2021年からピン芸人として活動を始めた馬場園梓が、5回目となる単独ライブ『馬場園 秋のネタ祭り2026』を東京・名古屋で開催します。9月26日(土)に名古屋・大須演芸場で、10月2日(金)に東京・YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERで開催予定で、馬場園が両会場で単独ライブを行うのは今回が初。しかも、名古屋公演は、馬場園がピンで単独ライブを始めたころからの念願が叶って実現しました。今回は本人に、ピン芸人としての手応えや単独ライブを続ける理由など、たっぷりと語ってもらいました。(撮影は、芸人カメラマン・とものかつみが担当しました)

実績が認められて念願の名古屋公演が実現
――今回からライブのタイトルが、前回までの『BBZ Selection』から変わりました。何か理由があるのでしょうか?
いや、「BBZ(馬場園の略)」だけやと、誰かわかりにくいかなと思って(笑)。伝わりやすいように名前を入れ込みました。
――今年は例年の東京に加え、名古屋公演もあります。これは馬場園さんからの要望だとか。
実は、名古屋でやりたいというのは、第1回のときからマネージャーさんにお願いしていました。それで会場を探してもらっていたんですが、名古屋の会場ってキャパが大きいところばかりなんですよ。初めて1人でやるのに、でっかいところはちょっと恐いなと。あとは音楽をやるようなライブハウスもあるんですけど、そういうところはかなり前から押さえられていて……。
今回やらせていただく大須演芸場も候補だったのですが、ここはそう簡単には貸していただけない、昔ながらの由緒ある演芸場なんです。落語がメインの演芸場なので、それ以外の枠が少ないということもあったのですが、少し実績があったコンビ(アジアン)時代にも出していただけなかったのに、ピンになりたての私が貸していただけるわけがないなと。
それで名古屋公演は断念したのですが、今回は5回目になって、マネージャーさんが一生懸命頼み込んでくれて、大須演芸場で念願の名古屋公演ができることになりました。

――名古屋での公演は、なかなかハードルが高いんですね。
20代のころから、名古屋の情報番組に12年間出演させてもらっていたんですよ。だから、東海地方の方は私を知ってくださっていると思うんですが、それでも叶わなかったですね。
――名古屋公演を待ち望んでいる人は多そうですね。
ピンになって、単独ライブの告知をすると、「なんで名古屋でやってくれないんですか」っていう声もあったんです。だから、今回はようやくですね。大須演芸場は、提灯が下がっていたりして、雰囲気のある素敵な会場なんですよ。だから、めちゃくちゃ楽しみです。
「たくさんの方に来てもらわないと困ります!」
――東京はYOSHIMOTO ROPPONGI THEATERでの開催です。
ずっとお芝居が上演されてきた伝統ある劇場(前身は「俳優座劇場」)なので、これも嬉しいです。いまコントをやっているんですけど、ここ(YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER)もなかなか出番をもらえないんですよ。ピン芸人になった途端に、どの劇場でも1年目の扱いで、いくらネタはありますって言っても、実績がないとお客さんを呼べる保証がないから、なかなか出してもらえなくて
――厳しいですね……。
めちゃくちゃ厳しいんですよ! でも、それでいいと思っているんです。そんな簡単に出られる場所じゃなくていいなって。だからこそ、今回は実績を認めていただいて、(YOSHIMOTO)ROPPONGI THEATERで単独をやっていいですよって言っていただけたのは、すごく嬉しいです。
もし、今回大盛況になったら、通常出番も入れてもらえるかもしれないので、たくさんの方に来てもらわないと困ります!(笑)

――劇場で出番をもらうって、大変なことなんですね
そうなんですよ。いまは芸人があふれかえっていて、賞レースもたくさんあって、やっぱり賞レースで好成績を残した人から出番が組まれていくんです。あとは実績、知名度、テレビ出演の数とかね。
私はピン芸人としては、また一からのスタートになりました。でも、やりがいはあって、芸歴としては後輩の子でも、先輩のように感じたり、ここへきて全員を尊敬できるようになったんです。いや、もともと(尊敬)してるんですけど(笑)。
改めて「みんな、スゴいな」って思えるし、ここ(香盤)に入れるのってスゴいことやったんやなって、出番一つひとつにありがたみを感じています。
ネタづくりは「没頭しすぎて食べたことも忘れて…」
――もうピンネタをつくる作業には慣れましたか?
そうですね。ようやく楽しくなってきました。いまだに、ここはツッコミがいてくれたほうがいいなと思うときや、何か題材を思いついても、これは1人じゃないほうが成立するなと思うことはありますけど、それも楽しんでできるようになってきましたね。

――1人のネタづくりはどのようにやっているんですか?
最初のアイデアは24時間体制で、常に湧いてくるのを待っている状態ですが、出てきたアイデアに向き合って、ネタとしてしっかり仕上げていく作業は、夜11時以降じゃないとできないんですよ。
子どものころ、お母さんが夜に働いていた影響もあるのかもしれないですけど、夜11時を過ぎると活気づいて、深夜がいちばんテンションが高まります。だから深夜ラジオをやりたいんです。
――その集大成となる単独ライブの準備は大変ですよね。
毎年大変ですね。一字一句、言い方や耳触りっていうんですかね、気に入ったものが見つかって仕上がるまで、そこから離れられない感じはあります。計画的な人が本当に羨ましいんですけど、今日はここまでやろうとか、ここからは明日に持ち越して、とか、そういうふうに進められないんですよ。次の日が休みやったら、夜の11時から、次の日の昼くらいまでやり続けたりしてしまうんです。計画的にできなくて、没入したら戻ってこられない。
その間はめっちゃ楽しいんですけど、没入しすぎて食べたこととかも忘れてしまって……。そのうえ、意外と几帳面なところがあって、食べ終わった食器はすぐに洗わないと気が済まない。食器をそのままにしておけば、食べた印になるのに、すぐに片付けるから、何を食べたかわからなくなる。それが恐怖で(笑)。でも、これはおばあちゃんの素晴らしいしつけなのでね。

「アホなこと言うてたな」と笑ってもらえるひとときに
――単独ライブは、ライフワークとして今後もずっと続けていくのでしょうか。
お年寄りになっても、床に臥すまでやり続けたいです。お客さんの前でネタをするときって、家族が集まって、みんなでご飯を食べているときに感覚が似ているんです。親戚みんなで集まって、近くにきたときに言えばいいようなことを、おじさんが遠くから話しかけてきたりする感じ。そういうアットホームで、気兼ねなく過ごせる時間が好きなんです。だから、そんな舞台の雰囲気は、しゃべれる限りずっと、のどちんこ取れるまで(笑)、味わっていたいです。
賞レースが多くなって、研ぎ澄まされた“作品”のようなネタが増えてきていますよね。それももちろん素晴らしいですが、賞レースは自分が面白いと思うものをわかってもらうとか、自分のステータスを上げるための戦いだから、結局は自分のためのものだなって思うんです。
でも、私はお笑いって“サービス業”やと思うから、お客さんが普段の生活を離れて息抜きしながら「あの人、アホなこと言うてたな」って、笑ってもらえるひとときを提供したいんですよ。

――今年の単独ライブはどのようになりそうですか。
例年通り、漫談とコントをやりたいと思っているんですが、まだ本数までは決まっていないですね。でも、いま浮かんでる題材は全部すごく気に入っています。ええ食材を見つけたから、どういう味付けにしようか、考える時間が楽しいし、仕上げていくのが楽しみです。食材がすごくいいので、絶対にお客さんにも気に入ってもらえるものができる自信があります。
大人になってからの“地元”での公演が楽しみ
――最後に、ファンの人たちにメッセージをお願いします。
東海地方に12年間も行っていたので、もう大人になってからの“地元”になっています。だから、念願の名古屋公演ができるのが本当に幸せです。また、歴史ある立派なお芝居の小屋だった(YOSHIMOTO)ROPPONGI THEATERでも、たくさんのお客さんの前でネタをやれるのが嬉しいです。
ピンでの単独ライブを始めて、改めてネタが好きだし、お客さんの前でネタをできることが生きる楽しみになっています。
この間、友だちとキョンキョン(小泉今日子)の還暦ライブに行ったんですよ。キョンキョンがお客さんに年齢を聞いたら、キョンキョンと同世代の50代、60代が多くて、私もキョンキョンみたいになりたいなって思ったんですよね。だいぶ恐れ多いこと言うてますけど。憧れます。
お客さんと一緒に年を重ねていくってステキじゃないですか。だから、これからも、お客さんと一緒に単独ライブを楽しみながら、“吉本のキョンキョン”を目指します!

公演概要
第5回 単独ライブ「馬場園 秋のネタ祭り2026」
▼名古屋公演
会場: 大須演芸場 (名古屋市中区大須2-19-39)
日時: 9月26日(土) 19:15開場 19:30開演 20:30終演
▼東京公演
会場:YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER(東京都港区六本木4-9-2)
日時:10月2日(金) 19:15開場 19:30開演 20:30終演
【料金】 前売3,000円/当日3,500円
FANYチケット:https://r.ticket.fany.lol/babazono-neta26autumn
