吉本新喜劇が生んだ稀代のゴールデンコンビ、島田珠代と藤井隆による特別興行『リトル・ツインズ』が、7月21日(火)~23日(木)に大阪・なんばグランド花月で開催されました。公演では2人が縦横無尽に大暴れしたほか、内場勝則、石田靖、末成映薫、浅香あき恵、未知やすえら豪華座員が出演。スペシャルゲストに宮川大輔も登場し、爆笑を巻き起こした初日公演のレポートと、終演後に行われた囲み会見の模様をお届けします。

「パンティーテックス」と「ホット! ホット!」の競演
舞台は、のどかな山あいにある道の駅。珠代と藤井は双子役です。珠代は母(浅香あき恵)とともにカフェを切り盛りし、藤井は妻(金原早苗)と二人三脚でベーカリーを営んでいます。家族、そしてふるさとへの想いを胸に地元を盛り上げようと奮闘する2人ですが、実は珠代には誰にも言えない夢があり、恋人(千葉公平)との結婚にもどこか煮え切らない態度に……。
町おこしと土地開発問題に揺れるなか、“ツインズ”と個性豊かなキャラクターたちがドタバタ劇を展開します。
金原に呼び込まれて藤井が登場すると、「キャーッ!」という大歓声が客席を包みました。藤井は野呂桃花扮する役場の広報課職員のカメラの前で、新作パンを手にモデルポーズを決めまくるなど、さっそく本領を発揮。

藤井が幼なじみの役場職員・烏川耕一との小競り合いを始めると、今度は珠代がマイク片手に『けんかをやめて』を歌いながら登場します。冒頭から揃い踏みとなった2人は、互いに呼応しながらナゾの動きを繰り広げ、珠代のギャグ「ボインボインダンス」をコラボで披露。
その後も2人の爆走は止まりません。元カレの登場にうろたえた珠代がハイテンションで「パンティーテックス」を繰り出せば、それをなぜか真顔で見つめる藤井。きょうだいゲンカの場面では、珠代と藤井によるユニット・T&Tの曲『目がキライ』を熱唱し、客席に手拍子が広がりました。

ほかにも珠代の名ギャグを千葉ややすえ、あき恵にムチャぶりしたコラボネタや、藤井のギャグ「ホット! ホット!」も飛び出します。途中、アクセル全開で暴れ回る珠代に、藤井が「今日、(劇場に)泊まるつもり!?」と思わずストップをかける一幕もありました。
ゲストの宮川大輔と一緒にT&T&D?
スペシャルゲストの宮川は、ふらりと町にやってきたハリウッドスター役。うさんくささ全開のトークで周囲を惑わせたあとは、T&Tに巻き込まれて“T&T&D”のトリオ芸に参戦します。
珠代と藤井についていこうと奮闘した宮川は、終わった瞬間、「説明してくれ!」と絶叫! 宮川には、あき恵と恋に落ちるという衝撃の展開も用意されており、ラブラブモードで何度もハグを交わすシーンで盛り上げました。

珠代の恋のお相手は、千葉と大山英雄。ホテルチェーンの御曹司という設定の千葉は、アホボンキャラと怪しい動きで珠代の求愛ギャグに応戦します。
一方の大山は高校時代の元カレ役。現在は議員秘書を務めていますが、実は暗い過去を背負っており、偶然の再会が千葉の嫉妬心をかき立てます。回想シーンで大山は珠代に頬へのキスを求められ、歓声を浴びました。
ホテルチェーンの社長で千葉の母を演じるやすえと、珠代の母に扮するあき恵はバチバチのバトルを繰り広げる一方、再開発でひと儲けを目論む議員役の末成もギャグを連発し、ベテラン勢も見せどころたっぷり。
「明日からちゃんとします!どうかしてましたよね?」
診療所の医師役・内場は、とぼけた味わいの演技で笑いを誘う一方、実際の妻であるやすえにアドリブで私生活を暴露され、タジタジに。謎の男女として現れた石田と小寺真理は、物語をさらにややこしくするスパイスになります。そして烏川は、要所要所でツッコミを入れ、舞台をしっかり引き締めました。
道の駅の隣を産廃処理場にする計画は阻止できるのか。そして珠代の恋と夢のゆくえは──。歌手になることを決意した珠代が『珠代ベスト〜パンティーテックス〜』を全力でパフォーマンスするクライマックスでは、藤井もバックダンサーの1人として若手座員とともに踊りました。

最後は出演者全員で『エクスタシー』を熱唱する大サービスも! 客席は総立ちとなり、平成4座長時代をともに駆け抜けた内場、石田、末成、やすえ、そして珠代と藤井による懐かしいダンスに大熱狂のフィナーレとなりました。
カーテンコールでは、歓声が鳴り止まないなか、全出演者が整列。藤井は予定時間を大幅にオーバーしたことに触れ、「明日からちゃんとします! どうかしてましたよね?」と苦笑いです。珠代は「明日も……やっぱりもっとやっちゃうぞ!」と叫び、客席を爆笑に包みながら幕となりました。
藤井「コンタクト入れる間もなくて…」
終演後、珠代と藤井が囲み会見に応じました。珠代は「すごくきれいなお芝居を書いてくださっていたのに、だいぶ壊してしまったところがあって」とアドリブ満載だった舞台を振り返りつつ、「もしかしたら、壊れた私を見たい方もいらっしゃるのかなと。もう結果は、お客さまに委ねるという感じです」と笑顔を見せます。
藤井は「すごく緊張しました」と、舞台を終えてほっとした表情。今回はスケジュールの都合で本読みの途中で開演準備に入ったそうで、「コンタクトを入れる間もなくて、ステージ上がちょっとぼやーっとしながらやっていた。でも、くっきりはっきり見えたらプレッシャーで崩れそうだったので、それでよかったのかなと思ってます」とウラ話を明かしました。

珠代について藤井は、「(台本通り)正しいことも大事ですけど、楽しいほうを優先する珠代さんが僕は大好き。本当にカッコいいなと思いながら、食らいつくのに必死でした」と絶賛します。
珠代も「私も(藤井に)憧れている。いいものができるのは、憧れている者同士でやっているから。人間的にも素敵で、こういう人になりたいとずっと思っている」とコメント。
さらに珠代は、「藤井隆は私のお守り。いるだけで自分の心が安定する。今日も藤井くんがいるだけで、私たちを見に来てくれたみんなをポケットに入れて温めて、わーって笑かしてるみたいな気持ちになれました」と、絶大な信頼を寄せました。

とはいえ、2人は“波長が合う”という関係ではないそう。実は「全然合わない」と声をそろえ、「それが悪いわけではない。“波長が合う”って、また違うことなのかな」(藤井)、「スイッチがお互いオンになったときの波長だけ合う。ほんと、これだけはナゾ」(珠代)と、不思議なコンビネーションの秘密も語りました。
次なる共演を心待ちにするファンも多いなか、2人で挑戦してみたいことを聞かれると、珠代は「踊る天気予報。夜中1時ぐらいに5分ぐらいで」と斜め上の回答。藤井は「自分が若いときに育ててくださった先輩方や、うーやん(烏川耕一)とかの仲間と、こうして何日間か一緒に過ごせるっていうのは、すごく恵まれている。また呼んでいただけるように精進したいです」と語りました。

