笑福亭仁鶴「追善落語会」に弟子たちが勢ぞろい! 落語だけでなく懐かしの大喜利コーナーも

2021年に亡くなった笑福亭仁鶴の命日である8月17日(土)、大阪の天満天神繁昌亭で「追善落語会」が開催されました。この日は、一番弟子の笑福亭仁智を筆頭に、弟子たちが勢ぞろい。落語だけでなく大喜利コーナーでも盛り上がり、明るく温かく仁鶴を偲びました。

出典: FANY マガジン
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弟子たちが仁鶴との思い出を披露

開演前、繁昌亭の客席には仁鶴の落語の音声が流されました。ネタは「初天神」。仁鶴によって命を吹き込まれた登場人物だけでなく、仁鶴本人の絶妙な表情も目に浮かぶようで、じっと聞き入る観客の姿がありました。

冒頭、仁鶴一門による挨拶があり、仁智や笑福亭仁昇らがずらりと並びます。「初天神」にも触れ、音源は1971年(昭和46年)に大阪のうめだ花月で録音したレコードとのこと。仁智はこの収録のときに「横についていました」と語り、当時の様子を臨場感たっぷりに振り返りました。

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落語は仁鶴の孫弟子の笑福亭大智の「寄合酒」からスタート。マクラでは仁鶴のモノマネをしながら、ありし日のエピソードを披露しつつ、持ち前のパワフルな明るさで口演しました。

次も孫弟子である笑福亭扇平が「読書の時間」を披露。作者である六代 桂文枝の「およよ」や「ええで」といったギャグも取り入れて、会場を沸かせます。

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仁鶴の五番弟子である笑福亭仁嬌は「うちの師匠は江戸の噺もしていましたので……」と、「風呂屋番」を。風呂屋の番台で妄想が暴走する若旦那を愛嬌たっぷりに描き、しっかりと聞かせました。

続いて高座に上がったのは二番弟子の笑福亭仁福です。そして「ズボラな親子がおりまして…」と始めた噺は「いらちの愛宕詣り」。最後の場面になると「どう終わろうか……」と苦笑いし、その場でサゲを考えるというアドリブで笑いを取りました。

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仁鶴の面影が感じられた落語会

中入り後は、仁智、仁福、仁嬌、仁昇、笑福亭智之介が、演芸番組の人気コーナーだった「仁鶴のとんち教室」をなぞった大喜利に挑戦しました。観客からお題を募る「あいうえお作文」では、「ワ行」や「ザ行」といった難易度の高いリクエストが連発。司会の仁智が「まともな客はおらんのか!」と嘆く(?)一幕もあり、会場が一体となって盛り上がりました。

「かぞえ歌」のコーナーでは「相撲部屋に入門して横綱になるまで」を、リレー形式で1から10まで順を追って歌っていくものの、みんながボケ倒します。そのたびに仁智の鋭いツッコミが響き、力士の出世物語はなかなか進みません。

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大喜利のざわめきがおさまらないなか、次は仁昇が高座に上がり、仁鶴が地方営業に行った思い出を話します。そして、なかなか大阪弁が通じなかったと振り返りながら、「手水回し」を披露。随所に落語初心者にもわかりやすい丁寧な解説を挟みながら、噺の世界へと引き込みました。

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最後は仁智が自身の新作落語「めざせ甲子園」を口演。冒頭では高校野球の行進曲「栄冠は君に輝く」を熱唱します。会場からは手拍子が自然発生し、サビでは合唱に。そのまま2番へとなだれ込み、「誰か止めてくれ~!」と悲鳴を上げた仁智は、「甲子園は郷土愛も魅力の一つです」と本題へ。とある高校の弱小野球部のメンバー紹介ではギャグを連発、クセの強い顔ぶれに笑いが絶えません。仁智の野球愛もたっぷり詰まったネタで賑やかに締めました。

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中入りや終演後には『どんなんかなァ』や『おばちゃんのブルース』をはじめとする仁鶴のヒットソングがBGMとして会場に流れ、いたるところで仁鶴の面影を感じられる、温かい追善落語会となりました。