吉本新喜劇の間寛平GM(ゼネラルマネージャー)がプロデュースする公演『吉本新喜劇出前ツアー2025』が日本を飛び出し、10月18日(土)に台湾で開催されました。会場となった台北市内のショッピングモール・三創生活園区のCLAPPER STUDIOは大盛況。当日の公演の様子を、新喜劇座員で芸人ライターとしても活動する吉岡友見がレポートします。

台湾公演用のオリジナル新喜劇
今回の台湾公演には新喜劇だけでなく、スペシャルなメンバーも参加しました。まず登場したのは、中国語で漫才をするコンビ・漫才少爺(太田拓郎、三木奮)です。“アジア住みます芸人”である2人が流暢な掛け合いで現地の観客を沸かせました。
続いては台湾の漫才コンビ・達康.come(阿達、康康)が登場。言語や文化の要素を盛り込んだネタで大人から子どもまで幅広い層に人気のコンビが、会場を盛り上げます。
そして、いまや国際的パフォーマーとして活躍するウエスPと、とにかく明るい安村が続けて登場。ウエスPの進化型テーブルクロス引きの技が成功するたびに観客の大歓声が響きわたり、安村の“全裸ポーズ”が決まると大爆笑が起きます。「安心してください、はいてますよ」の決め台詞もバッチリ中国語で決めていました。
そして会場が十二分にあたたまったところで、お馴染みのテーマ曲が流れて吉本新喜劇がスタート。タイトルは『寛平爺さん、台湾で大暴れ!?』です。
台湾でラーメンの屋台を営む寛平の息子・徹郎(新名徹郎)は、婚約者(小林ゆう)の父親(西川忠志)から「店を辞めて自分の会社で働けば結婚を許す」と言われます。
さらに徹郎は、借金のカタに土地を売れと迫られピンチに直面。そこにたまたまロケに来ていたテレビの人気番組の取材を受けることになり、起死回生を狙いますが……徹郎の運命やいかに!? という台湾公演用のオリジナルストーリーです。
“アドリブ暴走”で字幕が出ない!?

今回の舞台は日本語で演じられ、バックに字幕が表示される海外仕様。そんな“いつもと違う新喜劇”でも、座長である寛平GMや島田珠代が登場すると客席から割れんばかりの拍手が起こり、「寛平さん!」「珠代さん!」といった声も聞こえます。
ボケ倒す2人のやり取りはアドリブが止まらず、字幕がまったく出ない時間も。物語をまわしている新名が「台本通りしてくれ!」とツッコんで客席を沸かせる一幕もありました。
また、中條健一によるお馴染みの「全身緑」ネタは台湾でも大ウケ。結婚を反対する父親と思いきや悪人という難しい役どころを見事に演じ切る西川の演技力など、ベテラン陣はさすがの技を見せつけます。
若手も負けていません。マドンナである小林の体を張ったボケや、オープニングをしっかりと盛り上げる筒井亜由貴、野崎塁の奇妙なストーカー、英語ネタやフレディ・マーキュリーのネタでしっかりと笑いを取るのぶよしと小西武蔵のコンビなど、しっかりと舞台を盛り上げます。
新喜劇の長所である「チームプレー」を遺憾なく発揮し、終始、爆笑で幕を閉じました。

カーテンコールでは出演者全員が舞台に集結し、寛平GMの「どうでしたか?」の問いかけに大きな拍手が起こります。出演者一人ひとりが台湾の皆さんに感謝の言葉を伝え、寛平GMが「また来年も来たいです。今後も吉本新喜劇、そして吉本興業の芸人をよろしくお願いします!」と挨拶して、台湾公演を締めくくりました。
『新喜劇出前ツアー2025』は来年3月まで続きます。あなたの町にお邪魔するかも。そのときはぜひ、遊びに来てくださいね!
『新喜劇出前ツアー2025』の公式サイト:https://shinkigeki.yoshimoto.co.jp/news/detail/341




