コント日本一を決める『キングオブコント2021』(TBS系)が、10月2日(土)に放送されます。ルール変更によって即席ユニットの参加が解禁されるなど、予選から話題たっぷりだった今年の大会で、決勝の舞台に立つのは10組。今回は、初の決勝進出となったそいつどいつ(市川刺身、松本竹馬)の決勝直前インタビューをお届けします。
決勝メンバーは、うるとらブギーズ、蛙亭、空気階段、ザ・マミィ、ジェラードン、そいつどいつ、男性ブランコ、ニッポンの社長、ニューヨーク、マヂカルラブリーの10組。
昨年に引き続いてコロナ禍での予選となった今回のキングオブコントは、14回目にして即席ユニットが解禁され、人気芸人同士がタッグを組んだ“目玉コンビ”が参戦するなど、激動の大会となりました。栄冠を勝ち取るのはいったい誰なのか――ファイナリストたちの熱い思いを連続インタビューでお伝えします。
ようやく一人前になれた気がする
――初の決勝進出です。いまの気持ちを聞かせてください。
松本 夢のようで人生のなかで、いちばん嬉しい瞬間です。『キングオブコント』ファイナリストの肩書きがほしくてコントをやっていたので、ようやく一人前になれた気がします。発表を聞いたときは自然に涙が……。嬉し涙なんて、いままで流したことがなかったんですけど、オレも人間なんだなって思いました。
市川 めっちゃ嬉しいですね。コンビ組んだのが芸歴3年目のとき。劇場のピラミッドのいちばん下で、ライブも月に1本だったので、無料でお客さんを呼ぶライブに出ていたんですよ。
松本 チラシ配って呼びこむけど、(通りすがりの人に)鼻で笑われてな。
市川 そう考えると、いまは吉本の劇場に出られて恵まれた環境だけど、あそこから頑張れたなって。あきらめないでよかった。
――そんな時代もあって、今回ファイナリストになったと。
松本 結果が出なくて仲悪くなったりもしましたけど、決勝決まったら抱き合いましたもん(笑)。
市川 ケンカもしたけど、サジ投げないで向き合ってやってきたのが、よかったなって。
松本 お互い根にもつタイプなので、ケンカしたら「お前、4年前のアレさ……」とか言い出すから、6時間くらいケンカが終わらないんですよ。そうやって数年前の問題も話し合って、解決してこれたから、わだかまりもなくなってね。
市川 離れようと思えば離れられたところを2人で頑張れました。一昨年、『キングオブコント』準決勝とか『ABCお笑いグランプリ』決勝とかポンといったけど、去年がしんどかったから……。
――昨年は準々決勝敗退。今年と違った点はどんなところだと思いますか?
松本 昨年の『キングオブコント』は勝てるネタをしようと思って、自分たちが面白いと思うものじゃなくて、ただボケを詰め込んだネタを作ったんですよ。準々決勝はウケたんですけど、審査員さんには刺さらずに落ちちゃって……。あとで台本見返したら、コントなのに、NON STYLEさん(の漫才)くらいボケていましたね(笑)。相方もしんどそうな感じは出していたんですけど、あとで話し合ったら「今年のネタはよくなかった」って言われて。それはそれで腹立ったんですけど。
市川 それから1年くらいはキレてましたね(笑)。
松本 今年はそういうのをやめて、自分たちが面白いと思うことをやろうと思ってネタを作りました。相方に台本を渡したら笑ってくれましたし、『キングオブコント』始まる前にも「今年のネタ面白いと思うか? やっていて楽しいか?」って聞いたら「面白い、楽しい」って言ってくれたんで、これでいこうと。だから、去年とはメチャクチャ変わったと思います。
市川 やっていて楽しかったです。
松本 相方からも、新しいボケ方とかアドリブを入れてきたり、「ここはこうしたら?」ってどんどん提案もあって。2人のグルーブ感というか、乗れてできた気はします。
ニューヨーク嶋佐からもらったTシャツ
――ファイナリストには、東京・ヨシモト∞ホール所属芸人や、刺身さんも住んでいる高円寺芸人なども多くいます。楽しみな部分は?
松本 (ほとんどのメンバーが∞ホール在籍中、または卒業メンバーのため、過去に)ザ・マミィ以外のファイナリストが出ているライブあったよな?(笑) それくらい内輪なので、リラックスして本番に臨めそうというのが半分、リラックスしすぎてみんなヘラヘラして終わるんじゃないかっていうのが半分です(笑)。
市川 むかし、ほかの高円寺芸人の空気階段・(鈴木)もぐらさん、ニューヨーク・嶋佐(和也)さん、マヂカルブラブリーの村上さん、あと鬼越トマホークの坂井(良多)さんとかと「みんなで(決勝)いけたらいいな」って話をしていたので、それが現実になって嬉しいです。
昨年、空気階段とニューヨークさんが決勝に行かれたんですけど、みんなで祝福していたら、嶋佐さんが「来年は絶対いける!」って言ってくれたんですよ。そのとき「おしょうゆ」って書かれたTシャツを買ってくれたんですけど、それを決勝進出が決まった日、私服で着ていて。その姿で嶋佐さんに会えたのが嬉しかったです。熱くなりました。
――最後に意気込みをお願いします。
松本 ようやくここまできました。でも、もう1個夢見させてください。優勝です。ありがとうございます!
市川 ……絶対に優勝して、劇場をお客さんいっぱいにします!
【プロフィール】
NSC東京18期。ヨシモト∞ホールの看板芸人「ムゲンダイレギュラー」(20組)でもある。刺身は銭湯めぐりが趣味で、2020年にサウナ・スパ健康アドバイザーを取得。松本はボクシング、武術拳法、夢占いと幅広い趣味を持っている。公式YouTube「そいつどいつチャンネル」ではコントなども配信している。
公式YouTube「そいつどいつチャンネル」はこちらから。