今年、新たに発足した“笑いの祭典”『UNDER5 AWARD』。芸歴以外はプロ・アマ、人数、年齢、笑いのジャンル、全て問わないという大会概要のもと、“とにかく面白いネタ”を披露した芸人が、その称号と賞金100万円を手にします。
そんな大会に、社会人として働くかたわら芸人活動を行うコンビ、下町モルモット(ぽこやかざん、れいギャラクシー)が出場中。FANYマガジンでは、2回戦の出番終わりの二人にインタビューを敢行し、普段の芸人としての活動状況や社会人と両立することのメリット、今後の目標などを聞きました。
――まずは2回戦終えての心境をお聞かせください
れい 初めて立つ舞台(2回戦の会場、ヨシモト∞ドームI)なので、やっぱり何をしても、初めのところは緊張するというか、勝手がわからないなっていう感じでした。
ぽこや 独特の雰囲気があって、僕はここ1年くらいで結構一番緊張しました。
――普段はどういう舞台で漫才を披露しているんですか?
れい 普段で言うと、社会人お笑いをやっている人たちが集まって土日にライブをやったりとか、学生お笑いがあるんで、その学生お笑いと社会人お笑いが一緒に出るライブに出させてもらってますね。
ぽこや “バトルライブ”で言うと1年に1回、社会人漫才とかアマチュアのナンバーワン決定戦とかがあるので、それに向けてちょっと調整したりとかという感じですね。
毎週水曜日にリモートでネタ合わせ
――今日の2回戦も平日ですが、1週間あたりの芸人としての活動状況はいかがですか?
ぽこや いわゆるカレンダー通りの一般的な働き方で、週5日は働いてます。
――芸人として活動できるのは土日だけ? ネタ合わせは大変なのではないですか?
ぽこや 水曜日の夜に仕事が終わっていればお互い自宅で、終わっていなければ相方は会社からリモートで通話しながらネタ合わせをして、ライブは出ずに今日はネタ合わせだけの日にしようという日もあります。
れい 僕は営業職をしているんですけど、朝9時から終電まで働くみたいな日もあって結構激務で。相方がネタを考えていて、ネタをその業務の間に覚えなきゃいけないので帰りの電車で降りるのを最寄り駅の一個手前の駅で降りて、歩いてネタを覚えたりしています。
ぽこや いざライブってなると割と仕上げてきてくれるので、自主練はめちゃくちゃやってくれているんだなっていうのは思います。
――お二人の出会いはどこだったんですか?
れい 大学のお笑いサークルですね。
――その流れが今も続いている?
ぽこや そうですね。卒業してもM-1は出ようかって言ってて、M-1に出て、1年に1回集まってネタ作ってやってたら、大学を卒業して2、3年後くらいに今の社会人お笑いをもっと盛り上げていこうみたいな団体ができて、そこでライブとかにちょくちょく出るようになって、社会人お笑いの大会も出てきて、土日が忙しくなってきました。
――そんな中で『UNDER5 AWARD』が始まった
ぽこや そうですね。最初は動画エントリーだったので「とりあえず動画は出そうか」って話して、出場資格があるものは出ようっていう感じです。
絶対に毎日2時間はお笑いに時間を割く
――お笑いはいつから好きだったんですか?
ぽこや 彼(れい)はずっとお笑い好きだったんですけど、僕は大学入ってお笑いサークル入って「お笑いってこんな面白いんだ」って思い始めました。
れい (ぽこやは)初めてお笑いを見るぐらいの感じでした。
――では芸人を目指されたのは大学に入ってから?
ぽこや 僕はもともと中学生のときからM-1に出たりとかしていて「絶対芸人になるぞ」っていう気持ちでやってて、大学お笑いサークルがあるのを知って、そこで始めました。大学を卒業して社会人になっても芸人と社会人の両立もできるってなったので、だったら土日にお笑い出させてもらうかなって今もずっとやってるって感じですね。
――社会人と並行して芸人活動されていて、どちらにおいても普段の生活でその影響は出ますか?
ぽこや 僕はもうどんなに忙しくても絶対1日2時間はお笑いに使うって決めていて。そのせいで仕事を朝早く始められたりとかもあるんですけど、とりあえず2時間は割くようにしています。(ネタを)考えきれなかったりとか、ライブが近くなったらそれが延びることあるんですけど、2時間は切らないようにやって何とかやっていけてるって感じではありますね。
れい 僕は朝から夜までずっと仕事していてネタを覚えるとかで、合間を見つけてひたすらやっていくっていう感じですね。
ぽこや 上手いことバランスはとれてると思います。立場が逆(ネタを書くのが、れい)だったら多分何もできないと思うんですけど(笑)。
――事務所に所属せずに社会人と両立していることで良かったことはありますか?
ぽこや 良かったことは、大学お笑い時代にナイチンゲールダンスとかは同期でやっていたんですけど、もう本当にみんなお笑いが好きで、みんなコアなネタをやってたんです。でも、会社って、あんまりお笑いに精通していない人たちがいるんで、その人たちも結構言うことが面白かったりとか、その人たちの常識が何かずれてて「俺より常識ない部分はあるぞ」とかそういうところがすごい面白くて、本当にプログラミングオタクとか、アイドルが大好きな人もいるし「お笑いに興味ないけど」みたいな人たちから吸収できる部分はすごいあって、この人のこの考え方、何かに使えるなみたいなのは思います。
――反対に、事務所に所属しておけば良かったなと思うことはありますか?
ぽこや 新卒のときに一切ネタが書けなくなりましたね、忙しすぎて。なので大学お笑い時代は一緒に切磋琢磨してたやつが、どんどんいいネタ作って、ライブで負けて、飲みながら「なんか全然何もできてないな」っていうのは感じましたね。
――れいギャラクシーさんはいかがですか
れい 良い面だと、これが本当にそうなのかわからないんですけど、芸人さんって、やっぱり漫才とかでお金を稼いでるわけじゃないですか。僕らはそれができないと思ってる前提として、その代わり、お笑いをやることをずっと趣味として好きでいられるのはすごい良いかなと思っています。そこまで紐づいているかわからないですけど、会社でもちょっと喋るのが上手くなったりとか、仕事をする中で、ネタに生かそうって思えるところまでは来ています。
ぽこや ただ、これが難しくて。邪魔することもあるので、仕事の真面目さがネタに出ちゃって「全然ふざけてない」「冒頭、俺ら演説になってない?」とか切り替えが難しいです。
れい 始末書みたいなね(笑)。
もう一度“ルミネ”の舞台に…
――どこかの事務所に所属しようなど、今後の展望は考えてらっしゃるんですか?
れい 僕は所属できるものなら所属させていただきたいですし、今の仕事以外で“お笑い”っていうのでお金を稼げるようになったら、やっぱ理想だと思っているので、そこが目標です。それで何かのライブに呼んでいただけるとか、吉本さんから呼んでいただけるみたいなのになったらめちゃめちゃありがたいなと思っています。
ぽこや 僕は、とにかく僕たちのネタを見るぞって言って見に来てくれる人たちが増えると良いなと思っていて、これを具体的な目標にすると、やっぱり単独ライブみたいのをやって、チケットが完売するような漫才師になれればいいかなと思っています。最終的な目標だとプロになるのかそこの土俵に立つべきか悩むっていうのは出ると思うんですけど、まずは何か広い会場で僕たちを見に来たお客さんだけの前でネタをするってモチベーションでやってますね。
――最後に3回戦以降へ向けた意気込みをお聞かせください
ぽこや 本当に目標ですけど(決勝の)審査員が発表されたじゃないですか。(審査員が)本当に心から好きな方たちなので、とにかくあの方々の前でネタを披露したいっていうのは強く思っています。そのためには(決勝まで)勝たないといけないので、その先に優勝(という目標)は出てくると思うので、頑張りたいです。
――まずは決勝でルミネtheよしもとの舞台?
ぽこや そうですね。それはもうお互いずっと言ってますね。学生時代、運良く『NOROSHI』っていう大会で決勝に行けたんですけど、当時は別のユニットで、僕たちはコントをやって、彼(れい)は漫才コンビで、彼はルミネで漫才をしてるんですよ。これ(ルミネtheよしもとで漫才をしたという経験)を埋めたいです。
――そのときの心情含め、れいギャラクシーさんはいかがですか?
れい 学生なりにもう二度とないだろう思いながら舞台に立ちました。ずっとお客さんの方で見てきたので。「最初のセリフなんだっけかな」って感じでやってましたね。あれは感動しました。だから、そこからM-1もそうですし、やっぱルミネにどっかで立ちたいなっていう思いで、ずっと大会に出させてもらってます。
目標の決勝での漫才に向け、まずは2回戦突破を果たした下町モルモット。二人以外にも多くのアマチュア芸人が出場している今大会で、ぜひ“まだ見ぬ原石たち”を見つけてみてはいかがでしょうか。
大会概要
UNDER 5 AWARD 2023
■UNDER5 AWARD 東京3回戦
日程:2023年6月5日(月)〜 2023年6月7日(水)開場11:30 開演12:00
会場:神保町よしもと漫才劇場(東京都)
■UNDER5 AWARD 大阪 準決勝
日程:2023年6月9日(金)開場19:15 開演19:30
会場:よしもと漫才劇場(大阪府)
■UNDER5 AWARD 東京 準決勝
日程:2023年6月10日(土)開場19:10 開演19:30
会場:ヨシモト∞ホール(東京都)
■UNDER5 AWARD 決勝
日程;2023年6月18日(日)開場19:30/開演20:00
会場:ルミネtheよしもと(東京都)
※FANY Online Ticketでも無料配信
※チケットは、FANY Ticketにて販売中!
FANY Ticketはこちら
大会公式ホームページはこちら
公式Twitter(@UNDER5_AWARD)はこちら
FANYコミュ『UNDER5 AWARDの楽屋』はこちら