伝統の『上方漫才大賞』受賞のミルクボーイ「歴史に名を刻めたのがうれしい」「漫才の大海原に出た」

上方演芸会でもっとも歴史がある「第57回上方漫才大賞」が4月9日(土)に開催され、ミルクボーイ(内海崇、駒場孝)が大賞の栄冠に輝きました。会場には2人が「命の恩人」と語る海原やすよ ともこがサプライズで登場する一幕も。このほか、奨励賞にはミキ(昂生、亜生)、新人賞にはニッポンの社長(辻、ケツ)が選ばれ、喜びを爆発させました。

©カンテレ
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「1年間、これに賭けてきた」

この日の会場は大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで、今年も関西テレビとラジオ大阪で生放送。さっそく、結成10年目までが対象の新人賞からスタートします。

ノミネートされたのは、天才ピアニスト、からし蓮根、カベポスター、フースーヤ、もも、たくろう、ニッポンの社長の7組。ネタ披露のあと、ニッポンの社長が新人賞に選ばれると、ケツは「めっちゃうれしいです!」と満面の笑顔を見せました。

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続けて奨励賞ではロングコートダディ、すゑひろがりず、祇園、見取り図、ミキの順番でネタを披露。厳正な審査の結果、名前を呼ばれたミキの2人は「ヨッシャ!」とガッツポーズ。トロフィーと賞金150万円を受け取ると、「うれしい!」と素直に喜びを表しました。

「亜生が(出番順の抽選で)5番を引いてくれたので、『これは行けるな』と思った」と言う昂生。「1年間、これに賭けてきた」「亡くなったおばあちゃんに受賞を伝えたい」と話すと、すかさず亜生から「まだ生きてるわ!」とツッコみが入ります。喜びが止まらないミキの2人がボケ続けていると、見取り図・盛山晋太郎が「僕ら、はけてもいいですか」と横やりを入れていました。

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「日本一の劇場に出続けたい」

そして、いよいよ大賞の発表です。これまでオール阪神・巨人やダウンタウン、ブラックマヨネーズら、そうそうたる面々が受賞してきた大賞に輝いたのは、ミルクボーイの2人。受賞者は事前の審査会で決定しており、会場では2人に受賞を伝えた際のVTRが流されました。

スタッフから「報告がある」と聞かされ、「なにっ!? 怖っ!」と怯える2人ですが、受賞を伝えられると「ホンマですか? めっちゃうれしい!」と笑顔を見せます。「ずっと目標にしていた」と言う内海は、自宅にある「上方漫才大賞」と書かれたダルマに目を入れると宣言していました。

VTRが終わって、ミルクボーイの2人が舞台に登場すると会場からは割れんばかりの拍手が。

「めちゃめちゃうれしいです。漫才をやっているからには、絶対いただきたい賞。歴史に名を刻めたのがうれしい」

内海が、感慨無量の様子で喜びを語ります。M-1グランプリをとった後も大阪を拠点に活動し続けるミルクボーイですが、「NGK(なんばグランド花月)は日本一の劇場。そこに出続けたい」と決意を新たにしました。

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ここでサプライズゲストとして海原やすよ ともこがステージに登場し、2人に花束を手渡しました。やすよは「誇らしいです。心からおめでとうと思いました」とコメント。ともこは「実力もあるし、もともと面白いと言われていた人なので私たちもめっちゃうれしい。泣いたらアカンって言うてたんですけど、顔見た瞬間にヤバかった」と涙ぐみます。

駒場も涙をふきながら、「(やすよ・ともこの)2人がいなかったら漫才をやっているかもわからない。命の恩人」と最大級の感謝を伝えます。内海は、「おふたりのおかげで(大賞を)とることができたので、本当に感謝しています」と言いながら、「駒場のまわりには不思議とぽっちゃりが集まる」とオチをつけました。

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そしてミルクボーイが、この日のために作った新ネタを披露。定番の「おかんが大事なことを忘れてしまう漫才」で今回、おかんが忘れたのは「好きな賞レースの名前」。畳みかけるような2人のやりとりに、会場は大盛り上がりとなりました。

“散髪屋さん”へのプレゼントは…

終了後の囲み取材でも、改めて喜びを語るミルクボーイの2人。内海が「どうしてもほしい賞だった。選んでいただいて本当にうれしい」と笑顔を見せると、駒場も「自分の中の目標を達成できた。今日がスタートで漫才の大海原に出た。引き締まる思い」と語りました。

賞金の使い道について、ステージでは「M-1の賞金で椅子をプレゼントした散髪屋さんにハサミを贈る」と言っていた内海ですが、その散髪屋がCDで“演歌デビュー”を果たしたとのことで、衣装などをプレゼントしたいとも語りました。駒場は、生まれたばかりの子どものために、なにか思い出に残るようなものを買いたいと語りました。

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一方、奨励賞を受賞したミキ・亜生は「ホッとした」と話します。昂生は、今回の受賞が弾みとなって今年のM-1グランプリに昇華できたら、と希望を語りました。最終的には、上方漫才大賞を狙っているという2人。今回、10年目で奨励賞をもらえたので、15年目までには大賞をとれるように頑張りたいと目標を設定しました。

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新人賞に輝いたニッポンの社長・辻は、この日のネタについてギリギリまで悩んでいたことに言及。最終的に、幅広い層にウケそうなネタを選んだと明かします。2年連続でキングオブコントの決勝に進出している2人ですが、今回の賞をもらったことで、漫才も本気でやっていると言いやすくなったとのこと。ケツは、漫才がやりたくてNSC(吉本総合芸能学院)に入ったそうで、「漫才で賞をとれたのがうれしい」と顔をほころばせました。

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