『ドキュメンタル』新章出演のチョコプラ松尾「IKKOさんで出るほうが気持ちがラク」

Amazon Prime Videoの人気シリーズ『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』。プロデューサーのダウンタウン・松本人志に選ばれた10人の精鋭メンバーたちが、芸人としてのプライドを賭けた「本気の勝負」を繰り広げます。8月21日(金)に配信が始まった「シーズン8」では、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿が参戦。ヒリヒリとした現場の空気感や最高に面白かった“ネタ”などについて振り返ってもらいました。

©2020 YD Creation
出典: FANY マガジン

番組のルールは単純明快。芸人たちは、自ら参加費100万円を手にして挑み、6時間の制限時間のうちに笑いを仕掛け合い、最後まで笑わなかった者が優勝賞金1000万円を手にすることができる――。閉鎖された空間で極限まで高まった緊張感のなか、芸人たちの研ぎ澄まされた“笑い”の攻防が繰り広げられます。参加者たちは、どんな心理状況でこの「6時間」に挑んでいるのでしょうか。

後悔と反省しかなかった初参戦

――松尾さんは、昨年のクリスマスシーズンに配信予定だった前作の「お蔵入り回」が実質初参戦だったわけですが、昨年、初めて松本さんから参戦の「招待状を受けとったときの気持ちはどうでしたか?

(※このときのお蔵入り回は、9月4日(金)から『ドキュメンタリー・オブ・ドキュメンタル アマゾン怒りのお蔵入り! 幻のシーズン&誰が悪かったのか!? 緊急討論会』として配信中)

「来た!」というのと「しまった!」という気持ちの両方でしたね。最初は半々だったんですけど、日を増すごとに恐怖のほうが勝ってきました。

――これまで松尾さんはいろんな賞レースに出ていますが、その緊張感や恐怖とはまた違った感覚なんでしょうか?

たとえば、『キングオブコント』なんかはコンビで出るじゃないですか。しかも、コンビでずっとやってきたネタをやるだけなんで、緊張も始まる前の一瞬というか、始まってしまえば緊張はなくなるんです。でも、『ドキュメンタル』は6時間ずーっと緊張してなきゃいけないし、ひとりだし、ぜんぶ自分の責任じゃないですか。その緊張の長さと度合いはぜんぜん違いましたね。

――いざ実際に参戦した感想は?

緊張しすぎて、終わってからはもう倒れこむように楽屋に戻って……、ホントに動けないくらい疲れました。準備したものはほとんど何も使わないで終わったんで、「出し切った!」という気持ちは一切ないですし、「もっとできたんじゃないか」とか「もっと準備しておけばよかったな」とか……。「後悔」と「反省」しかなかったです。

――そんな前回の後悔や反省も踏まえたうえで『シーズン8』に臨んだと思いますが、今回、作戦はかなり練りましたか?

作戦も立てましたし、準備段階でいろいろしようと思うんですけど、作戦を立ててる途中でそれが面白いのかどうかがわかんなくなってくるんですよね。誰が来るかわからないんで、誰にも相談できないし。相方はスケジュールを見る限り、「たぶんないだろうな」ってわかったんですけど、相方に相談するのもなんか違う気がして。そうなると誰にも相談できないし、もう何が面白いかわかんなくなって……。

で、始まる数日前に「ヤバい、ヤバい、もっとちゃんと準備しなきゃ」と思うんですけど、結局、準備不足みたいな。基本、あんまり仕事していて満足するタイプじゃないんで、悔いしか残らないというか、そんな感じでしたね。

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「うわ〜、千原兄弟だ!」

――番組では、冒頭に1人ずつ順番に部屋に入っていって、そこで初めて参加メンバーを知ることになります。メンバーを知ったとき感じましたか?

まず、「うわ〜、千原兄弟だ!」って思いました。「千原兄弟さんだ!」じゃなくて「千原兄弟だ!」って(笑)。一瞬、ただのお笑いファンになりましたね。あとは、僕がいちばん(芸歴が)下だったので、「いちばん下かぁ」っていうのも思いました。

――『ドキュメンタル』では笑わせる相手が芸人ということで、ふだん楽屋でよくあるような芸人同士の笑わせ合いみたいなノリに近い部分があるんですが……。

いや、ぜんぜん違いました(笑)。出る前は、僕も「そんな感じなのかな」と思ってたんですけど。ふだん楽屋では、誰かが何かやっているのを見て笑っちゃうじゃないですか。でも、それを“笑っちゃいけない”という。その大前提からして違うので、始まってすぐ「あ、これ、ふだんとぜんぜん違うな」ということに気づきましたね。

――実際、スタート前のオープニング、全員で和気あいあいとした雰囲気でしたもんね。

はい。あそこまでは楽しかったです。でも、始まってからはもうまったく別物というか。最初、オープニングの余韻で笑っちゃいそうになったんですけど、「あれ? 違うな。これ、笑ったらおしまいだ」と。そこからはもうホントに、頭がおかしくなりそうでした。

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――松尾さんは最初からIKKOさんのモノマネで登場ましたが、その理由は?

なんか、最近は普通の格好で出るより、IKKOさんで出るほうが気持ち的にラクなんですよね、すごく。普通の格好で出るのが“気持ち悪い”というか。ホントの自分をIKKOさんに乗っ取られてるんじゃないかと思うくらい、IKKOさんの格好がラクになってきちゃってて……。なので、最初はいちばんラクな形で行こうと思って、IKKOさんになったという感じですね。

リスペクトされているかと思いきや…

――番組冒頭意気込みを語る場面で「同業者のリスペクトがほしい」とコメントていましたが、その真意は?

テレビの前の視聴者やライブに来てくれたお客さんを笑わせるのはもちろんなんですけど、「芸人から面白いと思われたい」というのがずっとあるんです。それがなくなったら、すごくつまんなくなっちゃうような気がして。『ドキュメンタル』は、僕個人の面白さを測るのにすごく適しているというか、「アイツ面白いな」がモロに出る番組じゃないですか。だから、ここで芸人に面白いと思われたい、という気持ちから出た発言ですね。

――ちなみに「オレのことをリスペクトしてくれてるな」と思う芸人と、「こいつちょっとオレのことナメてんじゃないか」と思う芸人、それぞれに思い当たる人はいますか?

え〜っ、誰だろう……(と、しばらく考えて)。いま両方、同じ人が出てきたんですけど……。面白いと思ってくれてるのかもしれないけど、その反面、こいつはもしかしたらオレのことをバカにしてんじゃないかなって思うのは、(霜降り明星の)粗品ですね。

――それはどういうことですか!?

今年、『ドリームマッチ』(4月11日に放送されたTBS系『史上空前!! 笑いの祭典ザ・ドリームマッチ2020』)で一緒になったときに、粗品が僕を選んでくれて、僕も選んで、相思相愛でコンビを組んでネタをやったんです。あとで聞いたら「松尾さんとやりたかった」と言ってくれてたんで、僕のことを面白いと思ってくれてるみたいなんですけど、なんかちょくちょく僕のことをバカにしたような発言をするんで、「ホントにオレのこと面白いと思ってんのか!?」と。オレのことを面白いと言ってワザと持ち上げといて……という粗品なりの遊びをしてんじゃないかっていう疑惑があって。

――「シーズン8」の冒頭では、松本さんが松尾さんのことを「どんどん面白くなっていて、期待してる」と評していました

実は僕、正直まだ怖くて(シーズン8を)観られていないので、直接聞いてはいないんですけど、松本さんが面白いって言ってくれてたっていうのも粗品が教えてくれたんですよ。「言ってくれてましたよ」って。でもあいつ、ちょっと(松本さんの)モノマネしながら教えてくれたんで、あいつ松本さんのことまでバカにしてんのかな、って(笑)。

でも、そう言ってもらえてものすごく嬉しかったです。やっぱり松本さんは、いまだにバリバリ面白い人というか、神様みたいな人なんで、その人に名前を呼んでもらえて、選んでもらえて、褒めてもらえたっていうのは本当に嬉しいんですけど、その期待に応えなきゃいけないっていうのが恐怖になっていくんですよね、すごく。

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「なんでもアリ」のネタ連発に仰天

――今回、いちばんのライバル、強敵だと感じた人は?

チャンス大城さんですね。予想できる笑いの方じゃないじゃないですか。なんかもう、意味がわからないことが多くて(笑)。「どう来るんだろう?」って予想して構えていたのに、それとはまるっきり別の角度からきたりするんで、それがもう耐えられなかったです。

――お気に入りのシーンがあれば教えてください。

チャンスさんが背中で音を出すシーンですね。あれとか、もうぜんぜん意味がわからないんですけど、僕はホントに面白くて(笑)。自分があれをできたとしても、たぶんあの場じゃやらないだろうなっていうモノを持ってきて、でもそれが面白かったりして。「なんでもアリなんだ」っていうことに気づかされたし、単純に面白かったんで……あれがやっぱ残ってますね。

――品川庄司庄司智春さんとの対決シーンは『ドキュメンタル』史上に残る名勝負でした。

あれはただ無防備で(芸を)打ちまくって誰かに当たればいいか、と思ってたんです。最初、あのくだりは30分やる気持ちで……。じゃないと成立しないというか、あんなの1分や2分やったところでどうにもならないんで、30分やって誰かがガマンできなくなるっていうぐらいの気持ちでいたんです。

でも、誰かがカウンターをしてくるなんて想定もしていなかったんで、庄司さんに来られたときは、「うわ! こういうこともあんのか」って面食らいましたね。なおかつ、庄司さんが僕と同じテンションで来たんで、やられました(笑)。

――今回、『ドキュメンタル』で松本さんと一緒になって、これまでと違う印象を持ったりしましたか?

いやもう、それはずっと変わらないですね。『ドキュメンタル』の収録前も後も、一切お話してないですし、「あれ、どうでしたか?」なんて僕のほうからは恐れ多くて聞けませんし。ホントに神様と下僕(笑)というか、そんな感じです。

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最後に「またオファーがあったら?」と聞いてみると、「やります!」と即答した松尾。その理由を「悔しかったし、悔しい仕事はたぶんその仕事でしか取り返せないと思うんで」と話し、リベンジを誓っていました。

番組概要

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シーズン8

(全5話)配信中

出演:松本人志(ダウンタウン)、千原せいじ(千原兄弟)、千原ジュニア(千原兄弟)、藤本敏史(FUJIWARA)、チャンス大城、ケンドーコバヤシ、くっきー!(野性爆弾)、河本準一(次長課長)、庄司智春(品川庄司)、藤田憲右(トータルテンボス)、松尾駿(チョコレートプラネット)

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタリー・オブ・ドキュメンタル』アマゾン怒りのお蔵入り!幻のシーズン&誰が悪かったのか!?緊急討論会

(全4話)配信中

出演:松本人志(ダウンタウン)、ジミー大西、ケンドーコバヤシ、くっきー!(野性爆弾)、河本準一(次長課長)、秋山竜次(ロバート)、久保田かずのぶ(とろサーモン)、松尾駿(チョコレートプラネット)、粗品(霜降り明星)、稲田直樹(アインシュタイン)、ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)

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