結成10年未満の若手芸人の登竜門『令和7年度NHK新人お笑い大賞』が10月26日(日)に大阪・NHK大阪ホールで開催され、マイスイートメモリーズ(トランスフォーム福田、花谷豊)が頂点に立ちました。生放送された決勝には東西合わせて284組の中から勝ち抜いた8組が登場。放送直後に行われた囲み取材でのマイスイートメモリーズの喜びの声をお伝えします!

生姜猫との接戦を制して大賞に!
『NHK新人お笑い大賞』の出場資格は結成10年未満であること(ピン芸人は現在の活動をスタートさせて10年未満)。東京、大阪で行われた予選を勝ち抜き、本線に進んだ8組がA、Bの2ブロックに分かれてネタを披露し、各ブロックで勝ち残った2組で決勝戦を行います。
今年の審査員は有野晋哉(よゐこ)、井口浩之(ウエストランド)、奥田修二(ガクテンソク)、里見まさと(ザ・ぼんち)、清水ミチコ、YOU、渡辺正行という面々でした。
MCを務めるのはフットボールアワー(後藤輝基、岩尾望)とNHKの平野柚希アナウンサー。Aブロックはマイスイートメモリーズ、金の国、cacao、家族チャーハン、Bブロックは豪快キャプテン、四千頭身、生姜猫、ヨネダ2000という出番順で栄冠を競います。
そして、Aブロックでは、4票を獲得したマイスイートメモリーズが決勝へ。小道具を効果的に使って展開にも工夫が凝らされたコントは、審査員の渡辺が「発想がすばらしい」、まさとが「トップに出て、いちばんウケていた」と絶賛しました。

Bブロックは、生姜猫が5票をゲット。今回の最年少で幼馴染という3人のテンポのいいやりとりとユニークな動きが大いに会場を笑わせました。審査員の清水は「子どもにも大人にもわかるネタ」と評価しました。
決勝はマイスイートメモリーズがコント、生姜猫が漫才で対決。最終的に4対3の僅差でマイスイートメモリーズが優勝を掴み取りました。

花谷「漫才は…苦手なんで」
優勝決定後、マイスイートメモリーズの2人が囲み取材に応じました。2人は、花谷の芸歴が20年目でありながら、コンビ結成は8年目というコンビです。
――いまの気持ちを聞かせてください。
福田 自分が賞を獲れる日がくるって思ってなかったので、まだ実感がわかないです。うれしいです! 最高の気持ちです。
花谷 出るからには優勝したいと思っていたんですけど、まさかできると思ってなかったんで、全部自分のために紙吹雪が落ちてきたりとか、“おめでとうございます!”って言われ慣れてないんで、いまもガチガチですね。ただただうれしいっていうひと言です。
――今日は緊張しましたか?
福田 1本目はめっちゃ緊張しました。2本目はあっという間に始まったんで、まだ楽しくできたのかなと思います。
――1本目終わったあとの手ごたえはどうでしたか?
花谷 終わったあと、全然わからなかったです。ただスベリたくないなと思ってたので、スベらんかったな、という感じでした。とにかく楽しくできたらいいなと思ってたので、そうできてよかったな、という感じでした。いけるかどうかは運だと思ってるので。
――今回、2本ともコントで勝負した理由は?
花谷 自分たちの持ってるネタで最適かな、という感じでした。この2本がこのNHKさんの大会にマッチしてるかな、と。
――漫才という選択肢はなかった?
花谷 漫才は、僕らは、その……なんて言ったらいんですかね、苦手なんで……。
福田 そんなつもりじゃないです!
花谷 漫才より……こう言うてしまうとコントのほうが得意となってしまうんですけど、お客さんを巻き込んで、楽しませる感じなのは、コントが適してるのかなという感じでした。ネタのチョイス的に。

福田「見た目が両方よくないんで」
――今大会はコント勢が多かったんですけど、やりやすかったですか?
花谷 決勝に上がった経験がまったくないので、あまりわからないんですけど、コントが3組続いたときに、トップバッターだからとか気にしないでいいのかな、と思いましたね。
――反対のブロックから最年少の生姜猫が勝ち上がってきたときの心境は?
福田 生姜猫が上がったときは、「やばい」と思いました、正直。いきそうな勢いがあったんで、生姜猫やったらイヤやなと思ってました。
花谷 僕は生姜猫やったら、おもしろいなと思いました。(芸歴が)めっちゃいってるやつと、めっちゃ若いやつ、負けたら負けたで笑い話にもなりますし。
――芸歴の縛りに一石投じた感じですか?
花谷 そうなってもらえれば、めっちゃうれしいですけど。でもそういう重たい意味もなく、結成年で出られる賞レースで1回出て優勝できたのがめちゃくちゃうれしいですね。1回で優勝しとかないと、キツイかなって。(来年は)こいつまた来たやん、21年目かい!とかになるし、とれてめっちゃよかったです。
――どちらが声をかけて結成したんですか?
花谷 僕が声かけて。
福田 戸惑いましたけど、組んだらめちゃくちゃ面白い人やな、と。見た目が両方よくないんで。
花谷 見た目、両方とも終わってるんで(笑)。
福田 そこが心配やったけど、組んだらめちゃめちゃ面白かったんで、いけるかなと思って。
――もともとは『M-1グランプリ』に出場するために結成した?
花谷 そんな大それた理由でもなくて、(〆切の)最終日くらいに「M-1出ときたいな……」って。たまたま路地裏歩いてて会った福田に、一緒に出ようやって。もともとは3人でやろってなって、でも断られて、2人でやろかってユニットになった感じです。漫才、コントの両方ともやってて楽しいし、どっちがどうというのはなく、マッチした感じでした。

福田「M-1もキングオブコントも決勝に行きたいです」
――コントのネタはどちらが作るんですか?
花谷 こっち(福田)です。
――発想はどういうところで思いついたんですか?
福田 1本目はそんなことがありそうかな、という感じで。2本目は単独のときの打ち合わせで、夜道で絡まれて帰り楽しかったらいいなっていうのだけ言って、みんなで作ってもらいました。
――夜道で実際に絡まれたことは?
福田 あると思います。
花谷 僕も目付きが悪いんで絡まれます。夜道どころか……、(絡まれた)その足で伊達メガネ買いにったこともあります。
――使う道具は自前ですか?
福田 花谷さんに全部作ってもらって。
花谷 得意というか、お笑い始めてから、お笑いやってるんか大工やってるんか、わからなくなりました(笑)。
――これまで他の賞レースの結果は?
花谷 『キングオブコント』とか有名な賞レースにはエントリーしてるんですけど……。
福田 決勝はなかったですね。

花谷 力及ばず。『M-1』は、準々決勝止まり。『キングオブコント』は準決勝止まりで、決勝でネタを披露するのは初めてです。
――次に目指すのは?
花谷 今年の『M-1』は3回戦までいってるんですけど、いまのこの感じやったら、(今日の優勝で)気が抜けてめっちゃスベるかもしれませんね。賞レースは全部難しい。難しいなかでキャラがあったり、構成があったり、傾向と対策が難しいかなと思うんで、そういう意味でさっき(漫才が)苦手と言いました。
福田 『M-1』、『キングオブコント』、いきたいですね。得意かは別として、(漫才、コント)両方できると思ってるんで。

