吉本興業所属の俳優・北野秀気と、お笑いコンビのヨネダ2000(愛、誠)が、現在放送中のNHKの連続テレビ小説『ブラッサム』に出演しています。そんな3人を、“よしもとドラマ部”に所属し、ドラマ好きを公言するLLR・福田恵悟が直撃! 今回の出演の経緯や役どころ、朝ドラ制作現場の裏側、そして今後の見どころなどをたっぷりと語ってもらいました。(今回の撮影は、ピン芸人のとものかつみが担当しました)

9月からスタートした『ブラッサム』は、4回の結婚と離婚を経験しつつ、激動の明治・大正・昭和の時代を自分らしく生き抜いた小説家・宇野千代をモデルにした朝ドラ。俳優の石橋静河が主人公・葉野珠(はの たま)を演じて話題になっています。
10月26日(月)からの第5週では、舞台が東京にうつりました。その“東京編”から出演しているのが、北野とヨネダ2000です。ヨネダ2000の2人は西洋レストラン「悠樂軒」で主人公・珠と一緒に働くヨネ(誠)とスギ(愛)、そして、北野は珠と同じく作家志望で大阪出身の左良太(ひだり りょうた)を演じています。
スタッフとの顔合わせでヨネダ2000・誠が泣いた!?
福田 まずは、それぞれの役どころを教えてください。
北野 僕は関西出身の作家志望の左良太という役なんですけど、作家だけでなくて、絵とかいろんなものに手を出していて、中途半端にやっているみたいな状態で、主人公の珠に会って感化されていく人物です。
福田 じゃあ、けっこうこの先も出てくるかもしれないんですね。朝ドラってなにかを目指した人とかが多いけど、今回の朝ドラのモデルになった人は、史実を見るとなかなか破天荒な方ですもんね。北野さんの出演のきっかけはオーディションだったんですか?
北野 オーディションをきっかけにNHKの作品に呼んでいただいたことがあり、そのときのご縁もあり、今回ありがたいことにお声がけをいただきました。
福田 朝ドラの制作現場の雰囲気ってどうですか? ほかのドラマ現場と比べてどうとかありますか?
北野 意外とゆっくりしています。ほかの現場のほうがカツカツしているイメージです。

福田 そうなんですね。ヨネダはオーディション?
愛 いや、お声がけいただいて。私たちは、主人公の珠ちゃんと一緒に働く同僚のウエイトレス役で。
誠 私の役は10代で、ちょっとふわふわしている、お化粧の濃い女の子。美容には興味はあるけど、やり方がわからないみたいな役で。
愛 私は声が小さいからこそ(相手に)近づいて話すという特徴がある役です。私は過去に1回だけ映像作品に出たことがあって。でも、それが神様みたいな役で声も出さない役で。
誠 なので、2人とも今回の出演が、ほぼ初めての映像作品という感じでした。
福田 どうだった? 初めての出演が朝ドラなわけだけど。
愛 まず、けっこう前に衣装合わせがあって、そのときにスタッフさんと初めて顔合わせするんですけど、朝ドラにかかわるスタッフさん全員がご挨拶してくださるんですよ。「音声部の〇〇です」「衣装部の〇〇です」と。
誠 それがすごい人数で。100人以上いらっしゃるんですよ。
愛 こんなにも多くの人がかかわっている、歴史ある朝ドラに自分が出れるっていうことで、うれしいなと思って相方の誠を見たら、なんか「え? 笑ってる? 笑っちゃってる?」って。
福田 向いてないな、NHKに(笑)
愛 と、思ったら泣いてました。
誠 そのときは、大人の本気に感動してしまって泣いてしまったんだと思ってたんですけど、いま考えたら、100人以上の人の挨拶で「この時間が永遠に終わらないんじゃないか」っていうのが怖かったのかもしれません(笑)。
愛 でも、そこで相方が泣いてくれたので、打ち解けることができたというか。みなさん、やさしかったです。

福田 (北野に向かって)そんな人、あんまりいないですよね?
北野 あんまりっていうか、いないと思います(笑)。
共演者の前で最新の新ネタを披露?
福田 セリフとか覚えるのは大丈夫だった?
愛 初めての経験だったので、自分のところのセリフだけ覚えたらいいわけではなく、前後も含めて流れとして覚えないといけないので、そこは一応、全部覚えていくという。
福田 よしもとドラマ部の仕事で撮影現場とか行かせてもらうと、驚くのが、意外と撮影ってオレたちのイメージよりもあっさりしてない?
愛 確かにそうなんです! 私の不安はどこへやらっていう感じで。私だけダメだと思ってたら「OK」と言われて、「あ、そうなんだ」と。
北野 僕も舞台畑出身なので、稽古を重ねて重ねて本番を迎えるのがいつもなので。ドラマ現場とかはあっさりしているなって思うことあります。OKなのかどうかっていう合否のジャッジが自分にはないので。
福田 出演者の誰かと仲良くなった?
愛 同じウエイトレス役の瀬戸さおりさんとは話すことも多くて。
誠 それこそ、私たちの単独ライブにも来てくれたんですよ。こちらも舞台を見に行かせていただいたり。

愛 優しくて。でも、みなさん優しかった。みなさんが話している前室みたいなところがあって。
誠 そこで遠藤(憲一)さんが「新ネタ、どんな感じの作ってるの?」と振ってくださって。
愛 流れで「今年のM-1グランプリは……」みたいな話をして。
誠 結果、最新の新ネタの構想をみなさんの前で披露するということもありました。
愛 でも、まず我々のことを知ってくださっているということが驚きでした。
誠 本当に気さくで優しくて。びっくりでした。
福田 北野さんはどうですか? 前室でよく話す俳優さんとかいましたか?
北野 染谷(将太)さんと、けっこうしゃべりました。あと、僕の役は(主人公の)石橋さんと2人のシーンが多くてよく話すので、石橋さんともしゃべりました。

誠 石橋さん、私たちにも話しかけてくださったよね。
愛 明るい方で。「珠ちゃん体操」をやられていたり……。
北野 朝と昼の撮影スタートのときに、「珠ちゃん体操」を演者もスタッフも含めてみんなでやる。たぶん(石橋さんが)ダンスをやってはるから、そのアップみたいなことでだと思うんですけど。
愛 スケジュールに「珠ちゃん体操」って書いてあって。最初、「これは私が参加するものなのかどうか」ってわからなくて悩みました。
誠 「珠ちゃんだけの体操」の可能性もあるからね。
福田 そんな感じなんだね。NHKだし、歴史もある朝ドラだからもっと現場はピリピリしているのかと思ってた。監督がめっちゃ厳しいとか。
愛 確かに私たちも最初、そこはどうなんだろうと心配してました。
誠 でも明るいよね。明るかった。
北野 ヨネダのおふたりに演出つけるとき、演出つける方も楽しそうでした。
福田 へぇ! 確かに芸人の場合、役者じゃないから、何やらせてもいいみたいな自由度はあるかもしれないですね。

北野「芸人さんを芝居面でリスペクトしています」
福田 北野さんは今後、やってみたい役とかありますか?
北野 やりたい役はないですね。いますごい芝居がオモロイんですけど、その感性のまま生きていけたらいいなと思っていて。50年後もこのままでいられたらって思います。
福田 役者始めてから何年目ですか? 学生のときから演劇してたんですか?
北野 いや、僕は大阪芸大のミュージカルコースの出身で。ちゃんとデビューしてから舞台入れたら6~7年目ですね。ちなみに、ゼロカランのワキ(ユウタ)は演技・演出コースなんですけど、舞台芸術学科は一緒で同期なんです。
福田 へぇ~そうなんですね! ヨネダの2人はネタ的に芝居やっている感じというか、素が見えづらいというか。だから、今後も映像作品のオファー来そうだけどね。
誠 ぜひぜひお願いします!
愛 オファーいただけるなら、ぜひお待ちしています。

福田 ピンでのオファーでも大丈夫なの?
誠 できればセットで。バラバラでももちろん大丈夫ではあるんですが……。
福田 そうなると役がけっこう、限られるぞ(笑)。
誠 ホームアローンの泥棒役みたいなのがあれば2人でぜひ!
福田 なかなかないよね(笑)。まぁ、ヨネダはセットでお願いしますということだね。
誠 お願いします。なので、今回の『ブラッサム』はすごくうれしかった。コンビで出ることができたので。
愛 そうなんです。朝ドラで、コンビ2人そろって出れるってすごいことで。
福田 朝ドラに出たって一生言えるもんね。俳優さんにとっては紅白歌合戦でたみたいな感じですよね?
北野 そうですね。ひとつの目標ではあると思います。
福田 どうですか? 芸人さんがドラマとか出てるって、どんなふうに思うんですか?
北野 僕は芸人さん、めっちゃリスペクトしているので。芝居面でリスペクトしています。

福田 北野さんから見てヨネダの芝居どうでしたか?
北野 もうぴったりの役で。おふたりの出演シーン、きっと全国民が笑顔になると思います。
誠 ありがとうございます! やさしい! とにかく私たちは邪魔にならないように心がけて。私たちが出ることで、よりイイものになるように。
福田 「爪痕のこしてやろう」みたいなのはなかったの?
誠 そういうのいらないなと。
愛 みなさんの失礼にならないように。何事もなく、時間通りに終わらせるように。
福田 芸人って内弁慶だから、お笑いの界隈以外はおとなしくするんだよね(笑)。
誠 その通りでございます。

愛 私、今回、もうひとつうれしかったことがあって。実は渡部篤郎さんと工藤阿須加さんが好きなんですよ。今回、そのおふたりがブラッサムに出られていたのですごくうれしくて!
福田 撮影現場ではすれ違ったりはなかったの?
愛 岩国編と東京編で違うので、撮影ですれ違ったりはなかったんですけど、勝手に共演したと誇りに思っています。渡部さんはこの『ブラッサム』が朝ドラへの初出演だったらしく、それを知ったときは「私と一緒だ」と勝手に思いながら。
誠 とはいえ、おふたりとも役柄的に激しい役で。愛さんは「好きな俳優さん2人がすごい役だった……」と心の声が漏れてました(笑)。
愛 「信じたかったのに……」という気持ちでした。
誠 私は『ピンポン』という松本大洋さんのマンガを実写化した映画が大好きで。その作品で井浦新さんがスマイルという役をやられていて大好きで。今回、井浦新さんも出演されていたうえに、私の場合は撮影でもご一緒したので、ご挨拶したときは「……ヤバイ。スマイルがいる」と思いました。
福田 最後に、「こういうところ見てほしい」というポイントを教えてください。
誠 だんだん(主人公の)珠ちゃんとしゃべれるようになって……いってたっけ?
愛 それはなっていたと思う。少しずつ珠ちゃんと距離が近づいていくので。あと、あの店長のキャラに巻きこまれて、ウエイトレスたちが一コになっている感じがあるので。
誠 うん、どんどんみんなで一体感が生まれていくと思うので!
福田 北野さんは?
北野 今後も珠ちゃんがいろいろな場所で活躍していくんですが、それについて行ったり、行かなかったりで。「あいつ、いつ出てくるのかな?」ぐらいで楽しみにしてらえたらと思います。

