馬場園梓の単独ライブ第4弾は“新たな試み”も…!? “芸歴27年目・ピン芸人3年目”が語る挑戦「ピンネタをつくる感覚がわかってきた」

2021年からピン芸人として活動を始めた馬場園梓が、単独ライブ『BBZ Selection2025』を10月12日(日)に東京・人形町劇場 rabbitで、10月19日(日)に大阪・日本橋ポルックスシアターで開催します。4回目の単独ライブとなるこの公演では、新作の漫談やコントに加え、新たな試みにも挑戦予定とのこと。芸歴27年目にして“ピン芸人3年目”の馬場園に、舞台に立ち続ける理由、ネタ作りの葛藤、そして“ぼんじりの本数”で測るメンタルの揺れなど、たっぷり語ってもらいました。

出典: FANY マガジン
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「空想と現実のはざまを、ぼんじりで仕切った」

──今年も単独ライブの開催を発表しました。2023年から始まり、今回で4回目(2023年は2回開催)になりますが、毎年やろうと思うのはなぜですか?

もともと漫才師になりたくて吉本に入ったので、やっぱり舞台への憧れがあるんですね。おばあさんになっても、死ぬまで出続けたいっていう思いがあって。

そのなかでも、自分が好きなネタ、いろんな年齢層に楽しんでもらえるネタ、ちょっとクセがあるネタ……そういうバリエーションを詰め込めるのが単独ライブなんですよ。いわば“濃縮100%”の自分を出せる場です。

──今回の内容は、どのような構成になりますか?

新ネタの漫談とコントを4本。それと、幕間に見てもらうVTRを3〜4本入れる予定です。VTRも単なるつなぎじゃなくて、しっかりネタとして笑ってもらえるように作ってます。

出典: FANY マガジン
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──コンビの時代からネタづくりを担当していましたが、ピンになって、ネタのつくり方は変わりましたか?

ぜんっぜん違います。コンビのときはまず言いたいことをバーッと書いて、そこにツッコミをつけていく感じ。でもピンだとツッコんでくれる人がいないので、「これ、どうオチをつけるんやろ?」ってなりました。

最初はもう、別の世界に入れられたぐらいパニックで、1本のネタを書くのに何週間もかかってました。

──慣れないなかで、ストレスも感じましたか?

すごかったですよ。「ここが笑いどころですよ」っていうツッコミがいないと、どこまで伝わるのかがわからなくて。悩んで、もう、食べまくってました(笑)。

ふつう、思い詰めると食欲がなくなるじゃないですか。私、8食くらい食べてました。特にぼんじりを自分で串に刺して、魚焼きグリルで焼いて。

──極度のストレスのなか、脂っこいぼんじりを食べまくっていた?(笑)

近所のお肉屋さんに売ってるんですよ、安くておいしいやつが(笑)。

むちゃくちゃイライラしながら、メンチ切りながら、とりあえず不安を落ち着かせるために、ぼんじりを焼いて食べるみたいな感じです。

ネタ合わせもひとりだと辞め時がわからないんで、夢の中でも、ずっとネタのことを考えて。ワケがわからなくなって、ぼんじりを食べた記憶もなくなっちゃって……。

──ぼんじりは、量が減っていくからわかりませんか?(笑)

そう思いますよね(笑)。ところが、600グラムくらいの大きいのを一気に買ってくるんですよ。最初は串に刺さずに焼いていたんですけど、ネタに没頭しすぎてどれくらい食べたのか忘れてしまうから、串に刺すようにしたんです。

串の数で、「ああ、さっき食べたんだ」とわかるようになって。だから空想と現実のはざまを、ぼんじりで仕切ってたんです(笑)。

──危ない状態ですね……。それだけのストレスを抱えていながら、それでも舞台に立ちたいというのが、本当にすごいと思います。

ピンになって、何がやりたいんやろうって考えたときに、正直、コロナ禍でもあったのですぐには浮かばなかったですよね。でもやっぱり舞台が好きなんですよ。

NGK(なんばグランド花月)だと1000人近くのお客さんが笑ってくれる。その感覚をいちど味わうと、そこに生きがいを感じてしまって。だから、やっぱり舞台に出続けたいと思いました。

出典: FANY マガジン
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──いまはピンネタをつくる感覚もつかんできましたか?

ようやく! 完ぺきではないかもしれないけど、見えてきたというか。自分の思っている部分で笑ってもらえるようになったし、「これで合ってるかも」みたいな答え合わせができてきています。

ネタづくりも、やり方や辞め時がコントロールできるようになってきて、いまは新鮮な気持ちですごく楽しいですね。

──そうすると、ぼんじりを食べる量も減りましたか?

ぼんじり、昨日食べましたね!(笑) でも、頻度は落ち着いてきています。

「イチからのスタートにまったくなんの抵抗もない」

──馬場園さんのピンネタは、どういった特徴がありますか?

異空間なネタではなく、日常から共感を得られるようなコントをつくってますね。

テレビを見ていて思ったこととか、日常で気になった会話の中のフレーズとか……。「この人、語尾強いな」とか、「近くにいるのにめっちゃ声でかいな」とか(笑)。そういうのを常に書き留めておいて、ネタにしています。

出典: FANY マガジン
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──今度の単独では、漫談とコント以外に新しい挑戦もあるんですよね?

そうなんですよ。ただ、そこはちょっとまだ、内緒にしたいんです(笑)。漫談でもコントでもない、初の試みを考えてて。まだ3年目なので、ピン芸人として自分に何が合うのか、いろいろ試してるところなんですけど、そのなかの模索のひとつとして、ちょっとやってみたいことがあるんです。

──キャリアを重ねても、つぎつぎと新しいことに挑んでいるところがすごいと思います。

いやいや。たとえば、漫才師として『M-1』で優勝したり、NGKでトリを取れたり、確固たる地位を築いていたら、もっと挑戦しづらくなっていたと思うんですよ。でも、漫才師としては不完全燃焼のまま終わった思いもあって。だから、もう1回、イチからやってみようと。イチからのスタートに、まったくなんの抵抗もないですね。

それと、ザ・ぼんちさんが『THE SECOND』に出たじゃないですか。ああいうカッコいい背中を見ているから、自分も頑張ろうというのはあると思います。

出典: FANY マガジン
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──先ほど、ピン芸人としてやりたいことがなかったと言ってましたが、いまは目標が見つかりましたか?

いまは、ピン芸人としてNGKに立たせてもらえるようになりたい、と思うようになりましたね。あとは、全国ツアー。北海道から沖縄まで1人で回って、「チケット10分で完売しました!」とか言われるようになりたい。その一歩目として、今回の単独ライブも見てほしいです。

私の好きなプロレスも、プロレスラーの人生を丸ごと見るものなんですよ。入門して引退するまで、どんな人生を歩むのか。お笑い芸人も一緒だと思うので、ピン芸人としての成長の過程も、見てもらいたいなと思います。

──それでは最後に、読者へメッセージをお願いします!

今年も単独ライブを、やらせていただきます! 自分が楽しいと思えることを100%詰め込んだライブにします。いまの私がつくる“できたてホヤホヤ”の“あっつあっつ”のネタを、ハフハフしながら見てください!(笑)

出典: FANY マガジン
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公演概要

『BBZ Selection2025』
出演:馬場園梓

【東京公演】
日時:10月12日(日)開場 18:30/開演 19:00
会場:人形町劇場rabbit
(中央区日本橋小船町6-16日本橋グリーンビルB1)
料金:前売 3,000円/当日 3,500円
※自由席整理番号順

【大阪公演】
日時:10月19日(日)開場 18:30/開演 19:00
会場:大阪日本橋ポルックスシアター
(大阪市浪速区日本橋4丁目)
料金:前売 3,000円/当日 3,500円
※自由席整理番号順

※FANY一般発売は8月09日(土)10:00から。
※両会場ともに、公演当日に別途ドリンク代がかかります。

FANYチケット:https://r.ticket.fany.lol/bbz-selection2025

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