「毎月これをやっているのですか……?変態ですよ」
エンディングでゲストのファイヤーサンダー・﨑山がこのように発言していました。筆者も相違なく全く同じ感想を持ちました。もちろん賞賛の意味でのものですが、それほどこのイベントは素晴らしいコンテンツだと思いました。
ザ・プラン9のリーダー、お〜い!久馬が主催するお笑いイベント「久馬歩責任編集 月刊コント」が2024年7月で15周年を迎える。
「月刊コント」とは、毎回5〜6組の芸人が劇場やメディアでやっている自分たちのコントを披露。そのバラバラのネタを、オープニングやコントの間のブリッジ、エンディングでお〜い!久馬作がコントで繋ぎ合わせ、最終的には一つの物語として完結させるという内容。
初回は2009年。そこからほぼ毎月事務所の垣根を越え、ベテランから今勢いのある若手芸人達を集めて開催されている。ひとことで言うととんでもないイベントである。
FANYマガジンではこのイベントの魅力を読者に伝える連載をスタート。今記事は1月21日(日)によしもと漫才劇場にて開催された同イベントのレポート記事となります。
コントが繋がり全てが同じ世界線の群像劇に
オープニングコントはカラオケボックス。コント中のセリフの中で今回の出演者達の名前が織り込まれていく。名前が出る度にシルエットにて本人達が登場する。ダジャレではあるが、その自然な入れ込み方に瞬時に「月刊コント」の世界に引き込まれてしまいました。
そこからは各コント師によるネタになります。冒頭にも記述したように、各コントはこのイベントの為に作られたものではなく、普段劇場などで披露しているネタです。それがコント間のブリッジで重なり合っていく様子は「コントの先と奥」を見る事ができるような感覚です。
ザ・プラン9の「ぎゅうぎゅう」で登場したキャラが20世紀の「初恋」に関わっていき、オニイチャンの「占い」でなぜ急いで占ってもらっていたのか、滝音の「老夫婦」での違和感はなんなのか?がセンリーズの「デスゲーム」にて理由がわかるなど……。
あのコントのキャラクターが別のコントに登場し、この世界線に繋がっていき、「巻末コント」にて全てが同じ時間軸にて巻き起こっている「群像劇」に変わります。全てが別のはずなのに、ひとつも無駄がない。この為にコントとキャラクターが作られているかのように思えました。全てを観終わった時に「ユニットコントの最高峰」という感想に行きつきました。
月刊コント1月号を終えて……
今イベント終了後にお〜い!久馬氏に今回のイベントでの感想や次回の意気込みなどをお伺いいたしました。以下内容となります。
──今回が連載1回目となります。改めて「月刊コント」の簡単なご説明をお願いいたします。
お陰様で今夏で15周年を迎えることになりました。毎月6~7組のゲストに出演していただき、それを僕が強引に1本の物語に仕上げているイベントです。
──今回の「月刊コント1月号」を終えていかがだったでしょうか?
トラブルだらけの2024年1発目でしたが楽しかったです。是非皆様も荒城の月を歌ってみて下さい。
──今回、ゲストにファイヤーサンダーのお二人が出演されていました。お呼びした理由などがあればお聞かせください。
今まで何度かオファーはさせてもらっていましたが、スケジュールの都合が合わず。やっと念願が叶いました。いつも設定が良くて面白いコントをしている印象です。
──今回の「月刊コント1月号」で印象深い、または脚本をご担当される上で困ったことなどはありましたか?
今月はヘンテコなコントがなかったので繋ぎ易いかと思いましたが、書き始めると意外とひとつの所に集めるのが大変でした。あと、山名君に歌って欲しかったので設定がうまく合ってよかったです。
──次回は、2月3日(土)に行われます女性だけのゲスト回「月刊コント紅号」ですが、見所やお伝えしたいことがあればお願い致します。
15年やってきて女性だけのゲスト回は初の試みなので楽しみです。チラシを書いてくれるのもムームー大陸の山﨑おしるこです。どんなコントが出揃うのかはわかりませんが、今までにない月刊コントになることは間違いありません。NMB48のおふたりもどうしてやろうか楽しみです。
以上となります。
今イベントを拝聴した方は「荒城の月」や「アキナ・山名の歌」の意味がわかると思います。随所に散りばめられたお~い!久馬のこだわりが感じられる「月刊コント」は今年で15周年。次回は2月3日(土)によしもと漫才劇場にて開催されます。是非とも劇場、配信にてご堪能ください。
久馬歩責任編集「月刊コント紅号」
開催日時:2024年2月3日(土)開演20:15
出演者:ザ・プラン9、天才ピアニスト、ハイツ友の会、はるかぜに告ぐ、ゆりやんレトリィバァ、他
ダウ90000(道上珠妃、中島百依子、忽那文香、吉原怜那)(YOU GO sign)、小嶋花梨(NMB48)、水田詩織(NMB48)