劇団「熟年団」の公演第2弾『いやですわ』は“わけのわからなさがクセになる”!? 二転三転するストーリーに「稽古中もずっと爆笑」

俳優・小川菜摘とアサヌマ理紗が中心となり、「愉快な人たちと楽しい舞台を作りたい!」という思いのもと、“熟年世代”の演出家・俳優らと結成した劇団「熟年団」。その第2弾公演『いやですわ』が、3月11日(水)~3月15日(日)までの5日間、東京・新宿シアタートップスで開催中です。小川をはじめとする経験豊かな“熟年世代”に、フレッシュさと実力を兼ね備えた“若年世代”の俳優が加わり、果たしてどんな化学変化が起きるのか――初日開演直前に行われたゲネプロの模様をレポートします。

出典: FANY マガジン
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笑い、歌、そして感動!

今回は、小川とアサヌマに加え、前作に引き続く出演となる千葉雅子、そして新たなメンバーとして陰山泰、多和田任益、津村知与支、馬場園梓、渡辺裕太が出演しています。

主人公は“先生”と呼ばれる猿渡典子(小川)。余命いくばくもなく、目も見えなくなってきた彼女は、“おさや”こと倉持さや佳(アサヌマ)の世話になりながら、“名前が特徴的な施設”に入院していました。典子の視界には、なぜか「30」という数字が浮かび上がり、この数字がゼロになったらこの世から去るのだ――と思い悩みます。

病室で休む典子の様子を見に来る、医師らしき男の端本健⼀郎(津村)と看護師の碓井厚美(馬場園)。さらに施設に設置されたあるマシンを求めて大学生の飯山公平(渡辺)が姿を現して……。

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そんななか、さや佳は、目がほとんど見えない典子の代わりにインターネット検索を手伝います。聞いたことのない「夏樹⿇子(千葉)」という人物の検索にこだわる典子を不審に思ったおさやは自ら調査。麻子が病院から見える絵月山の山奥で店を経営していることを突き止めます。さや佳が店を訪れると、職人2人(陰山、多和田)を従える麻子がいて……。

そこから物語は二転三転。笑いあり、歌あり、感動あり(!?)の展開で、演者たちが見事な掛け合いを見せます。果たして典子の人生はどうなってしまうのか!?

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ゲネプロ終了後、出演者たちと脚本・演出の村上大樹さんに、それぞれの思いを語ってもらいました。

観客の反応が入ってようやく完成する

――稽古・ゲネプロを通しての感想を聞かせてください。

渡辺 ゲネプロをすることで、より輪郭がはっきりし、僕の芝居もやっと完成に近づいてきました(笑)。ここからお客さんが入ってどうなるのか。まだまだこれからなので、わからないところもありますが、いまの段階では楽しみな気持ちで本番初日を迎えられそうです。

アサヌマ 稽古の日々のなか、村上さんが妥協せずに演出をつけてくれました。台詞が増えたり減ったり、演出が増えたり減ったり……が毎日起きていたので、私たち自身も出来上がりがわかっていない部分がありますが、今回、ゲネを迎えて「たくさんの方に見ていただきたい」と心から思いました。見ていただいた方に笑って帰ってほしいなと思います。

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小川 お客さまがどういうリアクションをしてくださるのか、私たちとしても未知なのですが、この作品のなかにお客さまの反応が入り込んで、ようやく『いやですわ』が完成すると思っております。稽古の日々も、本番が始まってからもずっと楽しい! 今日から千秋楽まで楽しんでいきたいと思っています。

馬場園 お稽古ではずっと笑いっぱなしでした。「へへ」じゃないですよ。ずっと爆笑なんです。台詞を知っているのにずっとツボに入っているし、ずっと楽しいので、全部の回を見てほしいくらいです。あと、できることなら地方公演も行きたいです(笑)。

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「1カ月くらいやりたい」

多和田 今回、最年少なんですが、大先輩方のお芝居やコメディに触れて、稽古場でも笑いましたし、ゲネプロ中も裏で笑うのをガマンしていました。実際にお客さんが入ってどうなるのか、わからない部分もあるんですけど、僕らがやってきたものを信じて届ければ、きっと笑ってくださるのかなと思います。

陰山 このなかでは最年長なんですが、皆さんが優しくて、老人扱いしてくれるというか……。

小川 老人じゃないですから!(笑)

陰山 最初に本を読んだときの印象から言うと、僕の役自身もお芝居全体の印象もだいぶ変わってきています。毎日改善に次ぐ改善。細かいところをいろいろと変えて、やるべきことをやってきました。菜摘さんがおっしゃったとおり、お客さんの前でやったとき、どう変わるのかが問題です。本当はもうちょっと長い期間公演をやりたかったですけどね。

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馬場園 1カ月くらいやりたいですよね~。

小川 明治座か!

一同 (笑)

小劇場っぽい“尊いもの”ができた

千葉 ハイスピード・ハイテンションのシーンが多く、ちょっと懐かしく感じています。久しぶりにこうしたお芝居ができる喜びもありますし、菜摘さんと演技でバトルできるのも楽しい。これから本番が始まりますが、気を引き締めて頑張りたいと思います。

津村 村上さんのぶっ飛んだ世界観のなか、1カ月弱稽古をやってきました。そのぶん、客観性を失っている部分もあるのですが(笑)、先ほどこの舞台でゲネプロができて、「ついにここまできたな」と感じました。始まる前、舞台裏で息を潜ませているとき「演劇だな~」と感じられて嬉しかったです。

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村上 津村さんがおっしゃったように、僕も含めてみんな客観性を失っていて(笑)、わけのわからないなか、前のめりで取り組んでいました。これってほかではなかなか味わえないことですし、いい年の人間が集まって、みんなであーだこーだ言いながら作れたのは、すごく貴重な期間でしたね。

今日、ゲネプロで客観的に見させてもらって「なんだこりゃ」と思えたというか(笑)。ある意味、お客さまに見ていただくのが楽しみなような恐ろしいような……。いま求められているのかどうかもわからない作品ですが、でもそれが小劇場っぽいし、昔このような劇場サイズで一生懸命芝居を作っていたころを思い出しました。

自分的にはすごく尊いものができたと思っています。それをぜひともお客さまに体感してもらえたら嬉しいです。

「見たことのないジャンルだと思う」

――最後に今回の作品の魅力、メッセージをお願いします。

渡辺 台本がぶっ飛んでいて、すんごい世界観だなと思うんですけど、登場人物たちは一生懸命生きている。それを演じているのが熟年の皆さまです。皆さまが役を通して、このわけのわからない世界を一生懸命生きていらっしゃるのが魅力なんじゃないかなと思います。

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アサヌマ 頭を空っぽにして見ていただけたらと思いますし、「よくわからなかったけど、すごく楽しかったな」と心がほっこり温かくなって帰っていただけたら嬉しいです。ちょっと元気がない人とかに見てほしいですね。

小川 このぶっ飛んだ世界観を見て、お客さまが「何を見せられたんだろう」「あれはなんだったんだろう」と、笑いながら帰っていただけたら嬉しいですね。それほど見たことのないジャンルだと思うんです。ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

馬場園 ストレスや悩みを抱えている人ほど来てほしいです。悩んでいるのがバカみたいに感じるような……スカッとする作品になっていると思うので、ぜひお待ちしております!

多和田 わけのわからなさが逆にクセになる作品ですが、意外とつながっている部分があったり、日常で起きる“あるある”が詰め込まれていたりするので、ぜひそこにも注目していただきたいです。

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熟年にしかできないハードスタイルな芝居

陰山 久しぶりに小劇場の不条理なお芝居を一生懸命やらせていただいています。わけがわからないほうが、「そんなところを一生懸命やるの?」という心情が伝わりやすい。そのあたりで(観客と)コミュニケーションが取れればいいなと思っています。

千葉 この絶妙な組み合わせで、こんなお芝居をするって、なかなか見られない貴重な機会だと思います。ぜひ足を運んでいただければと思います。

津村 ヘンな人ばかり出てくる芝居ではあるんですけど、小難しかったり、理屈をこねくり回すような芝居だったりではないので、楽しみに見に来ていただければと思います。

出典: FANY マガジン
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村上 出来上がったいまとなっては、「熟年がやるにしてはハードすぎるスタイルの芝居だったな」とは思うのですが、内容的には熟年じゃないとできないことばかり。(この作品が)高齢化社会のなかで、ジャンルが広がるきっかけになればいいなと思います。

皆さん年齢を感じさせず、若い人もそうじゃない人も、一丸となってお芝居を作っているので、この楽しい感じを味わいに来てほしいなと思います。

公演概要

熟年団 第2弾 『いやですわ』
日程:2026年3月11日(水)~3月15日(日)(全7公演)
3月11日(水)19:00 開演
3月12日(木)19:00 開演
3月13日(金)14:00 開演/19:00 開演
3月14日(土)14:00 開演/19:00 開演
3月15日(日)14:00 開演
会場:新宿シアタートップス(東京都新宿区新宿3-20-8 WaMall TOPS HOUSE ビル4階)
脚本・演出:村上大樹
出演:アサヌマ理紗、小川菜摘、陰山泰、多和田任益(梅棒)、千葉雅子(猫のホテル)、津村知与支(モダンスイマーズ)、馬場園梓、渡辺裕太(ポップンマッシュルームチキン野郎) ※50音順

<チケット情報>
料金:前売 7,900円/当日 8,200円(全席指定席・税込)
チケット取り扱い:FANYチケット・チケットぴあ・ローソンチケット
※未就学児は入場不可
※車椅子席をご利用の方は、チケットご購入前にFANYチケットお問合せダイヤル 0570(550)100(10:00~19:00/年中無休)までお問合せください。

FANYチケット:https://r.ticket.fany.lol/iyadesuwa

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