『Daiwa House presents 大阪交響楽団×吉本新喜劇』が、3月29日(土)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで開催されました。“大阪4大オーケストラ”のひとつである由緒正しい交響楽団と、吉本新喜劇との夢のコラボレーション。生オーケストラをバックにおなじみのギャグが次々と繰り出され、観客を笑いの渦に巻き込みました。このイベントは大和ハウス工業のお客さま向けに実施されました。

「新喜劇のテーマ」もオーケストラで
前半は漫才です。吉田たち(こうへい、ゆうへい)、ミルクボーイ(駒場孝、内海崇)、アキナ(山名文和、秋山賢太)、銀シャリ(鰻和弘、橋本直)、パンクブーブー(佐藤哲夫、黒瀬純)の順番でネタを披露。満席の会場には春休み期間中とあって子どもの姿も多く、ネタの最中に客席を巻き込んで盛り上がる場面もあり、一体感あふれる和気あいあいとした雰囲気が流れていました。


後半はいよいよ「大阪交響楽団×新喜劇」の時間です。幕が開くと、大阪交響楽団のオーケストラのメンバーがステージにずらり勢ぞろい! “ホンワカパッパ”のフレーズがおなじみの「吉本新喜劇のテーマ」もオーケストラによる迫力のある演奏で奏でられ、普段とは違う雰囲気にどんな新喜劇が繰り広げられるのか、期待が膨らみます。
いつものギャグも生演奏でより豪華に!
物語の舞台は、川畑泰史が働く大阪交響楽団のリハーサル室。そこで働くスタッフの新名徹郎、小林ゆうが結婚することになり、めでたい報告に喜ぶ川畑。いよいよ両家の顔合わせ……となるのですが、小林の父親・内場勝則と新名の母親・未知やすえは、お互い顔を合わせたとたん「結婚は反対や!」と言い出します。

さらに、小林には桜井雅斗、新名には宇都宮まきという、親が勝手に決めた婚約者まで登場して大ピンチが訪れます。
2人は医者の清水啓之と看護師の森田まりこの協力を得て、ドッキリを仕掛けて説得しようとしますが、どうも内場と未知の過去に、結婚に反対する秘密が隠されている模様。そんなとき、「内場にカネを貸してる」と、借金取りの多和田上人と今別府直之まで現れて……!?

こうした物語が進行していくなか、大阪交響楽団は場面に合わせてクラシックからポップスまで幅広い楽曲を演奏。聴覚からも新喜劇を盛り上げます。
出演者はチャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形」の「花のワルツ」や、グリーグの組曲「ペール・ギュント」の「朝」に合わせて優雅に登場。新名と小林が結婚を報告するくだりではメンデルスゾーンの「結婚行進曲」が流れるなど、クラシックの名曲の数々が生演奏されました。

それだけでなく、春を表す場面では森山直太朗の「さくら」、夏を彷彿とさせるシーンでは井上陽水の「少年時代」、そして川畑が「名探偵コナンの友だち(元太)」とイジられる場面では「名探偵コナン メイン・テーマ」が演奏されるなど、ポップなナンバーも充実。迫力のあるオーケストラが物語と重なり、まるでミュージカルのような豪華さです。
川畑のギャグも生演奏で。「カーッ!」を繰り出した際には打楽器のビブラスラップが鳴り響き、本格的な演出にお客さんは大喜びです。

今別府のおなじみのギャグ「ピュッピュピュッピュ、ドン!」にも素敵な生演奏がつき、厚みたっぷり。ほかにも新名がサックスを、宇都宮はトランペットを披露する場面もありました。
一方、大阪交響楽団のメンバーも川畑の生徒役や借金取りの手下の役で登場するなど、いつもとは一味違う新喜劇でお客さんを楽しませました。


未知やすえ「みんな歌いたいの、がまんしてんのに!」
なかでも見どころだったのは、結婚に反対する内場と未知を説得するために、川畑が欧陽菲菲の「ラヴ・イズ・オーヴァー」を熱唱するくだり。オーケストラによる迫力満点の生演奏に乗せて、川畑が自慢の歌声を響かせます。
どっぷりと雰囲気に浸って歌い上げる姿に、内場は「オーケストラをバックに本気で歌てる……」、新名も「目ぇつぶっとったで……」と生演奏に酔いまくる川畑を冷静に観察していました。

ラストに繰り広げられた未知のキレ芸の際も、川畑の熱唱が標的となり、「お前で本書いて、演出して、お前で歌、歌うんかい!」「みんな歌いたいの、がまんしてんのに!」とブチギレられていました。
エンディングでは内場が「オーケストラというのは初めての経験でした」と感激。さらに「本当に歌、歌いたかったです」と本音もポロリ。未知は「素晴らしい演奏が心を打ちました」とこちらも感動。しかし、「川畑くんの歌さえなかったら完ぺきだったと思います」と言い放ち、お客さんは大笑いでした。
