深夜の空港を貸し切って演劇生配信…ジャルジャル&乃木坂46清宮レイが語る『夢路空港』の“斬新さ”

お笑いコンビ・ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)とストーリーレーベル「ノーミーツ」がタッグを組んだ新たな演劇、『夢路空港』が4月16日(土)の深夜24時に生配信されます。舞台となるのは、石川県の小松空港。日本航空(JAL)の特別協力で貸し切った深夜の空港から演劇を生配信するという前代未聞の試みです。今回は、上演を目前に控えた稽古場を直撃! ジャルジャルと共演の乃木坂46・清宮レイに見どころなどを語ってもらいました。

出典: FANY マガジン
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この作品は、地方の空港で自分の荷物が出てくるのを待っている男と、その場に偶然居合わせた人たちとの何気ない会話を切り取ったもの。「夢」をきっかけに人生が交差するヒューマンコメディです。キャストにはジャルジャル、清宮のほか、ヒロイン役に元AKB48の前田敦子、さらに2.5次元俳優として活躍する荒牧慶彦ら豪華メンバーが揃いました。

「コントではなく演劇です」

――本番を目前に控えた心境を聞かせてください。

清宮 小松空港へはまだ行ったことがないので、実際に行って場当たり(稽古)とかしてみたら大きく変わってくることもあるのかなと思いつつ、夜の空港の雰囲気ってどういう感じなんだろうと想像しながらワクワクしているところです。

後藤 空港を貸し切って定点カメラで生配信するという“外側”がすでにしっかりとできあがってるので、大成功間違いなし! と思いながら稽古してますね。

福徳 観る人の混乱を避けるために言っておきたいのは、これは「演劇」だということ。ジャルジャルが出るので「コント」やと勘違いされそうですけど、「演劇」やということを強く言っておきたいですね。

清宮 私も最初はコントなのかなって思ってたんです。けど、演劇とあって台本もめちゃくちゃ分厚くて。

後藤 めっちゃ分厚いですよね。セリフも多いですし。

清宮 でも、おふたりはコントをやられているからか、演技がめちゃくちゃ自然で。稽古を観ながら、いつも“うすごい!”って思ってます。

後藤 いやいや(笑)。僕たちはセリフが覚えられなくて。清宮さんと(一緒のシーン)では綱渡り状態になってますよ。

出典: FANY マガジン
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清宮 たまに“助けて!”っていう目をするとき、ありますよね?(笑)

後藤 ほんまにそうです。細かいところは、清宮さんにお任せしてます。

福徳 僕もセリフが入らなくて。2回目の稽古やったか、本読み翌日の稽古やったか、忘れたんですけど、清宮さんがだいぶ早い段階で台本を手放してたんですよ。それ見て、“やっべっ!”と思いました。

――ジャルジャルのおふたりは、これまで本格的な演劇の経験は?

福徳 2回目です。前回は『大阪会議』(2008年上演)っていうやつで。

後藤 福田転球さんの舞台で、15年くらい前のことですね。あのときは天竺鼠も一緒に出ていたりとお笑いの要素が強かったんですけど、今回はより演劇で。

福徳 お笑い要素はほとんどないですね。清宮さん、演劇は?

清宮 (昨夏の)大人計画さんの舞台に出る前にグループ(乃木坂46)でのお芝居をやったことがあるので、今回が3回目っていう感じです。だから慣れてないですし、お芝居の経験も少ないので、共演者のみなさんに頼りながら、演出の岩崎(裕介)さんにいろいろと相談しながら役を作っています。

演出家にダメ出しされて…

――それぞれの役柄や、演じる際のポイントについて教えてください。

清宮 航空整備士の足立という役は、人と話すのはちょっと苦手だけど芯のある人です。私自身、初めてとなる社会人の役ですし、実年齢よりちょっと上なのでやっぱり難しいですね。JALの航空整備士を以前やっていらした方にお話を聞いたり、ビジュアル撮影の際には整備服も借りたりして、まずは外側から役づくりを始めました。

後藤 僕は謎のパイロット・川端。実年齢はそこまで変わらないイメージでやってるんですけど、謎に包まれてる雰囲気を出すためにちょっとだけ猫背にしてます。大した意味はないですし、どういう効果を生むのかはわからないですけど。

清宮 それ、気づきましたよ。ディテールが細かいなと思いました。

福徳 (笑)。僕は毛利という謎も何もない、ただの商社マン。芸人をやってなかったら商社マンになっていたかもしれないということで、実際に就職して働いています。

後藤 役作りでそうしてるってこと?

福徳 いや、実際に就職しました。

出典: FANY マガジン
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――そういう気持ちでこの稽古期間を過ごしている、ということですね(笑)。ジャルジャルではいつも2人でコントをしていますが、ほかのジャンルの人たちと一緒に芝居に取り組んでみて、どうですか?

後藤 まったく別物という感覚で、刺激的ではありますね。

福徳 演出家の方にダメ出しされたりもして、こういう世界があるんだなって感じてます。まだまだ表現しきれない部分が多くて……。ちょっと参ってますねぇ。

清宮 それって、立ちお芝居の難しさみたいなことですか?

福徳 演出の方から「ここはもっと(間を)タメてください」って言われるんですけど、本番でやりますやん!って。言われてからもう1回(そのシーンを)やったんですけど、2回目もタメませんでした。本番では、もちろんちゃんとやるので。それに、めっちゃタメてみようと思ってるんですよ。

清宮 ってことは、本番ではだいぶ(演技が)変わるということですか? どこのことなんだろう?

福徳 後藤と2人で喋るところなんですけどね。ただ、チキンなのでやらないかもしれないです。

――芸人のアドリブに、ほかの共演者は不安になるかもしれないですもんね。

福徳 そうなんですよね。だから、どうしようかなって思ってます。

後藤 たしかに、僕も稽古では緩めにやっているところはあるというか。福徳と2人のシーンとかは本番に取っておいてるものもあるので、どうなるんか楽しみですけどね。

清宮 怖い! おふたりとの本番の掛け合いが、稽古と違う感じだったらどうしよう。

福徳 一緒のところはちゃんとせなあかんところですから。アドリブとか入れたらダメなところのはずなので大丈夫です。

後藤 僕とのところも、稽古で固まりつつあるので。

清宮 たしかにそうでした。外のテラスでのシーンもあるので、天候によって変わってくるところはあるかもしれないですけど、楽しみですね。

「観ると前向きになれる作品」

――ジャルジャルのおふたりはコロナ禍のなか、旅館やビル1棟を貸し切ってコント生配信をするという取り組みもしていましたが、そのときと比べて今回はどうですか?

後藤 僕らにはカメラを何台も置いてスイッチングする技術はないので、いつも1台のカメラで撮ってたんです。今回は15台という贅沢さがありますし、僕らがやってたものとはぜんぜん違いますね。あと、コントと演劇っていうぜんぜん違う点もありますし……。ここはウケるぞ!とかがないぶん、観た方がどう感じるんやろうと思ったりして。

福徳 演劇ですからね。コントやったら、みなさんを笑かすよって思うことがモチベーションになるんでしょうけど、どういう気持ちでいいかっていうのはまだ掴めてないところはあります。

後藤 ただ、まぁ空港を貸し切った状態で、定点カメラで撮影されるっていう状況を実際に体験したら、アドレナリンも出てくるんかなと。これから現地に入って、リハーサルをやれば気持ちも変わってくるのかなと思ってます。

福徳 たしかに、一気に掴める気はしますね。

――清宮さんは、どんな気持ちでこの舞台に臨んでいますか?

清宮 私は経験が浅いので、ただただお芝居を頑張るぞっていう気持ちですね。ただ、ドラマや映画のようにカメラが寄ることがないので、表情がそこまではっきり見えるわけじゃないんだろうなと思うと、お芝居によりナチュラルさが求められるのかなって思っています。それに、夜の空港っていうシチュエーションは忍び込んでるような感覚もありそうで、めちゃくちゃ楽しみなんですよ。

――ジャルジャルのおふたりは、今回のステージとなる小松空港へ実際に行ったそうですね。

後藤 ここで演劇をやるんやという目線で見たんですけど、ちょうどいいサイズというか。大きすぎるとか小さすぎるとかのない、バッチリな空港でした。

福徳 小さめのコストコくらいですね。

清宮 おぉ! なんだかわかりやすいです。

福徳 1階、2階、屋上にテラスっていうシンプルな作りなので、どこに何があるかは全部覚えました。

出典: FANY マガジン
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――まだ観るかどうか迷っている人に向けて、最後に見どころを教えてください。

清宮 ジャルジャルさんのお芝居を観られる機会ってそんなにないですし、コントではないですけれど、おふたりの空気感がものすごくある作品なので、ジャルジャルさんがお好きな方にはぜひ観ていただきたいなと。ストーリーもメッセージ性があったりして、台本を読んだとき、「あぁ、いいなぁ」と思えたので、生配信を観てちょっと前向きになってもらえたら嬉しいですね。

後藤 とにかくカメラアングルが斬新です。生配信で寄りもない映像はあまり観たことがないので、観ると「おっ!」と思ってもらえるはずです。

福徳 (台本に)マイルドヤンキーって書いてある4人組の方々がいるんですよ。みなさん、(現場で)すごく待たされながらもすごく熱心で。ほかの人の稽古もしっかり観て、すごく稽古してて……どこがマイルドヤンキーやねん、と。

――登場したら、「あぁ、この人たちだな」とわかりますか?

後藤 ヤンキーが出てくると思って観てたら、わからないかもしれないですね。

清宮 ふつうの学生っぽいビジュアルですもんね。

福徳 そう。見た目はふつうの兄ちゃんです。けど、この作品の見どころはマイルドヤンキーやと思うので、彼らの努力に注目して観ていただきたいですね。

公演概要

『夢路空港』(ゆめじくうこう)

⽣配信⽇程:4⽉16⽇(土)深夜24時開演
※アーカイブ配信は5⽉1⽇(日)23:59まで
キャスト:ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)、前⽥敦⼦、荒牧慶彦、清宮レイ(乃⽊坂46)、坂⼝涼太郎、平⽥敦⼦
脚本・演出:岩崎裕介(ノーミーツ)
特別協⼒:⽇本航空株式会社
チケット:配信4,200円(スペシャル特典付きは4,800円)

FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。
公式サイトはこちらから。

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