“ピン芸人日本一”を決める『R-1グランプリ2024』(カンテレ・フジテレビ系)で念願の優勝を手にしたのは、ファンタジーが混在する唯一無二の漫談を武器とする芸歴20年の街裏ぴんくでした。今回の大会では、3大会続いた芸歴制限が撤廃されるというルール変更がありましたが、まさにこの恩恵に預かって果たした優勝。3月9日(土)に開かれた決勝直後の優勝会見では、「長いことかかりました……」と安堵するように話しました。
自分には辞めないセンスがあった
「辞めずにやってきてよかったです。早くに売れている人から見たら、“20年も売れずに続けてるんや”って思っているかもしれないし、そういう人に引け目を感じながらやってきた部分もあるんですけど、でも自分は自分なりにやれることをやってきました。本当にお笑いが、漫談が、大好きなんです。ずっとこれにこだわってきたんですよ」
優勝の栄冠を手にした街裏は、感慨深げにこう語ります。
「最初、漫才を3年やって、解散してからこの17年……長いことかかりましたね。(審査員も務めた)ハリウッドザコシショウさんが『続けるのもセンス』とおっしゃっていて。20年やってこられたんだから、自分には辞めないセンスがあったのかもしれないですね。本当にいつ願いが叶うかわからないです」
今回の大会は、昨年を上回る5457人がエントリー。決勝に進んだのは、真輝志、ルシファー吉岡、街裏ぴんく、kento fukaya、寺田寛明、サツマカワRPG、吉住、トンツカタンお抹茶、どくさいスイッチ企画(出番順)の9人でした。
審査員5人(1人持ち点100)のジャッジによる1stステージでは、点数の高かった吉岡(475点)、街裏(471点)、吉住(470点)がファイナルステージへと進出。最終的に、ファイナルステージで3票を獲得した街裏ぴんくが栄冠を手にしました。
尺の変更も勝利の要因
今回、ネタ時間が3分から4分に変更。それが漫談スタイルの街裏に功を奏したといいます。
街裏自身は、独演会では10分、15分ネタばかりのため、3分から4分に時間が増えてもあまり変わらないのでは、と思っていたそうですが、実際に大会に出てみると「ぜんぜん違いました」とのこと。
4分だと起承転結がつけやすく、「1本の漫談を聞けた」という満足感を得られるそうで、「4分になったというのは勝因だったと思います。3分やったら負けてたんちゃうかな、と思います」と振り返りました。
賞金500万円の使い道は「歯を治したい」
優勝の特典として賞金500万円、「明治プロビオヨーグルトR-1」1年分や、広告出演権を獲得。さらには優勝特番の放送も決定しています。
共演したい芸能人について聞かれた街裏は、「ダウンタウンさんです」と回答。2018年に『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の企画で憧れのダウンタウンと共演できたものの、思うような結果は得られなかったのだとか。「もう1回、お会いしたいですね。(当時よりも)絶対パワーアップしているはずなんで」と話しました。
さらに、笑福亭鶴瓶との共演も熱望しました。世話になったと振り返りつつ、「ベタ(な笑い)もできるようになりや」とアドバイスをもらったと明かします。
「自分の持ち味を出しつつ、ベタを入れるとはどういうことなんだろう、とずっと考えていました。今日は、広く(幅広い世代に)笑っていただけたらな、と思っていました」
気になる賞金の使い道については、消費者金融や知り合いへの借金返済、妻との旅行に充てたいとしつつも、「歯を治したいです」としみじみ。大好きなタバコやコーヒーの影響か歯のコンディションが悪いそうで、「恩人に借金返済を待ってもらってでも、歯医者に行きたいです。自然に笑える、見ていられる歯にしたい」と熱く語っていました。