落語家に裏方志望、ミス・ワールド候補も…吉本興業高等学院の生徒たちに本音を聞いてみた「迷いはなかったですか?」

『ミス・ワールド・ジャパン2024』ファイナリストとして注目を浴びる3年生、子どものころから大好きな吉本新喜劇の裏方になりたい2年生、NSC(吉本総合芸能学院)で学びながら落語家を目指す2年生、動画配信&製作者として一歩を踏み出したばかりの卒業生――吉本興業が運営する吉本興業高等学院には、さまざまな“夢”が詰まっています。今回は、そんな生徒たちを、令和喜多みな実・河野良祐が直撃インタビュー! 

出典: FANY マガジン
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吉本興業高等学院は、5つのスクールで構成された総合教育機関「よしもとアカデミー」のひとつです。

アカデミーにはほかに、日本最大規模の芸人養成所であるNSC(吉本総合芸能学院)、タレントマネージャー・構成作家・公演制作スタッフなど即戦力のエンタメスタッフを育てる「YCA(よしもとクリエイティブアカデミー)」、俳優・パフォーマー・歌手などを目指すタレント養成所「YPA(よしもとパフォーミングアカデミー)」、エンタメ×デジタルの最前線を学べる「YDA(よしもとデジタルエンタテインメントアカデミー)」があり、吉本興業高等学院では、4つのスクールでエンターテインメントについて学びながら高校卒業資格を取得できます。

今回は、そんな吉本興業高等学院の個性あふれる生徒たちに、学校の魅力や将来の夢などを根掘り葉掘り聞きました。

普通の高校ではできない経験

河野 まずは1人ずつ、自己紹介をお願いします。

友宗然 吉本興業高等学院2年生、NSC46・47期、(芸名は)寿亭むぎ丸、本名、友宗然です。

河野 本来なら高校を卒業してからじゃないとNSCに入れないけど、吉本興業高等学院に通うと、中学卒業後、すぐ入ることができるんですよね。しかも、本来なら1年間のNSCに3年間、通うことができる。落語家さんを目指して2年目ですけど、ちょっとずつ芸事についても身についてきてることはありますか?

 場慣れは、ちょっとずつできてると思います。

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河野 普通の高校に通ってたら、できない経験をしてるってことやもんね。然くんは、NSC在学生が出演するライブ「RUSH」にも出演して漫才劇場の舞台も踏んでるし。

 最初のころは、舞台に上がっても、お客さんなんか見えない状態でやってたんですけど、いまはどんなお客さんがいるかを見ながらできるようになってきました。

河野 この学校に通った効果が出てきてるってことか。では次の方、自己紹介をお願いします。

中島好叶 吉本興業高等学院2年、YCA3期・4期、中島好叶です。

河野 中島さんは、将来的にはどういうことをしたいんですか?

中島 吉本新喜劇が好きなので、劇場にかかわる裏方さん、舞台進行さんを目指しています。もともと裏方さんに興味があって、劇場見学に行ったときに「あ、これや!」となって。

河野 芸人さんより、進行さんとか舞台監督さんを見てたんや。

中島 最近も、劇場に行くときは、暗転で目を凝らして裏方さんの動きを見ています。

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河野 珍しいお客さんやね(笑)。

中島 いまは映像編集も勉強しています。YCAに1年通ってみて、映像ができたらもっといいんじゃないかと思ったので。

河野 いつか劇場の舞台進行さんとか舞台監督として、一緒に仕事をすることもあるかもしれへんね。では、次の方、お願いします。

井下虹渉 吉本興業高等学院3年生、YPA3期生の井下虹渉です。YPAでは、歌とダンスと演技を週に1回ずつ、2年間学びます。

河野 なにを目指してるんですか?

井下 私は俳優さんとモデルさんを目指してます。

河野 実はこの井下さん、現在、『ミス・ワールド・ジャパン2024』という大会で、ファイナリストにも残っております! すごいですよ。吉本で、いちばんすごいんじゃないですか?

井下 そんなことないです(笑)。ありがとうございます。

河野 いま何人残ってるの?

井下 ファイナリストは32人です。

河野 全国からこの『ミス・ワールド・ジャパン』を目指してきて、最後の32人まで残っている。だいぶ謙遜してくれてるけど、これは胸張っていいことだと思いますよ。

井下 胸張ります! ありがとうございます。

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「自分の夢とぴったり合った」

河野 では最後の方、自己紹介お願いします。

友宗烈 友宗烈です。今年3月に吉本興業高等学院を卒業しました。3年間、YDAに行って、動画編集やゲーム配信、SNS、AIとか、デジタルのことをいっぱい学んできました。卒業してからはYouTubeで配信をしていて、ついこないだ収益化もして頑張ってます。動画編集者として、芸人さんの動画や高等学院のYouTube番組『ハイスクールバラエティー』の編集もしてます。

河野 すごい! 去年、卒業して活動し始めてる段階やね。配信は、ゲーム実況?

 そうですね。ゲームの動画を編集してアップしてるし、ライブ配信もしてます。

河野 その編集技術も、この学校で学んだっていうことやんね。そして何を隠そう、烈くんと然くんは兄弟やねんな(笑)。さて、ここからはもうちょっと詳しく聞いていきたいと思います。まずは吉本興業高等学院に入ろうと思ったきっかけを聞いてもいいですか?

 やっぱり兄貴の影響で、ここへ入ったような感じです。

河野 こういう学校があるということは、知ってたわけやもんな。ちなみにお兄ちゃんの烈くんは吉本興業高等学院の1期生やけど、どうやって知ったの?

 いとこが「こんな学校あるで」って教えてくれたんです。小学校のときはYouTuber、中学校のときはゲームクリエーターになりたかったんですけど、学校でいろいろイヤな思いもして……だから変化がほしかった。

出典: FANY マガジン
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河野 そうか、そうか。なかなか普通のところでは学べないから、どうしたらいいか困ったときに、この学校ができたっていう。タイミングもよかったんやな。しかも、自分のやりたい夢ともぴったり合った。

 そうですね。YDAでは動画編集を学んで、そこで動画編集者になりたいと思って。

河野 そんなお兄ちゃんを見てた然くんが、自分も入ろうってなったのは何でなん?

 僕は、最初は新喜劇志望やったんです。でも、中学校の担任の先生に「芸事するんやったら、弟子入りしたほうがいいわ」って落語をすすめられて。いま思ってみれば、その先生が落語好きで、落語をやらせたかったのかもしれない(笑)。

河野 そこから落語に興味を持ったんや。

 ハマってしまい、入学前に、ある師匠に弟子入り志願をしたんですが、やっぱり「高校を卒業してから来い」と言われました。だから、高校卒業資格が取れて芸事も学べる、吉本興業高等学院に入ったわけです。

夢を追いかけたほうが後悔しない

河野 中島さんは、どういった流れで入ることになったんですか?

中島 私は、小学6年生ぐらいのときにはもう、新喜劇に携わりたいなと考えていて、中学に入ってからもそういう夢を持ち続けていました。そんなとき、お母さんが「こういうのがあるよ」って教えてくれて、「もう、そこしかなくない?」っていうので決めました。

河野 テレビで新喜劇を見てたら、表舞台、芸人さんのことしか見えないから、「座員さんになりたい」という夢が最初に出てくると思うんやけど、そうじゃなかったの?

中島 テレビでアップになった小道具を見て、「めっちゃリアルじゃない?」とか(笑)。そんなところに興味をひかれて、裏方さんなりたいなと思うようになりました。

河野 迷いはなかったですか?

中島 ありました。同じ中学校の子たちが行く高校と比べると、吉本興業高等学院はやっぱり未知じゃないですか。みんなと一緒の“青春”のある学校と比べて、最後まで悩んでこっちをとりました。「もう、行っちゃえ!」って(笑)。夢を追いかけたほうが、絶対、後悔しないなっていう。

出典: FANY マガジン
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河野 その一歩は素晴らしいことですよね。井下さんはどういう流れで?

井下 お笑いが好きで、1年目は構成作家になりたくてYCAに入ってたんです。でも、いろんな芸人さんを見てるうちに「楽しそうやな」って思って……2年目からYPAに飛び込んでみました。

河野 吉本興業高等学院に入学するとき、迷いはなかったですか?

井下 めっちゃ迷って、決めたのが2月とか3月とか……。ギリギリに決めて、先生にも反対されたんですけど。

河野 先生は、なんで反対したんでしょう。

井下 出身が徳島県なんですけど、けっこう田舎で地元愛が強いというか、「みんな地元に残れ」みたいな。

河野 じゃあ、より勇気がいったんじゃない?

井下 おばあちゃん家が奈良にあるんで、そこに住まわせてもらってるんですけど、勇気はいりましたね。

河野 ご両親やご家族は、何か言ってましたか?

井下 私のお母さんは関西出身で、もともとタレントを目指してて。

河野 ええっ!

井下 だから「そっちに行きなさい」という感じでした。普通の道を選ぶより、こっちの道を選んだほうがいいんじゃないって、背中を押してもらいました。

自分の夢を恥ずかしがらずに言える場所

河野 次は、アカデミーに通ってよかったことを教えてください。「こういう経験できてよかったよ」っていうのがあれば。

 僕はけっこう人見知りなんですけど、初めて会った人でも話しやすくなったと思いました。友だちとか同級生とはしゃべれますけど、知らん人やったらそこまでしゃべれないみたいな感じの性格やったんで。

河野 確かに、関係者の方とか講師の先生とか、自分たちより年上の方ともしゃべる機会が多いからね。怖い人とかいますか。

 怖い人はいないです(笑)。皆さん、弟みたいに接してくれるので。

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河野 中島さんは?

中島 考え方が大人になりました。

河野 それは、通い始めてから変わったんですか?

中島 YCA3期のときは、(同級生に)大学生がけっこう多かったので、そういう人たちとかかわるようになったのもありますし、講師の方の前で発表することもあったんで……。たまに会った地元の友だちから、「なんか大人っぽくなったね」と言われるようになりました。

井下 私は、裏方さんとか芸人さんとかタレントさんとか、いろんな業界の方と幅広くお会いする機会が増えたっていうのと、「アイドルになりたい」とか「俳優さんになりたい」っていう夢を、大きな声で言える場所やなっていうのが、いちばん大きいと思います。

河野 誰も否定しないし、その夢を持った人たちが集まってる場所なんで、みんなが応援してくれるもんね。恥ずかしがらなくていいですから。

井下 私が最初、構成作家になりたいって言ってたのも、「俳優さんになりたい」と言うののが恥ずかしいというのがあったのかなって。でも、ここに入ったら、みんな言ったもん勝ちみたいな感じなんで、そういうところがいちばんのメリットなのかなと思います。

河野 烈くんは、通ってよかったなって思いますか。

 思いますね。動画制作や配信のノウハウはもちろんなんですけど、YPAだったりYCAだったり、いろんな夢を見つけられる、自分のやりたいことを見つけられる場所だなと。自分も最初はただYouTubeがやりたかった、配信がやりたかっただけやけど、動画編集もできるようになったし。

河野 それはそう! 吉本興業ってお笑いのイメージが強いかもしれないけど、ここに入るとそれ以外の夢が見つかる可能性もありますから。お笑いだけに特化した学校じゃないってことは、皆さんに知ってほしいですね。

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後輩が増えてほしい!

河野 じゃあ最後に、皆さんから、これを見て「入ろうかな」と思っている人、「最後に背中を押してくれたらうれしいな」と思っている人に向けて、ひと言ずついただいてもよろしいですか?

 入るだけでも度胸がつくと思うんです。たとえばサラリーマンでも、プレゼンするときには度胸がいるやろうし、場慣れも必要なんじゃないんでしょうか。緊張するクセとかも全然治せるんで、ぜひ度胸をつけに来てください!

中島 “青春”とよしもとアカデミーで迷ってたんですけど、こっちをとることは夢の大きな一歩になると思うし、ふだんできないことが経験できるので、新しい道に行きたい方は、ぜひ来てほしいです。後輩が増えてほしいなと思ってます。

河野 それは大きいな。

中島 人数が増えると、おもしろいことも増えてくると思うんで、こちらとしても「ぜひぜひ!」と。

河野 たとえば発表するときもそうやし、何か作らなあかんときもプレーヤーが多いほうがいいもんな。

中島 年齢関係なくできるのが、ここのいいところやと思うんで、変わりたいなと思うなら来てほしいです。夢を追いかけてる自分を、好きになれると思います!

井下 この3年間は、すごく濃い3年間で、無理やりいろんな経験をさせられる……させていただく機会がいっぱいあるので(笑)。

河野 させられる(笑)。

井下 入学前の自分と比べたら、すごく成長したなって感じています。いろんな人が支えてくれると思うので、ぜひ来てください。待ってます!

出典: FANY マガジン
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 自分の進路を否定されようとも、自分の思う道を行けばいいと思います。いまイヤなことあっても、変わればいいんですよ。もし、よしもとアカデミーに入学して「ちょっと違うな」と思っても、それを経験として、また別の道へ行けばいい。そこでめげず、まっすぐ突き進んでください!

河野 普通のとこじゃ否定されてしまうようなことでも、ここでは受け入れてくれるし、それでもまたしんどいなら、次のところ探してくれてもいいってことやんね。入学してからも、こういった仲間たちが困ったら助けてくれる。吉本興業の社員さんや芸人さん・タレントさんからも、いろんなためになる話が聞けると思いますので、迷ってる方は、ぜひ吉本興業高等学院の入学を検討していただきたいと思います!


座談会の動画はこちらから。

出典: FANY マガジン

吉本興業高等学院の公式サイトはこちらから。
よしもとアカデミーの公式サイトはこちらから。

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