「世界で一番笑える一週間!」をテーマにした国内最大級のコメディフェスティバル『OSAKA COMEDY FESTIVAL 2025』が9月15日(月・祝)~9月21日(日)までの1週間、大阪・キタエリアにあるSkyシアターMBS、HEP HALL、阪急サン広場の3会場で、さまざまなイベントが実施されています。

9月20日(土)、HEP HALLで行われたのは「OSAKA COMEDY FESTIVAL New Star Audition」。このイベントは、“~世界基準の才能を大阪から~”をテーマに、国内外で活躍するプロデューサーを招聘し、コメディアンやパフォーマーが直接パフォーマンスを披露する機会を創出するというもの。実力と将来性を兼ね備えた次世代のスターを発掘し、ここから世界に飛び立つきっかけになるかもしれないイベントです。
3分で世界に向けて自分のパフォーマンスをアピール
司会を務めるのはコウノ・オブ・ザ・イヤーとチャド・マレーンです。 この日集まったパフォーマーは総勢20名。オーディションは、出場者をAからDまで、4ブロックに分けて進行。各ブロック5名のパフォーマーが登場します。パフォーマンスは1人につき3分間。その中でどれだけ自分の魅力を世界にアピールできるかが勝負になります。
彼らを審査するのは、「GOT TALENT」の制作会社でもあるFremantleグローバル・エンターテインメント制作統括責任者のChris O’Dell(クリス・オデル)氏、そして「シルク・ドゥ・ソレイユ」のキャスティング統括責任者のCharlie Burrows(チャーリー・ブローズ)氏という世界的プロデューサー。そして2013年に『アメリカズ・ゴット・タレント シーズン8』でアジア人初優勝を果たしたパフォーマー・演出家・振付家の“EBIKEN”こと蛯名健一氏、「ラート」のパフォーマーとして知られ、世界初のオンラインサーカスも主催するなどプロデューサーとしても活躍している吉川泰昭氏の4人です。

オーディションが始まる直前、なんとスペシャルゲストとして、現在開催中の大阪・関西万博の公式キャラクター・ミャクミャクが会場に駆けつけてくれました! 大人気キャラクターだけに、「間近でミャクミャクと出会えるなんてめったにないよ!」とコウノ。そのチャーミングさに、審査員の方々も思わず写真を撮影していました。
けん玉にバトントワリング、英語漫才などバリエ豊富なパフォーマンス
まずはAブロックから。トップバッターはけん玉パフォーマーたいがです。BGMに合わせて次々とスゴ技を披露していきます。続いては、うえのやま保育。英語と日本語を織り交ぜたフリップ芸にプロデューサーたちは興味津々。Koetsuのパフォーマンスはバトントワリング。美しくバトンを回転させながらしなやかに踊り、終盤につれて激しさを増す華麗な舞いに観客はうっとり。





続いてはトップシークレット(まさじ、とも)。ともが打ったゴルフボールを、やすじが額に付けた的に当てると、お客さん全員が声を揃えて「いいですね~!」と成功を称えます。他にもバックショットで的を狙うなど工夫を凝らしていました。Aブロックの最後は清川雄司。唯一無二のハーモニカイリュージョンです。口の中にすっぽり入れたハーモニカを吹きながらコサックダンス。続いてフラフープを腰で回しながらハーモニカを吹いて切り絵と、まさにふたつとないパフォーマンスで会場を沸かせました。
蛯名氏は、清川雄司を「スキルもあるんだということも分かって、これは(「GOT TALENT」に)いけるんじゃないかなと思いました」と太鼓判。吉川氏はうえのやま保育を「ラスベガスで夜中のショーをやっているんですけど、そこに出演してもらいたい」と好感触。ブローズ氏は、清川雄司のパフォーマンスに「こんなの見たことない、クレイジー!」と驚いていました。





続いてはBブロックです。ビーンズ(おいちょ、ひらがだぬき)は英語漫才を披露。SNSで大人気のシャルロットも登場。お腹を使って缶を潰すなどチャレンジを重ねていき、成功するとハイテンションにダンスして盛り上げます。おれとオカンは日本のオカンと息子のやりとりを、マジックも織り交ぜたコントで見せました。カスタネットアクターのなべりんは、「Livin’ la Vida Loca」の曲に合わせて、全身に付けた32個のカスタネットを踊りながら器用に打ち鳴らしました。MASAKAZUは、スゴ技のヨーヨーと軟体を活かしたアクロバットで観客を魅了。
講評で蛯名氏はシャルロットの名前を挙げ、お腹でいろんなことができそうだと期待を寄せます。「ヨーヨー(MASAKAZU)が気になった」と話したのはブローズ氏。パフォーマンスがさらによくなるよう、アドバイスを送っていました。
「思いついたパフォーマンスをやり続けてスキルを上げることが大事」
いよいよ後半戦。Cブロックは、福神よしきの南京玉すだれからスタート。「ジャパニーズバンブーパフォーマンス」とリズムを付けながら「東京タワー」など技を繰り出していきます。世界のこーぞーは、「ベリーデンジャラスパフォーマンス!」と観客に注意を促し、エクササイズボールの上でブーメランを投げたり、サンバを踊ったりと会場のテンションを上げていきます。





ペントコハウスは、二人羽織で歌やダンスを披露。大阪・関西万博の、よしもとwaraii myraii館のコメディショーにも出演しているサムライボーイズのパフォーマンスは殺陣です。大迫力の立ち回りで魅せたと思いきやギャグ要素もたっぷり。Cブロックの最後はFreestylerNARI。バスケットボールを使ってテンポよく電子ドラムを鳴らしたり、ボールをギターの先端で回しながらかき鳴らすというオリジナルパフォーマンスで盛り上げました。
審査員の講評では、パフォーマーたちに練習時間を尋ねた吉川氏。福神よしきは「毎日30分は必ず」、世界のこーぞーは「1日中エクササイズボールに座っていたこともあります」と回答。吉川氏は「ひらめいたパフォーマンスをやり続けて、スキルを上げていくのが大事ですね」とパフォーマー全員に金言を送りました。





いよいよラストのDブロックです。雅屋 YEMONは、連獅子の格好でQueenの名曲に合わせてパフォーマンス。途中、頭を振り回す豪快な所作も魅せました。TAKU-DREAMERSは英語でコントを披露。バトントワリングパフォーマーの安東利香は、キュートな装いで始まったと思いきや、突然妖艶なシースルードレスに早着替えして切れ味抜群のパフォーマンスを展開。美しくも激しいダンスで観客を惹きつけます。かばんの中に入って技を繰り出すかばん芸で笑いを誘ったのはビコーン!(樋口秀吉、前田志良)。ラストの縄跳びでは大きな拍手が起こりました。最後は歌舞伎マジシャン京次郎です。華麗な動きで、扇子や番傘を次々と出す驚きの演出で観客を驚かせていました。

すべてのパフォーマンスが終わり、吉川氏は「素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。それぞれ世界に向けて出ていきたいという気持ちがあって、考えて作ったパフォーマンスだと思います。もっとブラッシュアップして世界に向かってほしいと思いました」と期待を込めました。オデル氏は「素晴らしかった。日本のこうしたイベントに出てくる人はみんなバラエティーに飛んでいて、ユニークだった」と手応えを感じたようでした。
『OSAKA COMEDY FESTIVAL 2025』公式サイト:https://osaka-fringe.com/