田(かずのぶ)がいて、世間的にも(とろサーモン)久保田の方が有名なので、どんどん東京の久保田(クボケン)が追いやられていくわけですよ。楽屋でも「久保田ー!」って呼ばれると、だいたいあっちで紛らわしいし、僕としてはどうしても変えたい感じでしたね。

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ーー今回、個人名のみの改名となりました。

クボケン コンビ名も改名するつもりだったんですけど、大悟さんが「今、“5GAP”っていう名前をちょこちょこ聞くようになったから、ステイの方がええ」とおっしゃってくれて。

トモ 占いの先生からも「(コンビ名の)画数も悪くない」と言われたので、そのままになりました。ちなみに、コンビ名を変えるとしたら“らーめんぎょうざ”っていう候補はあって(笑)。(変えない方がいいという)大悟さんの意見がありつつも、21年もやってきて、急に“らーめんぎょうざ”になる勇気はなかったですね(笑)。

クボケン ちょっとギャンブルが過ぎるよね(笑)。でも、あの場でリアルに大悟さんが「5GAPでステイだな」って言ってくれたのは、“真剣に考えてくれているんだな”って思って嬉しかったです。

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――最終的に、久保田さんが“クボケン”、秋本さんが“トモ”となりました。決定にいたるまで、どんな流れがあったんですか?

トモ 久保田のクボケンは、そもそも同期に呼ばれていたあだ名なんですよ。

クボケン 先生から候補をいただいて一番いいなって思ったのが、“ぼくけん”だったんですよ。なので、先生に「クボケンってどうなんですか?」って聞いたら、問題ないということで決めました。あと、志村けんさんが好きで、少しでも近づけられるように“クボケンにしたいな”という気持ちもあります。ちなみに、東京の東村山に“志村けんの木”というのが、3本たっているんですけど、改名するにあたって挨拶に行きました。

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トモ 大悟さんも「師匠(志村さん)も見ていると思うで」って言ってくれていましたね。僕は、アキジロウとアキピーっていう候補があって、一度「アキピーにします!」で決まりかけたんですよ。でも、番組の最後に大悟さんが「アキピー? ちょっとイジりづらいし、呼びづらいな。ちょっとステイだな」って言ってくれて。

次に先生が考えてくれたのが、有本(ありもと)、明本(あけもと)、トモの3つで。千鳥さんたちも「有本ー!」とか呼んでくれたりしたんですけど、どちらにせよ“秋本”に聞こえると。トモだと、ノブさんとか(ペナルティ)ヒデさんじゃないですけど、“呼びやすいんじゃないか”ということで、トモを選びました。

ベクトルが違う千鳥の優しさ

――最近、番組でも共演回数が多い千鳥さんとは、どんな関係だったんですか?

トモ もともと遊ぶ仲だったわけではないんですけど、昔から劇場で会うと、ノブさんが「お前ら面白いなぁ。テレビの関係者の人に言っとくわ」「なんでお前ら出られないんだろうなぁ」って言ってくれていて。プライベートでは、同期の平成ノブシコブシの吉村(崇)と大悟さんが仲いいので、そこでお互い会ったことはあるんですけど、常に遊ぶとかもなく。

クボケン 芸人の紹介の仕方が“それぞれ違って素敵だな”って思ったのが、ノブさんって収録終わりとか現場でお会いしたときに「写真撮ろうや!」って声かけてくれて、一緒に撮って、ご自身のSNSで「面白いでー」「誰か使ってやー!」とか広めてくださるんですよ。

大悟さんの方はまた別で。ある日、夜中の4時くらいに、同期のピースの又吉(直樹)から電話がかかってきたことがあったんですけど、又吉が「さっきまで大悟さんと飲んでたんやけど、飲みの場で5GAPのこと、むちゃくちゃ褒めてたで」って……。大悟さんは直接「面白い!」って言うわけではなく、裏側でそういうふうに言ってくださるんだなって思いました。

お互い優しさの方向性が違うというか。ご飯の食べ方で言うと「おいしいからおかわり!」って言うのがノブさんで、何も言わずに自分でよそって食べてくれるのが大悟さん。表現は違うけど、どっちも食べてくれるというか。

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トモ 確かに大悟さんは喫煙所とかで「どうなの最近?」って話かけてくれるんですけど、その中で、千鳥さんがMCをやられている番組に「呼ばれた?」って聞かれて。呼ばれていないことを話したら「あれ? 言っといたんだけどなぁ」とか……。大阪の後輩じゃないし、芸歴も1年くらいしか変わらないのに、こんなにおじさんをかわいがってくれるのは、華大さんと千鳥さんしかいないんじゃないかって。

コンビで出られた『アメトーーク!』

――最近では、『アメトーーク』、『テレビ千鳥』、『チャンスの時間』(AbemaTV)など、ネタ番組以外にも続々と番組が決まっています。どんな心境でしたか?

トモ 昨年6月末にマネージャーさんが変わって、すっごい頑張って仕事をとってきてくれるんですよ。20年やって一番動いてくれるマネージャーさんで、アドバイスもくれますし、収録とかも一緒に来てくれますし、そういうのが重なって仕事をいただけるようになったのかなって思います。

クボケン むちゃくちゃ働きます。僕のコントのときより動く人なんで(笑)。

トモ なんせ僕らテレビに慣れてないんでね……。昔だったら『レッドカーペット』だけずっと出ているみたいなのはあったんですけど、ネタ番組以外に出る状況が初なんですよ。

――『アメトーーク』では、今年1月に放送された『40歳過ぎてバイトやめられない芸人』(※)が話題となりました。どんな反響がありましたか?

(※)『40歳過ぎてバイトやめられない芸人』…各お笑い事務所で40歳を過ぎても芸人の仕事だけで食べることができず、アルバイトをしている芸人を集めた企画。5GAPはコンビで参加した。

トモ 念願の『アメトーーク!』に出られて嬉しかったですね。でも、雨上がり決死隊の蛍原(徹)さんとか、ゲストのケンドーコバヤシさんとかいらっしゃいますけど、僕ら側は売れていないメンツで、正直“誰が観るのかな?”って不安ではありました。でも、オンエアされたら「観たよ」「希望の星だ!」って、かなりの反響があって。

クボケン 芸人さんからも声をかけられて、同じように苦労している方が「最高だったよ」とか言ってくれることが多かったですね。

トモ 僕らコンビで出られたのが嬉しくて。ピンよりは印象も残せるじゃないですか。

出典: FANY マガジン

――アルバイト先からの反響もあったのでは?

クボケン バイト先の焼肉店は、僕が番組で映ったことよりも、自分の店の名前が少し映ったことに狂喜乱舞で(笑)。オーナーさんが「本当にありがとう!」って。だから、そろそろ時給の値上げ交渉しようと思っています(笑)。

トモ 世話になってんだろ!

――(笑)。収録後、どんな反省点がありましたか?

トモ いっぱいありますね。マネージャーさんが運営している『よしもと中尾班YouTube劇場』っていうYouTubeチャンネルがあるんですけど、放送終わったあと、そこで反省会をさせていただきました。

クボケン ゆったり感の中村(英将)がMCをしてくれたんですけど、それを『アメトーーク!』の(演出・エグゼクティブプロデューサー)加地(倫三)さんが観てくれていたみたいで。

トモ 『テレビ千鳥』の収録に行ったら、「あのYouTubeくらいリラックスしてやってよ」って言われました(笑)。

大吉の言葉とノブの涙に号泣

――先日は『テレビ千鳥』で『面白新キャラクターを作ろう!!』(※)に大吉さんがサプライズでVTR出演。熱い言葉をかけられました。どんなことを思いましたか?

(※)『面白新キャラクターを作ろう おっさん芸人応援宣言』…おじさん芸人を招集し、小道具や面白衣装を使って新キャラを作る企画。これは表向きの内容で、じつは、変身して登場する前に芸人たちの家族らが出演する応援VTRが流れる。5GAPに限っては、大吉が登場。まさかの出来事に芸人たちは面白キャラのまま号泣していた。

トモ 僕ら三番目に出たんですけど、久保田の奥さんとか、お父さんとかそのあたりがくるだろうなって思っていたので、“俺は泣かないでおこう”って思っていました。そしたら大吉さんだったので……。本当にビックリしちゃって。よく大吉さんにご飯に連れて行ってもらうんですけど、VTRで「九州から出てきたとき、暖かく迎えてくれて感謝しているんだよ」っておっしゃってくださったんですよ。面と向かってそんなことを言う先輩じゃないので、それにまずやられて。

クボケン バックヤードで親に会ったっていう話もありましたけど、僕が病気をして(※)復活したときに、“色んな人に観ていただこう”ということで、大吉さん主催で、わざわざライブを開催してくださったんですよ。そこにうちの両親が見に来ていたときに会った話で。

(※)クボケンは、2016年に慢性腎不全で入院。父親から生体腎移植を受けている。

トモ 大吉さんは昔からお世話になっています。そもそも、華大さんと同郷のパンクブーブーの黒瀬(純)さんにかわいがってもらっていて、その流れもあって、華大さんが上京した頃に話すようになったのが始まりですね。去年『キングオブコント』の準決勝で負けた時も、一人で観たくなくて、決勝を黒瀬さんと観させてもらっていたんですよ。決勝に行けなかった自分たちが一番悪いんですけど、悔しくて悔しくて……。そしたら黒瀬さんが大吉さんに電話してくれて。“5GAP辞めたらヤバイ”っていうことから飲みに連れていってくれました。

ほかにも、大吉さんがコラムをやられていたときに、『一番売れそうな芸人』一位に俺らの名前を挙げてくれたり、単独ライブやるときも「俺に司会をやらせてくれ」と。しかも「俺だけじゃ力足りないから」ってナインティナインの岡村(隆史)さんをゲストに呼んでくれて立ち見になるまで席が埋まったり……。さんざんお世話になったのに、“まだここでもお世話になるのか”っていう。

本当に嬉しくて、オンエアが終わってからも、1日1回、あの大吉さんのVTR見るんですよ。“頑張ろう”ってスイッチが入るんですよね。

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――大吉さんのVTRで、ノブさんも号泣されていました。本番中、ノブさんの涙には気づいていらっしゃったんですか?

トモ すすり泣く声が聞こえてきたんだよね。それで僕ら余計に泣いちゃって。

クボケン 収録終わって挨拶に行ったら、ノブさんが「ごめんな。俺は司会で進めなアカンのに、俺が泣いたから笑いが半減してまったよな」って……。ただ、どれくらい泣いているかは分からなかったので、オンエア観て「え! 号泣じゃないですか!」と思って。

トモ ノブさんは、大吉さんと仲いいので、余計にグッときたのかもしれないですね。

狙うは『キングオブコント』決勝

ーー今後、改名してどんな活動をしていきたいのか目標を教えてください。

トモ 寝る暇もないくらいらいろんなところに出たいけど、歳も歳なんでね……。

クボケン (体的に)“大丈夫かな?”って(笑)。

トモ テレビにも呼ばれたいですけど、でも、一番はコントを認められたいです。そういう意味で『キングオブコント』(TBS系)決勝は行ってみたいし、(審査員やMCをしている)ダウンタウンさん、さまぁ~ずさん、バナナマンさんが、ウチらのこと、どう見るんだろうなっていうのは考えます。

昨年、準決勝に行かせていただいたとき、僕らが一番芸歴上で“もうそんなふうになっちゃったか”って思ったんですけど、でも、そこだけは諦めたくないんですよ。千鳥さんも華大さんもそうですけど、いろんな先輩方が毎年「今年こそ決勝だな」って言ってくださって。恩返しになるかは分からないですけど「決勝決まりました!」って報告したいですね。

クボケン 『アメトーーク!』でも言いましたけど、僕らベースが“恩返し”状態なんですよ。お金稼いで、いい家を買って、いいクルマに乗って……ってそういう欲じゃない。お世話になっている先輩方、内臓を分けてくれたお父さん、家庭をほったらかし状態なのに「好きなことやりな。こっちはこっちでやるから」って応援してくれる妻、全員に恩返ししたいです……。

トモ お前また泣くんじゃない?

クボケン 最近、芸人から「久保田さん、泣いて仕事とってません?」って言われるんですけど、そんなことはない(笑)。

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ーー5GAPのクボケン、トモとしてこれから活動していくお2人から最後にメッセージをお願いします。

トモ テレビも観ていただきたいんですが、やっぱり劇場に来て生でお笑いを見てほしいっていう気持ちはあります。コロナで大変な時期ではあるんですけど、僕らの馬鹿馬鹿しいコントを見て“おじさんがくだらねぇことやってんな”って気楽な気持ちになっていただけたらいいなって思いますね。僕ら劇場にもお世話になっていますから恩返しもしたいんですよ。くすぶっているおじさん芸人がたくさんいるので、ぜひ来ていただきたいです。

クボケン 笑いあり、涙あり、ヒゲあり、髪なしの我々の人生を楽しんでほしいなって思います。

トモ 特に若い子には久保田の顔芸は見てほしいですけどね。

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