くまだまさしが語った「芸人になった理由」が深かった! 20年住んだ墨田区で区長らとSP対談

東京都墨田区の広報番組「ウィークリーすみだ」の新春特別企画として、山本亨区長と、同区内で2020年に開校した情報経営イノベーション専門職大学（通称iU）の中村伊知哉学長のスペシャル対談が行われました。後半には、墨田区に20年以上住むピン芸人・くまだまさしも参加。“墨田区住みます芸人”として、自分を区の「PR大使」にするよう売り込みますが、果たして…！？　年明けの1月にBSよしもととJ:COMチャンネルで配信予定のこの対談の模様を、一足先にお届けします！

くまだのネタに墨田区長も大爆笑

“東京23区の中で唯一大学がない区”だった墨田区では、2020年のiUに続いて、2021年には千葉大学の墨田サテライトキャンパスが開設しました。これを機に、同区は両大学などとともに公民学連携組織「UDC（アーバンデザインセンター）すみだ」を設立。「大学のあるまちづくり未来ビジョン」の策定を進め、区と大学が連携して、地域を活性化することを目指しています。

さらに、iUの中村学長が吉本興業の社外取締役を務めていることから、2023年は墨田区、iU、BSよしもとが連携して、お笑いの力で町おこしをする企画も進められていて、区や大学の情報を芸人がレポートする番組などが共同制作される予定です。

今回のスペシャル対談もこうした取り組みの一環で、前半の山本区長と中村学長の対談では、「大学のあるまちづくり」のこれまでの成果や、2023年の展望をテーマに語り合ったほか、墨田区の明るい未来に向けた話で盛り上がっていました。

番組の後半では、空気をガラリと変えて、くまだまさしが登場します。

「オーケー！　よろしくお願いします！　もっと大きな拍手を―！！」

くまだは物おじすることなく、いつものハイテンションで登場すると、さっそく得意ネタを披露。「だっだっだっだあー！」と叫びながら、くまだのかぶっていたカツラが半分に割れると、区長と学長も大笑いです。そのまま頭を見せて、「フォー！　初日の出でございます！」とキメるくまだに、区長と学長は「素晴らしいものを見せていただきました」と、喜んでいました。

くまだの墨田区愛あふれるプレゼンとは！？

その後の3人でのトークでは、くまだがお笑い芸人になった理由を語る場面も。いつもの芸風とは打って変わって、真面目にこう話します。

「くまだ家はあまり裕福ではない家庭で、お父さんとお母さんはそうとう苦労したと思います。そんな裕福ではない家庭でも、お父さんが家族を笑わせてくれて、とにかく楽しい家でした。その楽しいっていうのが思い出になっているので、今度はそういう思い出を僕が人に伝えたいなと思い、芸人になりました」

この話を聞いた山本区長は「いま見ていても本当に笑えるし、パワーをもらえる。本当にどんどん露出して、墨田区中を笑わせてほしいと思います」と期待感を語りながら、なぜか「僕も今年からは真面目な会議の場でも、こういう一発芸をやりたい」とお笑いのスイッチが入った様子。くまだが慌てて、「僕が言うのもなんですけど、やめたほうがいいと思います……」と“待った”をかけていました。

一方、中村学長は、今後のiUとお笑いの連携について、くまだに意外な相談を持ちかけていることを明かします。

「デジタルの時代だなんて言いますけれども、いちばん大事なのはコミュニケーションする力。そのコミュニケーションの天才が芸人と呼ばれる人たちで、そういう力を学生に教えてもらいたいと思って、くまださんには客員教授になってもらえませんかと相談しているんです」

これにはくまだも恐縮した表情を見せつつ、「墨田区に住んでますから、すぐに来れます。頑張ります！」とやる気を見せていました。

トークの最後には、くまだから墨田区への提言が行われます。

「はっきり言います！」と前置きしたくまだは、「わたくし、くまだまさしを墨田区のPR大使にしていただきたい！」と直談判。吉本興業の芸人のなかで「営業の回数が1番」だという実績をアピールし、「くまだが墨田区を盛り上げる！」と豪語しました。

この提案に、山本区長と中村学長は、そろってまさかの賛成。区長から「前向きに検討する」との回答をもらったくまだは、歓喜のガッツポーズを見せていました。

「どんなにおカネ持ちになっても引っ越したくない街」

収録後、3人に話を聞きました。

――「大学のあるまちづくり」について、山本さんが墨田区に大学を誘致した理由を教えてください。

山本区長　東京23区の中で大学が存在しない区って、墨田区だけだったんです。街の活性化を考えるには、やっぱり大学を誘致することが大事だと思い、必死になって探しました。そこで、iUさんとご縁を持つことができました。

――中村さんは、墨田区にiUを設立して、どういう点がよかったと感じていますか。

中村学長　墨田区に大学を建ててよかったのは、東京のいいところがギュッと凝縮しているところです。江戸時代からの文化もあり、東京が持っている産業と技術のパワーもある。それから地域の方々がオープンで気さくに接してくださる人情があるのも、学生たちにとっていいと思いますね。BSよしもとのスタジオもありますし、ほかの大学との連携なども増えていくので、今後は墨田区でさらなる面白いことができると思います。

――くまださんは墨田区に住んで20年とのことですが、どんな街だと感じていますか？

くまだ　この質問が来るだろうなと思って、奥さんに同じことを聞いてきたんです。そしたら、（東京スカイツリーの真下にある）東京ソラマチはじめ、いろいろなショッピングモールもありますし、公園もありますし、もうとにかく本当に住みやすい街だと。「どんなにおカネ持ちになっても引っ越したくない街」だと言っていました。

山本区長＆中村学長　素晴らしい。

くまだ　僕もそう思います。人情があって、本当にいい街だと思います。

――中村さんは「大学のあるまちづくり」のなかで、くまださんのようなお笑い芸人にどんなことを期待しているのでしょうか？

中村学長　収録でも言いましたが、これからいちばん大事な力ってコミュニケーション力なんですよ。で、そのコミュニケーションの達人が芸人さんなので、芸人さんにも大学に来てもらって、一緒に大学をつくってもらいたいと思っています。くまださんに客員教授をお願いしてるのも、冗談でもなんでもなくて、本当に学生たちと一緒に街を盛り上げてほしいと思っています。

――くまださんは、もし客員教授になったら、どんな授業をしたいですか？

くまだ　僕なんかが人様に教えるっておこがましいので、逆に生徒たちと一緒に成長できる授業がいいと思っています。

中村学長　「くまだまさしになろう！」がいいと思いますよ。

山本区長　「目指せ、くまだまさし！」とか。

くまだ　ははは（笑）。

――“一発芸”の授業などもできそうですね。さきほど、山本さんも「会議で一発芸をやろうかな……」と言ってましたが。

山本区長　もともと僕は、そういう素質があるんですよ。

中村学長　えええ！？（笑）。

山本区長　難しそうな感じに取られるんですけど、実はけっこう面白いんです。なので、くまださんから学んで、ぜひ1回、トライしてみようかなと思っています。