鹿児島県&熊本県住みます芸人が高校卒業生をお祝い「おれんじ鉄道で行くトレインツアー」

3月11日(土)に高校卒業生を対象とした「おれんじ鉄道トレインツアー」が開催され、鹿児島県住みます芸人のパイナップルつばさ、仮屋竹洋、熊本県住みます芸人のもっこすファイヤーらが総勢24名の卒業生とともにイベントを盛り上げました。

出水市とBSよしもとの地域創出プロジェクト

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

このイベントは、鹿児島県の北西部に位置する出水市とBSよしもとがタッグを組んで昨年から進めている地域創生プロジェクト「おれんじ鉄道 にぎわい創出事業」の一環です。「肥薩おれんじ鉄道」は、熊本県の八代市から鹿児島県の薩摩川内市までを結ぶ全長116.9kmのローカル線。

この度、パイナップルつばさが出水駅内にある「こあら食堂」とコラボし、学生や電車利用者が手軽に買って電車内で食べられるホットサンドやドリンクを開発したことを記念し、コロナ禍での高校生活となった今年度高校卒業生を対象に「肥薩おれんじ鉄道」に乗って思い出作りをしてもらうトレインツアーを敢行しました。
24名の卒業生が参加したこのツアーでは、コラボ商品であるホットサンドの提供の他、ミニ新喜劇や豪華景品が当たるビンゴゲームを開催。約2時間半の沿線の旅を楽しみました。

13:26出水駅発、みんなで「出発進行!」

くまモンがラッピングされた車両に乗り込み、参加者全員の元気な「出発進行!」の掛け声とともにイベントスタート。おれんじ鉄道のスタッフのお見送りを受けながら、まずは西出水駅を目指します。車両の中は、参加した卒業生の思い出の写真や芸人たちからのメッセージが飾られた今日だけの限定電車仕様になっていました。沿線では、みかんの被り物をした子どもたちも手を振ってくれます。

オープニングでは、出水市役所商工観光課の職員進行のもと、パイナップルつばさからコラボ商品の紹介を行いました。開発に2ヶ月を有したというホットサンドは「肥薩とりたまち~ずサンド」と「肥薩みかんかすた~どサンド」の2種類で、どちらも出水市が日本最大のツルの渡来地であることから中央にツルの焼印が押されています。参加者にはそのうちの「肥薩とりたまち~ずサンド」が提供されました。ツルと同じく出水名物の鶏肉を中華風そぼろにし、炒り卵と合わせたボリューム満点の一品。参加者からは口々に「美味しい!」「かわいい!」と、評判は上々のようです。

史上初!? 電車内での新喜劇

出水駅の一つ先、西出水駅に停車した途端に車内に乗り込んできたのは、刑事に扮した仮屋竹洋。「出水駅で事件が起きました」のセリフとともにサプライズで始まった新喜劇に、参加者は困惑と期待の表情を隠せません。設定は出水駅で起きた時計窃盗事件。容疑者はおれんじ鉄道に乗っている卒業生全員です。犯人を追う警部と巡査が実際に乗客の取り調べを行い卒業生たちのプライベートを明かそうとしますが、ことごとく外れて場は笑いに包まれます。

その後乱入してきたパイナップルつばさをはじめ、乗客に紛れていたラッパを吹く探偵や謎の美声オペラ歌手、パイナップルつばさのストーカーなど、異色の登場人物が眼の前で繰り広げる新喜劇はテレビとは違う臨場感で車内もヒートアップ。卒業生たちは目を輝かせながら見入り、進んで荷物検査に協力したり、「ふるさと」であいうえお作文を楽しんだりと、芸人たちとの掛け合いを楽しみました。事件はパイナップルつばさの妹が祖母のために盗んだことが判明し一件落着。結局誰が悪かったかの判定では「家族間の問題なのに事を大きくした巡査」に軍配が上がりました。

ビンゴゲームで豪華景品ゲット

新喜劇の後はもっこすファイヤーの二人が登場。早々に「会いたかったです!」と卒業生の一人から声が挙がり、持ちネタを披露して会場を温めました。ビンゴゲームの目玉景品はサインセットで、当イベントの参加芸人だけでなくパンクブーブーやレイザーラモンRGのサインも含まれています。その他、車掌体験権利やよしもとグッズ、おれんじ鉄道グッズなどなど豪華なラインナップ。リーチになったら大声で「王手!」と叫ぶルールを設けて賑やかにスタートしました。

たくが進行を務め、のりをがタブレットを使ってルーレットボタンを押していきます。途中からは卒業生たちに順番にボタンを押してもらいながら進めるも、なかなか番号が空きません。後に「今日で4つあったのどちんこのうち3つを潰した」と語ったのりをたちが、あの手この手で場を盛り上げること17回目、ようやく王手が二人、22回目で記念すべきビンゴ第一号が生まれてサインセットを手にしました。

その後も続々とビンゴが生まれ、最終的には残った8人に残りのグッズをプレゼントするというオチに。思わずのりをから「ビンゴはなんだったんだ!」のツッコミが入ることも。次の最終目的地である薩摩高城駅までは、卒業生たちに「出水あるある」や「出水自慢」を尋ねながらみんなでトークを楽しみました。

映えスポットに立ち寄り記念撮影

薩摩高城駅では、おれんじ鉄道の沿線で唯一海岸に降りられるスポットがあることを知り、急遽全員でそこに向かってみることにしました。猛々しい岩々と深い青い海が広がる風光明媚な場所に卒業生たちは大興奮。鐘を鳴らしたり、パイナップルつばさとの記念撮影をしたり、新喜劇に登場したオペラ歌手にオペラを披露してもらったりと、束の間でしたが予定外の楽しい時間を思い思いに過ごしました。

電車に揺られながら想い出トーク

15:09薩摩高城駅を出発し、出水駅へと戻ります。道中1時間ほどの間、芸人たちが参加グループごとに順番に高校生活の想い出や今日のイベントの感想などを聞いて回りました。インスタグラムを見て宮崎県から一人で参加したという青年は、このイベントで友人ができたとのこと。一期一会を目の当たりにしたのりをは感激した様子で話を聞いていました。

また、卒業後は離ればなれになる友人と最後の思い出作りとして参加した女子グループの一人は、今回のイベントで一番印象に残ったのは目の前で体感した新喜劇と回答。大阪で見た新喜劇とはまた違う楽しさがあったと息を弾ませていました。さらに、もっこすファイヤーの写真をみんなで待ち受けにしようと嬉しそうだった看護学校グループ、パイナップルつばさと一緒に写真が撮れたことを喜ぶ女子グループは、芸人たちとの距離の近さに感激していた様子でした。

中でも驚いたのは「仮屋が来るから参加した」と言い、ビンゴゲームで見事サインセットを手に入れた仮屋ファンの進路。なんと、おれんじ鉄道に就職が決まっているそうで「鉄道が好きで、その方面の職種に就きたかった。今回、どんな人たちが働いているかを見ることができて良かった」と嬉しそうに話してくれました。次回は企画側として参加してくれるかもしれません。

二人のなりきり車掌に大きな喝采

想い出トークの道中で、ビンゴゲームの景品だった車掌体験が行われました。そのうちの一人「おれんじ鉄道に乗るから髪をオレンジに染めてきた」という女子は、初々しい制服と制帽姿で車内アナウンスを披露。キャビンアテンダントを目指す同じグループの青年も堂々と原稿を読み上げました。二人の活躍姿に芸人たちと参加者からは割れんばかりの拍手と声援が贈られ、恥ずかしながらも嬉しそうな様子が印象的でした。

降車後は感謝のメッセージをしたためる

トークで大いに盛り上がった一行は、芸人たちからの締めの言葉を最後に16:07に出水駅に到着。「機会があればまた参加したい」「いい思い出作りになった」「参加してよかった」と口々に感想を言いながら電車を降り、イベントの締めくくりとして、3組のグループが両親や友人に向けた感謝のメッセージ動画を撮影しました。

看護学校に通う6人グループからは「3年間ありがとう。あと2年よろしく! 大好きだよ」とみんなでハートを送り、学校違いの仲良し女子二人組からは「家族のみんなへ。3年間支えてくれてありがとう」と息の合ったコメント。4月からどちらも福岡に住むという同じ高校の男子二人組は「18年間支えてくれてありがとう。4月からもお金を出してください」と笑いを誘う一方、「朝早く弁当を作ってくれたり忘れ物を届けてくれたり、本当にありがとう」と高校生活を振り返って感謝するメッセージを残しました。

大成功に終わったイベントを振り返って

今回のイベントに参加した芸人に話を伺いました。パイナップルつばさは「苦労して開発したホットサンドを子どもたちが喜んでくれたことで、本当にやって良かった。ただ提供するだけでなく、こうしてダイレクトにリアクションが見られたのも良かった」と嬉しそうでした。

一方、元々新喜劇メンバーであった仮屋竹洋は、今回の企画に際し「電車で新喜劇をする」ことを提案した張本人。「僕が入っていった時、本当に刑事が入って来たと思われていた」と、サプライズイベントならではのリアクションを振り返り、不安を感じながらもワクワクしながら演じられたと語りました。また「僕は人が敷いたレースの上で走りたくないけれど、おれんじ鉄道の上でなら一生走りたい」と、ヨイショ発言も。最後は「参加者それぞれのおれんじ鉄道に対する思いを知ることができ、ここでしかできない会話を楽しめた。プラス車窓からの素晴らしい景色がそれを一層演出してくれた」と、感動で目を滲ませたことを明かしました。

もっこすファイヤーの二人も意気揚々とした表情でイベントを振り返りました。たくは「コロナ禍で修学旅行に行けなかった子もいたが、ワクワクした顔で参加してくれた様子を見て、すごくいいイベントができたと思う。こういうのを欲していたんだな」と真面目に語り始めたかと思いきや、「これからもこのようなイベントを企画したい。出水市役所職員として……」というボケが飛び出し、思わずのりをが「ちゃうちゃうちゃう、吉本興業のスタッフ」と突っ込む場面も。

続けて、宮崎県から一人で来ている子に今日のイベントで友達ができたことを受けて「これって本当にすごいこと。コロナ禍であまり交流が持てないという状況の中、この短時間で友達ができるということに感激した」と話し、その後しっかり「出水市役所の職員として……」と同じボケを出して和ませてくれました。さらに二人は「コロナ禍も悪いだけじゃない。新しいこともできるんだということを再確認した」、「卒業生たちが大いに盛り上げてくれたので、とてもやりやすかった」とそれぞれの思いを吐露しました。

主催者の出水市役所商工観光課の職員からは「このイベントの原点は地域の活性化だが、たくさんの人達の協力があったからこそ実現できた。苦しい高校生活を送った皆さんが、これから社会に出て自分たちで世の中を少しずつ変えていく行動をしてほしい」と語りました。また、おれんじ鉄道の職員からも「楽しそうな笑顔と空間を共有できたこと、その場を提供できたことが嬉しい。こちらも元気をもらった」と感想を述べました。

参加者全員に大切な想い出の一つとして刻まれた、笑いあり涙ありの大きな感動を呼ぶイベントでした。
次回の開催は果たして……!?

「おれんじ鉄道 にぎわい創出事業」コラボカフェメニュー

料理大好き芸人・パイナップルつばさが「出水の美味しいもの」を使い、出水市役所職員と出水駅構内の飲食店「こあら食堂」と一緒に約2ヶ月かけてカフェメニューを開発しました。出水の特産品である柑橘類と鶏肉を使ったホットサンドとスイーツドリンクです。
時にはみかん農家へ足を運び、季節ごとの柑橘類の違いを学んだというつばさ。香りを楽しんでもらいたいという思いから、みかんはできるだけ皮ごと使用。あまり味をつけすぎると素材の味を台無しにするため、その塩梅に試行錯誤したそうです。出水駅に立ち寄った際は、ぜひ一度ご賞味ください。

  1. 肥薩とりたまち~ずサンド 500円
    中華風味付けにした鶏そぼろと炒り卵を挟んだおかず系ホットサンド
  2. 肥薩みかんかすた~どサンド 500円
    甘さ控え目でみかんのほろ苦さも交じるカスタードを挟んだスイーツ系ホットサンド
  3. 肥薩みかんラッテ 350円
    皮ごと果肉たっぷりのみかんを使った甘いミルク味のラテ
    ※ホットサンドとドリンクのセットで50円引き

 出水駅構内「こあら食堂」にて好評発売中!