笑いに驚きに感動も…バラエティに飛んだ活弁バラエティーショー!

10月16日(土)、ヒューリックホール京都にて『活弁でGO! 京都凱旋スペシャル&「I AM JAM」の世界』が開催されました。

出典: FANY マガジン

『活弁でGO!』とは、プロデューサー立川直樹さんと活動写真弁士の片岡一郎さんによるスペシャル映画イベント。活動写真弁士と芸人がタッグを組んで、活弁上映や、会場にて即興で行う活弁チャレンジなど、サイレント&クラシック映画の新たな楽しみ方を提案するというもの。2018年に京都国際映画祭で初めて開催され、大阪での公演を挟んで東京では実に14回も開催されて、今ではすっかり名物イベントとなりました。そしてこのたび、晴れて京都での凱旋イベントを開催することに!

今回は、パワーアップした活弁だけでなく、鋭意製作進行中の新作活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』ともコラボレーション。さらに出演する芸人は、おいでやす小田、こがけん、ゴリ(ガレッジセール)、堀川絵美という個性豊かな顔ぶれで、期待が膨らみます。

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立川さんは「3年前に京都で誕生した活弁でGO!が大阪、東京と場所を変えて進化してきました。これからは更にパワーアップさせていきたいと思って来ました。」と意気込みます。さらに、客入れ時に会場に流れていたオープニングのBGMが、立川さんプロデュース、作詞作曲はGLAYのTAKUROさんと明かされ、いつにないスペシャル感にどよめくメンバーたちでした。また、久々の京都での開催ということで、「この3年間の積み重ねが出るのでは」と片岡さん。ゴリも『活弁でGO!』に参加するのは3回目とあり「活弁の魅力を感じている」と意気込みます。堀川は、2017年に京都国際映画祭で行われた芸人活弁グランプリで優勝した実績を持つミス活弁! 小田が堀川の実力を「びっくりするで!」と煽り、他メンバーは戦々恐々!? 今回もピアノ演奏は天宮遥さんが担当し、演者のリクエストに応じてぴったりの伴奏をつけてゆきます。

ニュース映像を見ながら活弁にチャレンジ

さっそく活弁に挑戦しようということで、まずは「京都ニュース」という映像を見ながらチャレンジします。「京都ニュース」は、1956年から1994年まで京都市中の映画館で上映されていたという京都市広報局が製作した映像。市民生活や都市開発、祭事や福祉など、さまざまなトピックを集めた映像で、製作から60年以上が経過したことで、今では貴重な映像文化財といえるものに。

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トップバッターはこがけん。『活弁でGO!』ではもはやおなじみとなった、こがけんの熱唱を皮切りに、「伸びゆくガスの需要」という映像ニュースにあわせて活弁を披露。発展してゆく京都の町を、かつて妖怪がいた場所という設定で語りを展開。やり終えたこがは「いつもと場所が違うから、めちゃ緊張しました」としながらも見事な出来栄え。堀川も絶賛、ゴリはオチに感激し、立川さんも「ホラーのショートフィルムを見ている良さがあった」と褒め称えました。

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続いて小田は「ワンワン訪問」という映像ニュースを語ります。人間と暮らす犬たちの映像に小田が独特の活弁を披露し、片岡は「映像を凌駕する本人の存在感は往年の活弁士のようだった」と感心します。

お次はゴリによる活弁。映像ニュースは「田植えコンクール」。人々がせっせと田植えをする様を、ある人物に植毛している頭皮にたとえ、爆笑をさらいます。堀川は「衝撃のドンピシャ具合!」と目を丸くして褒め称えていました。

最後を締めくくるのは堀川の「マイカーと駐車場」。多くの車が行き交う映像に、これまた堀川の独特な世界観がよくハマったものの、立川さんも「活弁というより、堀川ショーだね」とし、「活弁を超えたひとつのショー」とその存在感を絶賛していました。

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それぞれの個性が際立つ活弁でしたが、立川さん、片岡さんが選んだ優勝はこがけん! 特別賞に堀川が選ばれました。

続いては、ゴリが「京都ニュース」とはガラリと変わった演目に挑戦! 実はゴリは以前、ある作品にチャレンジしたところ、片岡から大絶賛されたことがあるとか。その作品は『西遊記 孫悟空物語』。ゴリによる、ゴリが思い描く西遊記が繰り出されて会場は爆笑に包まれます。こがは「単にストーリーが面白かったです。めちゃくちゃおもしろかった」と感激。片岡さんは「もしこの先『日本昔ばなし』をするならゴリさん」と、ゴリの声の使い方も称賛していました。

後半は 映画「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」とのコラボ活弁

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10分の休憩を挟んで第二部では、映画「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」とコラボした活弁を。ここで、ゲストの活弁写真弁士の大森くみこさん、映画監督であり主演女優の辻凪子さんが登場しました。

映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』がはたしてどういう内容なのか、大森さんが紹介映像に合わせて活弁風の解説で届けました。ゴリは大森さんの声を「声がかわいいですね。ハッピーなところに連れて行ってくれる時間が早い」とほれぼれしていました。

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続いて、大森さん、辻さんにも活弁を披露してもらうことに。作品は、2017年に辻さんと阪元裕吾監督が共同監督した『ぱん。』。15分という短編ですが、大学時代に辻さんがパン屋でアルバイトしていた時の実話を盛り込んだ作品で、笑いあり、トンデモ設定ありのユニークな内容を活弁で披露しました。映画好きのこがけんは「本当に面白い。発想がすごい」とべた褒めしていました。

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いよいよ最後は片岡さんの演目による『不如帰(ほととぎす)』。1922年に製作されたこの映画は、現存するのは25分ほどという貴重な作品。結婚生活を送っていた武男と浪子の切なく悲しい物語で「笑いはいっさいありません」とし、迫力の語りで会場を一気に包み込みます。辻さんは、「(片岡さんが活弁で披露してくれなければ)出会えなかった作品なのでありがとうございます」と感謝の気持を。こがも「迫力がすごかった」としみじみと語り、今回の『活弁でGO!』を「神回」と断言していました。

立川さんは「一部のおもしろさ、二部の『「I AM JAM」の世界』と『ぱん。』と『不如帰』。バラエティに富んでいました。まさに活弁バラエティーショーでした」と満足げ。「これをきっかけに、第2章が始まりますね」と笑顔で締めくくりました。

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