寛平GMのひと声でサンスポ記者が吉本新喜劇の作・演出に! 吉田裕も脱帽「新喜劇大好きな記者が大好きなシーンを詰め込んでる」

サンケイスポーツの芸能担当・渡辺洋次記者が作・演出として参加する『サンスポ×吉本新喜劇〜記者が新喜劇の台本を書いてみた〜』が、11月3日(日・祝)に大阪・吉本新喜劇セカンドシアター(YES THEATER)で開催されます。ファニマガでは、本番を間近に控えた渡辺記者×吉田裕座長の打ち合わせに潜入! 間寛平GMら豪華キャストがそろう公演の内容やこだわりポイント、制作のウラ話などをたっぷりと聞いてきました。

出典: FANY マガジン
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ほんまに新喜劇が好きなんやな

──吉本新喜劇とサンケイスポーツがコラボするのは今回が初とのこと。まずは、この企画が生まれたきっかけから教えてください。

渡辺 ずっと舞台の脚本に興味があったんですが、直接のきっかけは去年12月の『淀川寛平マラソン』です。そこで間寛平GMとお話してるときに、吉本新喜劇セカンドシアターの話になって。出演する座員さんだけでなく、作家さんも若手なのかなっていう疑問があったのでお聞きしていたら、やりたい感じがうずうず出てしまっていたのか、「1回、やってみるか?」と言っていただきました。

実は以前、新喜劇の作家オーディションに応募したこともあるんですが、そのときは書類で落ちまして(笑)。台本を1本書いて送るんですけど、いま思うと落ちて当然のものを書いてたと思います。

──吉田さんが座長を務めることが決まり、具体的な打ち合わせが始まったのは……。

吉田 6、7月ですかね。サンスポの記者さんなんで、夏はオリンピックがあって忙しかったり、いろんな仕事をされながらの作業だったので、間隔が空いた時期もありました。だから(台本の)第1稿を見たのは8月ごろですかね。

出典: FANY マガジン
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──最初に渡辺さんのアイデアを聞いたときや、第1稿を見たときの印象は?

吉田 ほんまに新喜劇が好きなんやなっていう(笑)。プロット(筋、構想)って短めの内容をもらうことが多いんですけど、渡辺さんの場合は起承転結の最後まで書いてある状態で、しかも何本も書いてはる。使える使えないは置いといたとしても、それぐらい考えてはるということは「どんだけ新喜劇が好きなんやろう」と。いつも間寛平GMの月例会見の取材に来られてますけど、たぶんほとんど話聞いてないんちゃうかなと思いました(笑)。作るほうばっかり考えて。

渡辺 いやいやいや(笑)。

吉田 それぐらい新喜劇愛を感じましたね。

吉田を驚かせた“いちばん珍しい視点”とは

──作家が本業ではない人と台本を作っていくうえで、吉田さんが心がけたことは?

吉田 渡辺さんが思う面白さは極力残していこうと思いました。そうじゃないとやる意味がないですし。渡辺さんが思ってる「新喜劇でこんなんが見たいんです!」っていう面白い部分は、通常の新喜劇だったら時間の都合もあるしカットしようかとか、ちょっと無理があるかなとかなるところでも、極力残しながら。

──「こういう視点があったのか!」みたいな発見もあったのでは?

吉田 今回の主人公は、「ゆたかな真也は一の介」(吉田、松浦真也、島田一の介によるユニット)なんですよね。あれが好きやっていう人、ほんまに珍しくて、それがいちばん珍しい視点でした(笑)。「そこ持ってきたか!」っていう。僕らはやりたいんですけど、ふだんの舞台ではあまりやる機会がないので、渡辺さんのおかげで3人の話をできるのはありがたいです。

あとは、たとえばみんなでわしゃわしゃ着替えたりとか、ドタバタ動きのあるボケが好きなんやなと思いました。ただ、ちょっと回数が多いんで減らしましたけど(笑)。

出典: FANY マガジン
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──ちなみに、「ゆたかな真也は一の介」をやるのは久しぶりなんでしょうか。

吉田 イベントとかでは、たまにやってるんですよ。

渡辺 でも、舞台で中心になるのは初めてじゃないですか?

吉田 それは初めてですね。

渡辺 そもそも、僕が新喜劇を好きになったきっかけが、「ゆたかな真也は一の介」なんですよ。だから新喜劇ファン歴は浅いんです。

──ええっ!? そうなんですか!

渡辺 僕、静岡県の浜松出身なんで。「ゆたかな真也は一の介」が2016年の『歌ネタ王決定戦』で決勝に出たころに好きになりました。ただ今回の出演は、言ってみたけど叶うとは思ってなくて。

吉田 僕は小さいころから長渕剛さんが好きやったんですけど、それって僕が長渕さんの作詞・作曲をするようなもんですよね。考えたら怖すぎて寝られへんわ(笑)。

──渡辺さんは、吉田座長が出演することがわかったとき、どんな心境でしたか?

渡辺 出てもらっていいのかなっていうか、「セカンドシアターに現役座長が?」っていうところがまずありましたね。あと、それまで持っていたプロットではボケのほうばっかり考えていたんですが、吉田さんはツッコミなので新鮮でした。

出典: FANY マガジン
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物語の舞台がサンスポではない理由

──渡辺さんから見た吉田座長の魅力を教えてください。

渡辺 ツッコミはボケがいないと成り立たないので、座長のワントップじゃなくツートップ、スリートップでまわりを生かしながら、というのがいちばんの魅力。今回も、一の介師匠、松浦さんとのスリートップでやっていただけたら。

吉田 渡辺さんは新喜劇よりサッカーのほうが好きすぎて、たとえが全部サッカーなんですよ(笑)。

──これまでは取材する側、される側の関係でしたが、仕事のパートナーとして組んでみて、お互いの印象は変わりましたか?

渡辺 僕、サンスポで新喜劇の座長連載を担当していて、全座長に台本の書き方をステルス取材してるんですよ。

吉田 恐ろしい記者でしょう?(笑)

渡辺 プロットの段階では3行ぐらい読んでおもんないと思われたら「はい、次!」っていう感じかなと思ってたんですけど、吉田座長には全部見てもらえるというので、つい長く書いてしまいました。

吉田 いや、みんな見るでしょう、もちろん(笑)。僕からの印象は、本当に何も変わらなかったんですけど、思ったより下ネタが好きなんやなっていうのだけ。

渡辺 台本にも人間って出るんだなと思いました(笑)。この間、祇園花月で行われる新喜劇の稽古を見学に行ったんですが、女性の作家さんが書かれている台本で、なんていうか、丸みを帯びていて上品だなと。

吉田 言葉のチョイスとかね。

出典: FANY マガジン
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渡辺 それに、台本に余裕があった。僕は怖くてボケをどんどん足して長くなってしまって。貪欲にガツガツしてます。サッカーで言うと……。

吉田 また! すぐサッカー出てくる!(笑)

渡辺 (元日本代表FWの)大迫(勇也)ですね。

吉田 “半端ない”台本ができたと。なるほど。

渡辺 笑いに飢えてるから貪欲……いや、ゴン中山(中山雅史)です。ゴールがほしい(笑)。

──スポーツ紙の編集部が舞台の新喜劇を想像していたので、まったく違う設定なのは驚きました。

吉田 その話もちろん出たんですけど、渡辺さんはほんまに新喜劇が好きなので、「サンスポの設定で新喜劇を書きたい」じゃないんです。ほんまの新喜劇を書きたいんですよ。サンスポさんの立場として、「記者」役がいたほうがいいですよねということで入れてはいますが、サンスポさんの新喜劇にしたいっていう発想ではなかった。そこにも新喜劇愛を感じました。

渡辺 難しかったっていうのはありますね。新喜劇を作るうえで事件を起こしたいと思っても、別にサンスポのフロアでは起きないんで(笑)。

吉田 もう襲撃ぐらいしかないですもんね(笑)。

渡辺 編集部では、電話でやり取りすることがほとんどなんですよ。それって舞台として面白くないよねって。そういう意味でやりにくかったっていうのはあります。

吉田 今回は、主役の「ゆたかな真也は一の介」の3人は借金取りの役ですが、それもふだんはあんまりない設定ですよね。ほんまに渡辺さんのコアな考えから出てきた台本やと思います。

出典: FANY マガジン
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当日は新喜劇の作家陣も偵察に!?

──台本を仕上げていくなかで、苦労した点は?

渡辺 終盤になると打ち合わせのスパンが短くなってきて、細かい修正が増えるのがしんどかったですね。こないだは「ここ直してきて」って言われた野崎(塁)くんのひとことを考えるのに3日ぐらいかかったり。なのに、それをさっき削れって言われました(笑)。

──過酷な作業なんですね。

渡辺 たぶん稽古でも、つじつまが合わない部分がめちゃくちゃ出てくるので、最後の最後まで「どうしよう、どうしよう」ってなると思うんですけど……。

──稽古では、演出もするわけですよね。

渡辺 はい。

吉田 だからさっきも話に出てましたけど、祇園花月での僕の座長週の稽古を見学されたんです。下準備、バッチリですね!

渡辺 いやあ、怖いですよ。

──稽古で楽しみにしていることはありますか?

渡辺 ないです、ないです。新喜劇のストーリーは見てきましたけど、ギャグの見せ方とか立ち位置までは気をつけて見てこなかったので。そんなヤツが一の介師匠や寛平GMに「もっとこうして」とか言うなんて、もう誰が誰に言ってんのっていう。

吉田 でも一応、作・演出ですから、そこは言ってもらわないと。

渡辺 「ここ、どうしたらいいですか?」って聞かれたりするわけですよね。何て返したらいいのか。

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吉田 それはもう思っていることを。もちろん僕らも一緒にサポートさせてもらいますので。公演当日は、新喜劇の作家陣が見に来てるんちゃいますかね。「どんな感じでやってんねん」みたいな(笑)。

渡辺 どんな感じで見られるんですかね……「詰め込みすぎやろ」とか「大迫やろ」みたいな?

吉田 サッカーでたとえてるのは渡辺さんだけです(笑)。

──当日は、どんな気持ちで舞台を見ることになりそうですか。

渡辺 見られるとは思いますけど、一発目のボケでスベったら、もう見られないかもしれません(笑)。そこが何とかウケてくれたら見られると思います。

──最後にズバリ、いちばん見てほしいポイントをアピールしてください!

吉田 新喜劇大好きな記者の方が、大好きなシーンを詰め込んでるわけですから、見どころ満載の新喜劇になってると思います。お客さんにとっても、楽しいシーンしかないんじゃないですか。

渡辺 「どうせ遊びでしょ」とか「どうせ話題作りでしょ」っていう見られ方をすると思うんすけど、僕なりに熱は込めたんで、それを感じてもらえると思ってます。ギャグの羅列とかでは全然なくて、ちゃんとお話としてやってるつもりなんで。

吉田 「遊びじゃないよ」ってことですね。

渡辺 あとはサンスポだとか、阪神タイガースのネタももちろん出てくるので、阪神ファンの方も楽しめると思います。

公演概要

『サンスポ×吉本新喜劇 ~記者が新喜劇の台本を書いてみた~』
日程:11月3日(日・祝) 開場19:00 開演19:30会場:イエスシアター(吉本新喜劇セカンドシアター)
出演者:吉田裕、間寛平、島田一の介、伊賀健二、辰巳智之、タックルながい。、松浦真也、新名徹郎、レイチェル、玉置洋行、野崎塁、ぢゃいこ、井上安世、森田まりこ、岡田直子
チケット:前売3000円

FANYチケットはこちらから。

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