吉本興業の人気芸人たちが集結し、大阪と京都で2日間にわたって開かれたお笑いの祭典『よしもと大笑い祭り2020』。その内容は、漫才・コント・新喜劇から、人気番組との連動企画や人気芸人によるレアなライブ、今後が期待される若手芸人たちの特別公演など、見逃せないものばかり。10月3日(土)、4日(日)の2日間にわたって行われたこの大イベントの模様を、改めてご紹介します。
昨年に引き続き、2回目の開催となったこのイベントは、大阪の『なんばグランド花月』『よしもと漫才劇場』、京都の『よしもと祇園花月』の直営劇場と、『COOL JAPAN PARK OSAKA』(大阪市中央区)の3ホールを会場に繰り広げられた、まさに笑いの祭典。今回はオンライン配信(有料)も実施され、大いに盛り上がりました。
まずは漫才・コント・新喜劇の豪華寄席
【吉本大笑い祭り寄席】(初日・2日目、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール)
出演(初日):海原やすよ ともこ、COWCOW、ジャルジャル、和牛、見取り図、吉本新喜劇(川畑泰史座長、内場勝則、辻本茂雄ほか)
出演(2日目):中川家、チュートリアル、かまいたち、ダイアン、アインシュタイン、吉本新喜劇(川畑泰史座長、内場勝則、辻本茂雄ほか)
両日ともイベントは、「漫才」「コント」「吉本新喜劇」で構成される吉本ならではの豪華なお笑い寄席からスタートしました。
初日は、見取り図、和牛、ジャルジャル、COWCOWと実力派の漫才・コントが続き、最後は海原やすよ ともこのマシンガンのような漫才。新喜劇では、借金に苦しむ花月旅館の面々を銀行員が救おうとしますが……というストーリーで、レジェンドたちがてんやわんやの大騒ぎを繰り広げました。
2日目は、初日から入れ替わって、中川家、チュートリアル、かまいたち、ダイアン、アインシュタインが登場。吉本新喜劇は初日から引き続き、川畑泰史座長や内場勝則、辻本茂雄を中心にしたメンバーで会場の爆笑をさらっていました。
「賞レースより緊張感がある」ゲーム?
【大笑い祭リンピック2020】(2日目、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール)
出演:かまいたち、ミルクボーイ、おばたのお兄さん、トット、空気階段ほか
ここでは、各コンビのボケとツッコミがチームに分かれ、さまざまな「スポーツ×お笑い」企画で対決しました。もちろん、単なる“対決”では終わりません。参加するメンバーたちには、審査員のかまいたち(山内健司、濱家隆一)から容赦ないツッコミが。
最初の種目は「顔面ストラックアウト!」。5つの穴が空いたパネルから顔を出すメンバーを狙ってボールを投げるゲームです。
最初に、奇しくもこの日でコンビ解散となるヒガシ逢ウサカの2人が登場。先攻・後攻を決めるじゃんけんからボケ続ける2人に対し、冷静に“バツ”を出すかまいたち。「解散は妥当ですか?」と聞くヒガシ逢ウサカ・高見雄登に、「遅すぎるくらいです」とツッコむ濱家。会場も大ウケです。
さらにツッコミチームの攻撃で、ボールを投げたトット・多田智佑がボケなかったことに、山内がダメ出し。メンバーから「賞レースより緊張感がある」とブーイングが起こります。続くダブルヒガシ・東良介のボケには、濱家が「いままで見てきたなかで、いちばんダメ」、山内は「劇場でくすぶる若手の体型」と、再びダメ出しの嵐でした。
次の競技は「モノボケ走り幅跳び!」。2人1組で、1人が走り幅跳びの要領でジャンプ、その着地地点にある小道具を使って、もう1人がモノボケを披露するというルールです。
ここで、なぜかヒガシ逢ウサカ・今井将人が飛んで、着地したところで相方の高見が感謝の言葉を述べ、その出来を山内がコメントするというレアなコラボが行われる展開に。
果たして、ジャンプを見て、感謝コメントを聞いた山内は「解散は妥当です!」。会場は爆笑に包まれました。
【千原ジュニアの座王〜新星発掘!大笑い祭り編〜】(初日、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール)
出演:見取り図、笑い飯・西田幸治、やさしいズ、ドーナツ・ピーナツ、キャツミ、チェリー大作戦、白桃ピーチよぴぴほか
こちらは、人気番組『千原ジュニアの座王』(関西テレビ、毎週土曜25:45〜26:15)のスピンオフイベント。座王とは、ギャグやモノボケ、モノマネなどの即興ネタを競う“お笑い10種競技”で、今回は、芸歴10年以下のまだ座王に出演したことのない若手、出演したものの実力を出せなかったメンバーたちが競い合いました。
「大喜利」「モノボケ」「ギャグ」「歌ネタ」「1分間トーク」……激しい戦いの末、最後に「モノマネ」対決で勝利したのは、“機嫌のいい朝青龍”を繰り出したチェリー大作戦の宗安。審査員長の笑い飯・西田も「全員おもしろかった!」と大満足でした。
アキナ・秋山の「チャーハン林」愛が炸裂
【チャーハン林LIVE】(2日目、COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール)
出演:ギャロップ・林健、かまいたち・濱家隆一、アキナ・秋山賢太、タナからイケダ・池田周平、ヒガシ逢ウサカ・今井将人ほか
このコーナーは、ギャロップ・林のYouTubeチャンネル「チャーハン林」をライブで行おう、という企画です。個性的なメンバーたちに投げかけられたテーマは、誰がいちばん「チャーハン林」愛があるか。
まずは、「林のチャーハンを選ぶな!!」ゲーム。用意された9種類のチャーハンのなかから、林が作ったチャーハンを選んだら負け、というルールです。
メンバーは「ムズいな〜」と困惑顔。秋山が「林さん(のチャーハン)はチャーシュー、ネギ、卵が具材。これには卵しか入ってない」と言いながら選んでいると、「おまえ、めっちゃ(YouTubeチャンネル)見てくれてるやん!」と林は嬉しそう。濱家は、あえてコゲがついたままのチャーハンを選びますが、それが見事に林のチャーハンでした。
その後も、YouTubeチャンネルのなかから出題される「チャーハン林クイズ!!」のほか、「チャーハンあるある!!」「フライパンピンポンスマッシュ」といったゲームで大いに盛り上がったメンバーたち。最終的に優勝を決めた濱家は、「林と2人で炒飯を食べに行ける券」をゲットしました。
【モノマネし続けるライブ!!】(初日、COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール)
出演:プラス・マイナス、藤崎マーケットほか
プラス・マイナス(兼光タカシ、岩橋良昌)、藤崎マーケット(田崎佑一、トキ)の2組がコラボしたこのイベントには、守谷日和、ジソンシン、ダブルアートの真べぇ、二メートルズの江城豪、酎介のらぶおじさん、天才ピアニストのますみといったモノマネ自慢の芸人たちが集結。
最初のコーナー、「25分でモノマネ50個チャレンジ!!」では、プラス・マイナスと藤崎マーケットの4人が、“なんばグランド花月で乳首ドリルされた天龍源一郎”、“女子のグループが海に行ったら絶対撮る写真”、“死にかけのオール巨人師匠”など、最終的に61個のモノマネを繰り出します。
そこから「ブレイク必至! モノマネ芸人大集合」では、“上沼恵美子”、 “アメリカの映画に出てくる食いしん坊の天才ハッカー”、“悔しさを表現する堺雅人”などが登場。超若手芸人10人が参加した「モノマネフレッシュ芸人オーディション!!」のコーナーでは、“りゅうちぇる”から“ハリウッドザコシショウ”、“アインシュタイン・稲田”などハイレベルなモノマネが続きました。
連発するボケは、もはや意味不明!?
『天竺鼠川原♡ゆりやんレトリィバァの初コラボライブ ポップトークショー in 和牛川西』(2日目、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール)
出演:天竺鼠・川原克己、ゆりやんレトリィバァ、和牛・川西賢志郎
2日間のラストを飾ったのは、ノンストップでボケまくる天竺鼠・川原&ゆりやんの初コラボとなったこのイベントです。終始、カオスな展開が続きました。
まずは、ステージに和牛・川西が登場。そこに「間もなく始まるよ〜」と、川原とゆりやんの歌声が。そのひどい歌に「もうちょっと練習してこいよ!」「なに言うてんの!」と、思わずツッコむ川西。そのうち、テキトーなラップを始める2人。いつまでも終わらないこの状況に、川西も思わず笑ってしまいます。
ようやく「トークショー!」と歌声がそろうと舞台は暗転。照明がつくと、コント「ケータイショップ」がスタートします。それを見た川西は「……トークせえへんの?」と困惑気味。川西とゆりやんの2人は、プラン変更に来た客の相手をするケータイショップのスタッフのようですが、とにかくゆるゆるの流れに川西がツッコミつつ、コントは進行していきます。やりたい放題の2人と川西のツッコミに会場は大爆笑でした。
トークショーが始まらない……
と、すでにこの時点で30分以上が経過。川西が「まだ(タイトルの)ポップトークショー始まってへん」とツッコミますが、続いてコント「予知まる子ちゃん」がスタート。ゆりやん扮する“まる子ちゃん”と川原扮する“たまちゃん”が、「来年、布団がどこの家庭も薄くなる」「ここ2年で、この世からいなり寿司がなくなるよ」など、わけのわからない予知を連発します。
その後も、なぜかツートライブの漫才が始まったり、川原がぐだぐだとしゃべり続ける「10分間の換気タイム」が始まったり、川西の笑顔の写真を見ながら2人が「写真で一言」でボケ続けたり……。
ようやく、イベントの大トリを飾る「トーク」となりますが、川原と川西が、和牛・水田信二をネタに奇妙な掛け合いをしているうちに、次第に効果音でふざけ始めてタイムアップ。川西は「すごいな」とひと言。「また月イチでこの感じで」と言う川原の言葉に、会場は拍手となりました。
さて、2日間にわたって行われた『よしもと大笑い祭り2020』。関西の芸人はもとより、東京からも今後が期待される若手芸人が参加し、会場も配信も大いに盛り上がりました。