小西武蔵の“新趣向”新喜劇は舞台セットひとつだけで描く親子ストーリー! 「最小限のセットでどこでも公演できるものを作りたい」

吉本新喜劇の小西武蔵が作・演出を手がける、ひとつの舞台セットのみで演じる『オルタナティブ新喜劇』が7月23日(木)、大阪・よしもと道頓堀シアターで開催されました。2回目となる今回は小西のほかに佐藤太一郎、カバ、音羽一憲、小林ゆう、咲方響、そして吉本新喜劇の座長である吉田裕が特別に出演。時空を超えた家族のドラマを、いつもとは違った趣向の新喜劇で描いて笑いを起こしました。直後に開かれた「最速打ち上げのコーナー」の模様と合わせてレポートします!

出典: FANY マガジン
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小西「親近感を持って楽しんでほしい」

開演前、小西は「ふだんの新喜劇とは違いまして、セットひとつだけで行う新喜劇です」と説明すると、「自分の家族がボケていると思って、親近感を持って楽しんでほしい」と呼びかけました。

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舞台のタイトルは『ポストおとん』。ステージのやや奥にポストがひとつだけ置かれています。主人公は、佐藤演じる高校生・吉田太一郎。亡き母への思いを抱き、頼りなく見える父に反発しています。ある日、太一郎は不思議なポストを通じて1998年へタイムスリップ。そこで若き日の母・真希と父・裕に出会いました。

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最初は両親の結婚を止めようとしていた太一郎でしたが、危険を顧みず人を助ける父の姿を見て、その優しさと勇気を知ります。現代へ戻ると、「お父さんをよろしくね」と書かれた母からの手紙が届き、父とともに母の墓参りへ向かうのでした。

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家族の物語を軸にしながらも、舞台上では新喜劇らしいギャグが途切れることなく展開されます。佐藤は、予想外の言動を繰り返す登場人物への鋭いツッコミで物語をけん引。小西は、女子高生の咲方につきまとう怪しげな郵便局員を演じ、独特の髪形や手紙を使ったネタで笑いを誘いました。

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カバは、アニメ『笑ゥせぇるすまん』のキャラクター・喪黒福造を思わせる謎めいた存在感を発揮。佐藤の重い告白にも独特の間で言葉を挟み、しんみりしすぎない空気を作りました。

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小林と咲方は、女子高生役として舞台に華やかさをプラス。2人の確かな芝居とテンポのよい掛け合いで物語に彩りを添え、母を亡くしたという、ともすれば悲しさばかりになりそうな物語に軽やかさをもたらしました。

音羽は、過去と現在で異なる人物を演じ分けながら、迫力のあるヤンキー役でドタバタを加速。吉田は、気弱な現在の父と、未熟ながらも芯のある若き日の父を演じ、ストーリーの軸となりました。

“乳首ドリル”をアレンジしたくだりや、音羽の入れ墨をめぐる仕掛けなど、おなじみの要素も盛り込まれ、そのたびに客席は大笑いでした。

そのまま舞台上で乾杯して「打ち上げ」?

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芝居が終わると、そのまま「最速打ち上げのコーナー」がスタート。出演者全員が集まってドリンクを手に乾杯し、終わったばかりの公演を振り返りました。

まず小西が「完全にミスったところがある」と切り出すと、カバが「スコーンと忘れて……」と“自白”します。

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なんと、佐藤が物語の核心となるセリフを言っている最中、次の展開を忘れたカバが、舞台袖へ台本を確認しに行っていたのだとか。ただしカバが慌てず、ゆっくりと舞台から姿を消したことで、観客からは演出の一部のように見えたようです。

一方、音羽は、ガムをかんでいるように見せて、実は自分の舌をかんでいたというギャグを反省。血の付いたハンカチまで仕込んでいたものの、期待した反応を得られなかったといい、小さくなりながら「鬼スベりしました」と振り返りました。音羽は、セリフの間違いも重なった本番を思い出して、悪夢がよみがえったような表情を見せました。

ここで小西が『オルタナティブ新喜劇』について改めて説明します。第1回公演ではカバがほぼ主役を務め、今回は佐藤が主人公でした。カバは今回の役について、「みんなは新喜劇に出てきそうなキャラクターなのに、僕だけ1人でコントをしているみたいだった」とクレーム(?)を。ただ、ほかの出演者たちが「似合っていましたよ」と声をかけると、まんざらでもない表情を見せていました。

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芝居に定評のある佐藤について小西は、自分にスポットライトが当たっていないときの「オフ芝居」もすごいと絶賛。それを証明するために、過去の新喜劇の映像をモニターに映し、舞台の後方でジタバタと動く佐藤の姿を公開します。

そんな佐藤について吉田は「0点やな!」と一刀両断。2人は同期入団とあって、気の置けない間柄です。ここから吉田が佐藤の失敗談を次々と暴露しはじめ、佐藤の「言うなってー!」という悲痛な叫びが劇場に響き渡りました。

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出演者が公演を振り返るなか、咲方はドリンクを早々に飲み干しておかわり。小林が「おるおる、こういうヤツー!」とツッコむと、舞台上はますます本物の“打ち上げ”のような雰囲気に。終演直後だからこそ語れる失敗や稽古のウラ話に加え、観客の感想もリアルタイムで聞くことができました。

小西は、『オルタナティブ新喜劇』について、文化祭で上演する芝居のように、最小限のセットでどこでも公演できるものを作りたいという発想から始まったと振り返ります。そして第3回の舞台セットについて「ゴミ箱を考えています」と明かすと、出演者からさまざまな反応が飛び交いました。

出演者の芝居とアイデアによって世界がどこまでも広がっていく『オルタナティブ新喜劇』。「最速打ち上げ」も含め、よしもと道頓堀シアターならではの新喜劇が楽しめる公演でした。

出典: FANY マガジン
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