平成ノブシコブシ・吉村崇が、6月28日(日)に東京・グレースバリ銀座店で新たなイベント『罰ゲーム倶楽部』を開催します。何やら不穏なタイトルですが、吉村以外の出演者も、キクチウソツカナイ。、おしみんまる、イシバシハザマ・ハザマ陽平、囲碁将棋(根建太一、文田大介)カゲヤマ・益田康平、かけおち・青木マッチョと曲者ぞろい。ファニマガでは、発起人兼出演者である吉村に、このイベントの気になる内容や、出演者の選抜理由、同世代の芸人たちへの思いなど、たっぷりと聞きました。

どんな罰ゲームが待ち受けているか吉村も知らない
――『罰ゲーム倶楽部』とは、どんなイベントですか?
ルールとしては「すごろく」です。ただし、すべてのマスが罰ゲームになっていて、サイコロを振って止まったマスの罰ゲームを受けます。それをお客さまは飲食をしながら、見て楽しむというイベントです。
――会場(グレースバリ銀座店)は、いつも即興コメディーショーの『THE EMPTY STAGE』などで使用している、少しフォーマル感のある場所ですね。
やっていることはちょっと下品で、野蛮っぽさはありますけど、会場が素敵な場所であれば、ちょっとだけ品のあるものに見えるかなって……。『イカゲーム』(Netflix)みたいなデスゲームものも流行っているじゃないですか。Bet“する側”と“される側”との間にある、あの空気感が出せればなと思っているんです。
――開催日(6月28日)が近づいていますが、内容は固まってきていますか。
今回、僕はプレーヤーで、罰を考えるのは作家さん。だから、「こういうことがしたいです」「こんなのどうですか?」というのは伝えますけど、実際にどんな罰が待ち受けているかはわからないんですよ。でも、あの手この手を考えてくれていると思います。
――吉村さんから作家さんへはどんなリクエストを?
好きなだけ、遠慮なくやってくださいと伝えました。ただ、数はたくさん用意してほしいと。すぐにゴールしてしまうのはイヤなので。

――他のプレーヤーの顔ぶれも、ちょっと独特ですね。
これはね、僕がミスったんですよ。渋すぎた。購買につながらないメンバーを集めてしまって、ここが僕の素人なところですよね(笑)。
――吉村さん自ら指名したんですか。
「誰かいますか?」って聞かれたので、「こういう人がいいんじゃないですか?」って挙げたんですけど……渋すぎました。SNSでの影響力はないし、かといって、お笑い好きからの熱狂的な支持もなし。
――吉村さんが直接、声をかけた人はいますか?
いや、今回のメンバーとは、今年になって誰とも会っていません。どこにいるかもわかりません。私も含め、石の裏にいるんですよ。石をどけたらいたので、ピンセットでつまんで……。
――選抜基準は?
芸歴的には若くなく、各劇場を追い出された人たちです。劇場というのは、若い芸人たちが実力をつけ、お客さまに来ていただく場所ですからね。でも、それで行き場を失った芸人たちは“魂”で仕事をするだろうなと、そこに期待しての人選です。技術じゃない、魂だ!っていう。
だけど、困りましたよ。候補者が多すぎたんです。石を持ち上げたら、ワーって、いっぱいいましたもん。だから、このイベントは一生終わんねぇだろうなと思っています。
そんななかでも、新人として入ってもらった青木マッチョは、もしかしたら唯一チケットが売れる要素かもしれません。彼ら世代はあまり罰ゲームの経験がないと思うんですけど、もしかすると向いている可能性もあります。
――囲碁将棋さんも、正統派漫才師のイメージです。
でも、根建なんかは追い込んだら面白いじゃないですか。最初は根建だけ参加の予定だったんですけど、文田も来てくれるということになって、だけど罰ゲームには向かないかもしれないので、解説的な立ち位置で入ってもらおうかなと思っています。
「遠慮なくやってくださいと伝えました」
――今回のイベントの企画の発端は何だったのでしょうか。
作家の大井洋一さんがポツリと話してくれたことがきっかけでした。いま時代的にテレビで罰ゲームをすることが減っていて、罰ゲーム用の器具を開発している会社が、新作は次々とできているのに、出す場所がないという状況に陥ってしまっているんです。
それで、そんな会社にロケに行ってみたいねっていう会話から、ロケにはなかなか行けなくても、罰ゲーム器具の貸し出しはしてもらえるかもしれないという話になったのが発端でした。
よく、頭を殴る用のニセのビール瓶ってあるじゃないですか。あれも材料の配合が特殊らしいんですけど、需要がないから生産をやめてしまうかもしれないって聞いたんです。その会社が生産をやめると、もうニセのビール瓶は作れないらしいんですよ。
――今回のイベントは、脈々と受け継がれてきた、罰ゲームの文化と伝統を継承するための活動でもあると。
そうです。そういう会社は、きちんと安全を担保しながら、笑いをとれる器具をつくってくれているんです。だから、なくなってしまうと、今後は本物のビール瓶で殴られるしかなくなって、われわれの身も危険なんです。

――罰ゲームといえば、身体的な痛みから精神的にツラいものまでいろいろありますが、幅広い種類の罰ゲームが予定されているんでしょうか。
おそらくそうだと思います。ただ、やはり身体的なものが中心になるでしょうね。今回、お客さまは食事をしながらアルコールも飲めるので、やっぱり、酒を飲むと人が痛めつけられているのを見たくなるんじゃないかと(笑)。
SNSでよく街なかのケンカ動画が回るのも、おそらくそういう欲求の表れだと思うんです。でも、そういうことが一般社会で行われてしまうと不健全ですし、秩序がよくないので、われわれプロなら、多少はガス抜きができるんじゃないかなと。
――今回は一般席のほかに、前方の良席確約やイベント参加などの特典があるVVIPチケット、VIPチケットも用意されています。
そちらから先に売れて、もう完売したと聞きました。どれだけ近くで見たいんだって思いますよね(笑)。相撲でいうところの砂かぶり席ですが、こちらは砂の代わりに、芸人たちのいろいろな液体が飛ぶと思います。
(観客の参加は)ゲームの行方を左右するサイコロを振ってもらうのか、あるいは希望があれば罰ゲームの執行もしてもらおうと考えていて、VVIPチケットであれば、楽屋ご招待も予定しています。今後もどんな特典がつけられるのか、もっと考えていきたいですね。
「感情を出しましょう」というイベント
――今後も体を張る笑いは続けていきたいという思いがありますか?
ネタであれば、一生かけてやっていけますけど、体を張る芸ができるのは、人生の一時期に限られるんじゃないかと思うんです。僕もだんだんと体の衰えを感じるようになってきたので、こういう笑いができるのも、あと数年かなと思うと、優先的にやっていきたいなって。このイベントも(今回の)6月(だけ)で終わらせる気はありません。
――今回の出演者は“東京吉本”のメンバーが選抜されています。吉村さんは特に東京吉本への愛が強いという話も聞きます。
東京吉本って、極めて不思議な事務所なんですよ。大阪吉本や東京の他のお笑い事務所に比べて歴史が浅いから、お笑い界の“末っ子”のような感じで、ノウハウもマニュアルもないまま、試行錯誤しながら20年、30年と続いてきました。
いまも、そのときの創業メンバーに近いメンツが残っているんですよね。もちろん、本当の創業メンバーは極楽とんぼ(山本圭壱、加藤浩次)さんやココリコ(田中直樹、遠藤章造)さん、品川庄司(品川祐、庄司智春)さんたちの世代なんですけど、そこから少し空いて、なかなか売れなかった我々世代が、肌を寄せ合いながら東京という乾いた大地で作物を作ってきた感じで……。
だから、やっぱり絆は深くなりますよね。とくに僕は(北海道から)東京に出てきて、友だちも頼れる人も芸人しかいなかったですから。
――吉村さんはこれまでも、芸人仲間と「ボーイレスク」のユニットを組んで国内外でショーをしたり、海外で主催ライブを行ったりしてきました。
ずっと、もったいないなと思っているんです。こんなに芸人の数が多い国はないし、おそらくみんな、日本のお笑いが世界一だという自負があるんですよ。
僕もそうだと思うから、日本の笑いで海外に打って出てみたいと思うし、また、笑いに興味がない人にも興味を持ってもらえるよう、幅を広げようとバーレスクをやってみたり。北海道出身なので、開拓精神みたいなものがあるのかもしれません。思いついたら、もう立ち止まれないんです。
――今回のイベントも海外を意識していますか?
このイベントについては、海外へ持っていくというより、海外の方が見に来ることを目指しています。SNSとかで広がって、言葉はわからなくても、見るだけで面白さが伝わって、ゲラゲラ笑ってくれればいいなって。
――海外志向について、影響を受けた人はいますか。
誰かに影響を受けたというより、ただ“ヤベェな”と思ったんです。芸人もある程度の年齢になると、バイトは受からない、若いファンもつかない、でも辞める勇気もなくて、あとはもう悪に手を染めるしかないと思うんですよ。行き着く先は、受け子とか(笑)。イヤじゃないですか、まわりに執行猶予中のヤツが増えていくのとか。
だから、そういった芸人たちが食える場所を探したり、また、ライブシーンの実力者たちの優れたネタをリサイクルして楽しんでもらえる場を求める意味でも、海外を視野に入れているという感じですね。

――今回のイベントはどんな人に見に来てほしいですか?
かつて山ほどいた僕ら世代のお笑いファンは、その後、人生のステージが変わって、なかなかお笑いに割く時間が取れなくなってしまった人も多いと思います。そんな大人の人たちに、大人になった今だからこそ、気軽に笑いに来てほしいです
ネタをやったり、そういうお笑いのど真ん中をいくものは一つもないので、このイベントを見に行くこと自体、恥ずかしいと思われる方もいるでしょう。だから、ゆくゆくは仮面着用のイベントにすることも考えています。なんとか品格を上げていきたいなと。
――もちろん、出演者のファンの人にも見に来てほしいですよね。
囲碁将棋と青木以外のファンなんていないでしょう! 僕やおしみんまるのファンだという人がいたら、早くやめて人生をもっと豊かにしたほうがいいです。でも、出演者のことを知らない方も楽しめると思います。人が痛めつけられているだけですから(笑)。
――最後に、イベントに興味を持っている人たちにメッセージをお願いします。
いろんなことが難しくなってきちゃったんですよ。難しくないことも、難しく解釈しようとしてしまう傾向があるので、一度考えることをやめて、見た現象だけで反応して、感情を出しましょうというイベントです。
だから、お酒を飲んできてもらってもいいし、好きなように楽しんでください。このイベントに来て笑うことは恥ずかしくないです。恥ずかしいのは我々の生きざまです。だから、存分に笑いに来てください。
イベント概要
「罰ゲーム倶楽部」

日時:6月28日(日) 開場12:00/開演13:00
会場:グレースバリ銀座店(東京都中央区銀座6丁目13−16)
チケット料金:
・VVIP(整理番号付き自由席)前売20,000円(予定数終了)
・VIP(整理番号付き自由席)前売13,000円(予定数終了)
・ベーシック(整理番号付き自由席)前売8,500円
FANYチケット:https://ticket.fany.lol/reception/50846/42986
