6月25日（日）に放送予定のBSよしもとのニュースショー『ワシんとこ・ポスト』では、「地方創生 菅前総理に聞きたいSP」と題して、第99代内閣総理大臣の菅義偉氏を特別ゲストにスペシャル番組の収録を行いました。
BSよしもとは地方創生をコンセプトに開局以来、地域のさまざまな魅力を伝えており、運営する吉本興業ホールディングスもまた、2011年にスタートした「あなたの街に“住みます”プロジェクト」など、かねてより地方創生に力を注いできました。今回お迎えする菅氏もまた、初入閣となった総務大臣の時から「ふるさと納税」制度を推進するなど、総理就任前より地方創生に尽力されていたこともあり、今回のスペシャル番組が実現しました。
共演者には、番組キャスターの小倉淳さん、月曜コメンテーターのペナルティのヒデに加え、日本初の選挙プランナーで菅さんとも旧知の三浦博史さん、選挙と政治をこよなく愛するタレントの井上咲楽さんの4人。どんな話が出てくるのか期待が高まるなかで、大きな拍手に迎えられながら菅前総理が登場。収録がスタートしました。
「なぜ地方創生に力を入れ始めたのか」
今回、地方創生スペシャルとして番組が用意したテーマは、「ふるさと納税の提唱」「インバウンド事業の拡大」「農林水産品における輸出ハードルの改善」の3つ。いずれも地方と深く関係し、菅さんが力を注いだ施策ばかり。では、なぜ地方創生に力を入れ始めたのか。キャスターの小倉さんからそのきっかけを聞かれた菅さんは、「もともと私は秋田県の農家の長男坊で就職を機に上京しました。その後、政治が世の中を動かしているのでは、という思いから政治家を志しましたが、どこか農業を捨てて出てきたという後ろめたい気持ちがあった」と答え、同時に、「日本という国は地方が元気にならなければ、日本全体が元気にならない」という思いから今も選挙区は横浜だが地方の事を考えながら政治をやっている」と、地方への思いを語りました。
ふるさと納税の寄付によって地域を活性化
ひとつ目のテーマである「ふるさと納税」は、08年5月に当時当選4回目の菅さんが総務大臣に就任した時に旗振り役として進めたもので、今やその寄付額は8302億円（2021年度）にまで拡大。2年連続で過去最高額を更新するなど、気軽に地方創生に関わることのできる機会として多くの人たちが利用しています。
ふるさと納税の寄付によって地域を活性化した例として、宮崎県都城市と中継を結びました。都城市は14年にふるさと納税を見直し、それまで年間300万円ほどだった寄付額は半年で5億円にまで拡大。21年度は全国2位の146億1600万円を記録しています。絶好調の要因について都城市ふるさと産業推進局でふるさと納税を担当する野見山修一副課長は、畜産品の産出額が全国一位であること、霧島酒造の本社があることから、「まずは都城を知ってもらうために畜産と焼酎を前面に推した」と言います。他にもマンゴーやゴルフクラブなど返礼品が充実していることも飛躍的な成長の理由に挙げました。
ふるさと納税が地方に与える影響の大きさ
多くの寄付は街も活気づけたようで、宮崎県住みます芸人である嫁恐竜が中継した道の駅「都城NiQLL（ニクル）」は、地元グルメや一杯200円で試飲できる焼酎カフェがつくられるなど、産業振興の拠点としても多くのお客さんが集まるおしゃれな施設です。この施設も嫁恐竜の話ではリニューアル費用の一部にふるさと納税の寄付金が使われているとのこと。そして、こうした流れは人口増加にもつながっているようで、400人もの方が移住してくるなど、都城には良い循環が生まれているといいます。
現場の声を聞いた菅さんはとても喜び、ご自身が都城を視察した時に、市長から職員の意識が変わったこと、返礼品の人気で運搬や配送など、関連する仕事が増えたと言われた思い出を披露していました。ヒデからも「仕事がないから地元を離れるわけで、こうして新たな仕事ができれば地元に残れますよね」と、ふるさと納税が地方に与える影響の大きさに改めて感心した様子でした。
地方から国際化が進展
2つ目のテーマとして小倉さんが掲げたのは「インバウンド事業の拡大」。菅さんは12年、第二次安倍政権の時に官房長官として「観光立国」を目指すべく、ビザの緩和、免税品、免税品売り場の規制緩和などを実施。その結果、コロナ禍前の19年には、12年に比べおよそ4倍の年間3200万人ものインバウンド客が訪れています。
こうしたインバウンドの効果を実際に知りたいと中継を結んだのは北海道のニセコ地域。多くの外国人富裕層が訪れる北海道のスノーリゾートで、北海道住みます芸人であるオジョーが羊蹄山をバックにニセコから中継しました。なぜ、ニセコが人気になったのかをニセコリゾート観光協会の下田伸一さんに小倉さんが訊ねると、パウダースノーがインバウンド客を引き寄せるようで、10年で10倍にまで増えたと言います。
オジョーも街をまわって英語の看板が多いところに驚いたというくらい、外国人の住民も増え、ニセコ町では住民の1割ほどが外国人とのこと。インターナショナルスクールも開設され、公立の学校でも国際化が進んでいるといい、「地方から国際化が進んでいますね」と小倉さんも興味津々。ただ、冬場に比べ、夏場は海外から訪れるお客さんは少ないため、夏場の仕事をどう確保するかが目下の課題だと下田さんは話していました。
「農林水産品における輸出ハードルの改善」
最後に、3つ目のテーマとして掲げられたのが「農林水産品における輸出ハードルの改善」です。菅さんが官房長官時代に行ったのが、産地の支援を行いながら、輸出許可の手続きをスムーズにしたことです。その結果、第二次安倍政権発足前に4497億円だった輸出額は、22年には3倍近くの1兆4148億円にまで拡大しています。
そこで実際、どのようなものが輸出されているのか、和歌山県住みます芸人であるわんだーらんどがいる和歌山県有田川町と中継を結びました。こちらでつくっている作物は、全国的に有名な「有田みかん」。このブランドみかんをベトナムへ輸出しています。JAありだAQ中央選果場の平野優作さんと林裕人さんからは、輸出する際、厳しい出荷基準があり、なかでもミカンバエなどの害虫が発生しないように注意しているといいます。そして、まだまだ出荷量が少ないとのことから「これからも増やし、ベトナム以外の国にも出荷していきたい」とのことでした。
さらに、スタジオにいる菅さんに平野さんは、「菅さん、好きなフルーツはなんですか」と質問。菅さんも間髪入れず「みかんです」と答えるも「菅さん、もっと食べてください」とお願いされる一幕も。思わぬやりとりに前総理も笑顔で応じるしかありませんでした。
インバウンドとの相乗効果も期待
ベトナムでの反応をまだ目にしていないということで、今度はベトナムのハノイと中継を結び、ベトナム住みます芸人のダブルウィッシュがリポート。「有田みかんはイオンモールや高級食品スーパーなどで販売しており、酸味と甘みのバランスやタネがないところが人気のようです。ただ、1キロ2000円ほどと高価なため、購入層は富裕層がメイン」ということです。
スタジオから「ダブルウィッシュの2人も食べていますか」と問われるも、残念ながら高価でなかなか手が届かないとのこと。ただ、こうした農水産品をきっかけに日本に興味を持つ方も増えてきていることから、インバウンドとの相乗効果も期待されているようで、日本のお笑いを代表しているダブルウィッシュもこのブームにあやかりたいと、今後も有田みかんを応援すると宣言していました。
3つのテーマが今後も地方創生の基盤に
中継が終わり、3つのテーマを振り返った菅さんは、「ふるさと納税は1兆円、農水産物輸出も2兆円という目標が見え、インバウンドは今年、2000万人台にまで回復し、消費金額はコロナ前の４兆8000億円を超えるのではないかと期待されています。これからの地方創生にとって大事なものがようやく成果として見えはじめてきた」と、3つのテーマが今後も地方創生の基盤となることが語られました。
そして、ゲストの方にもそれぞれ印象を聞いてみると、三浦さんは、「日本には地下資源はないけど、安心、安全で世界一の食材を輸出する国になれますね」と、農水産品輸出のこれからを楽しみにされ、ヒデは、「菅さんが省庁の方と起こした風が、こんなにも大きな風になったのか」と舞台裏に思いを馳せました。そして、「地方から元気になっていくことを感じた」という井上さんは、「菅さんが中継画面をキラキラした目で食い入るように見ていた姿が素敵です」と付け加えていました。
いよいよ番組も最後になり、小倉さんから今後、やりたいことを訊ねられた菅さんは、「地方をさらに盛り上げるには、ふるさと納税の時に、デジタルが効果を出したように、ひとつではなくいくつかの問題を包括して解決していくことが大事なのではないかと思います」と、新たな突破力を笑顔で語り収録を終えました。
番組概要
「ワシんとこ・ポスト」特番 地方創生 菅前総理に聞きたいSP
放送チャンネル：BSよしもと（BS265ch）
放送日時：6月25日（日）18:00-19:00放送 ※放送終了（アーカイブでご覧いただけます。）
SPゲスト：衆議院議員 菅義偉
司会：小倉淳 ／ コメンテーター：三浦博史（選挙プランナー）、井上咲楽、ヒデ（ペナルティ）
中継：嫁恐竜（宮崎県住みます芸人）、オジョー（北海道住みます芸人）、わんだーらんど（和歌山県住みます芸人）、 ダブルウィッシュ（ベトナム住みます芸人）
視聴放送：
【TV】 BS265ch（無料放送）
【スマホ・PC】BSよしもとホームページ（無料配信）
