芸歴5年目以内の超若手芸人のNo.1を決める賞レース『UNDER5 AWARD 2024』の決勝が、6月23日(日)に東京・ルミネtheよしもとで開催されます(FANYオンラインチケットで無料生配信)。
「芸歴5年目」といえば、自分たちの方向性に迷ったり、ウケない理由を悶々と考え続けたりするころ。いまでこそテレビにライブにと大活躍の先輩芸人たちも、芸歴5年目当時は、同じように試行錯誤の日々を過ごしていたのではないでしょうか――。ということで、今回は、昨年に引き続き大会のMCを務めるニューヨーク(嶋佐和也、屋敷裕政)に“あのころ”を振り返ってもらいました。
【ニューヨークの5年目】
2010年に結成。2014年にキングオブコント準決勝、『THE MANZAI』認定漫才師、『第35回ABCお笑いグランプリ』決勝9位、所属していたヨシモト∞ホールでは当時のランキングシステム「彩~irodori~East」で初めてトップ組となった。
「いまの5年目は、みんな仕上がってる」
――まずは、昨年の大会の印象を教えてください。
屋敷 ほとんど知らん子ばかりではあったんですけど、すごくウケていて、面白かったなっていうイメージですね。あと、審査員の方も第一線でバリバリやっている人ばかりなので、ちゃんといい感じのことも言ってくれるし、ちょっとくだけたことも言ってくれるし……。悪いところがなかった賞レースやった気がします。
嶋佐 決勝メンバーのネタが面白かったですね。9組でしたけど、もっといっぱい見たかったです。今回、2回目があるということは、(初回が)それなりによかった、ということなんでしょうし、前回どのくらいの人たちが見てくれていたのかはわからないですけど、「たくさんの人に見てもらえたらいいな」と思いながら、MCをやっていましたね。
――ニューヨークの5年目のときと、いまの5年目の芸人とで、違いを感じる部分はありますか?
嶋佐 やっぱり、ネタは僕らの時代よりもしっかりしていると思いますよ。NSC(吉本総合芸能学院)でネタを見ている先輩からも、ちょくちょくそんな話を聞きますし。
屋敷 みんな仕上がっているイメージはありますね。
嶋佐 いまはYouTubeでいろんな人のネタを見られるから、むかしよりつくり方とかわかっているんじゃないですか。
屋敷 『UNDER5』もそうですけど、単純に僕らのときと環境が違うというか。いろんな戦い(賞レース)があるじゃないですか。僕らのときは、『M-1』と『キングオブコント』と、あと『ABCお笑いグランプリ』に出られるか出られないか……ぐらいの感じやったんで、まあハリはあるやろなって感じはしますけどね。
――いまは賞レースがたくさんあって、それらに向けたネタもつくれます。
屋敷 『UNDER5』もみんな熱くなってやってくれていて、僕らとしても嬉しいですし、羨ましいなっていう部分もありますね。
いちばんピチピチだった5年目のニューヨーク
――ニューヨークは5年目のころ、どのような状況でしたか?
屋敷 ある意味、いちばん脂が乗っていたというか。「賞レースの決勝にさえ行けば売れるんじゃないか」と思っていたときやと思いますね。 先輩とか後輩も「次は行けるんじゃない」みたいな雰囲気を出してくれていましたし、テレビのネタ番組にもちょいちょい出してもらっていた時期で……。年齢もまだ30代になっていなかったのもあって、いちばんピチピチやった気がします。
嶋佐 劇場のトップになれたり、深夜のレギュラーも持てたり、「ネクストブレイク」と呼んでもらっていた感じはありましたね。ただ、賞レースの決勝に行かなきゃ売れはしないだろうな、と思っていました。
――少し上の世代でいうと、ヨシモト∞ホールのAGEAGE世代がいて、そのムーブメントも見ていたと思います。ギャップのようなものは感じませんでしたか?
屋敷 確かに、僕らがトップになったときは、それまでのパンサーさん、ジューシーズさん、もう少し上だとピースさんとかがおったAGEAGEライブ世代の熱狂が、ちょっと冷めてきていたころでしたね。ネタ番組も『あらびき団』(TBS系)、『エンタの神様』(日本テレビ系)、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)のレギュラー放送が全部なくなって、けっこう厳しい感じでした。
嶋佐 本当に、お笑い界の氷河期みたいな感じでしたよね。いまはまたブームが来ていますけど、当時はいまほどの勢いはなかったと思います。
屋敷 氷河期すぎて誰も売れてなかったんですよ。フツフツとやってる感じやったんかな。
――みなさん、賞レースの決勝が売れるきっかけだと信じて向かっていたんですね。
屋敷 でも、本当にぼんやりでした。
嶋佐 そうですね。そこまで深く考えていなかったと思います。
屋敷 それこそ、まわりのラブレターズさんとか、ジグザグジギーさんとか、うしろシティさんとか……仲のいいコントの人が、みんなキングオブコント決勝に行ってたんで、「僕らも行きたいな」くらいで。
嶋佐 氷河期のなかでも、まだいろいろやらせてもらっているほうだなと思いつつ、まだ5年目なんで、ぜんぜん切羽詰まってはなかったですね。
屋敷 売れてはないけど、テレビにちょろちょろ出させてもらっていたので、のほほんとしてましたよ。
チャンピオンは絶対売れる大会になってほしい
――その当時はなかった『UNDER5』という大会については、どう思いますか?
屋敷 僕らは、こういう賞レースで優勝しても、賞金をもらったことがないんで羨ましいですよ。『マイナビ Saturday Night Laugh Champion Live!!』(現:マイナビ Laughter Night チャンピオンLIVE)で優勝したときも、僕らのときだけ賞金がなかったんで。いいなと思います。
嶋佐 いま本当に芸人が多すぎて大変だし、ましてや5年目以内って……。だから、どんどん規模を大きくして、テレビ放送されるようになればいいなと思います。あと、チャンピオンは絶対売れるような大会になってほしいですよね。(昨年優勝した)金魚番長は売れてないんで!
屋敷 まだ早いよ。そんなすぐ売れんよ。
――(笑)
屋敷 優勝して以来、勢いもあるから。
嶋佐 ねーよ!
屋敷 あるやろ(笑)。『ラヴィット!presentsつかみー1グランプリ』に出てたし。
――金魚番長は『マイナビLaughter Night第9回チャンピオンLIVE』でも優勝しましたから(笑)。ところで、おふたりも賞レース決勝経験者ですが、1回決勝に出ると気持ちは違うものですか?
屋敷 そうですね。僕らが初めてABCの決勝に行ったときは、すごい嬉しかったですよ。決勝で、めちゃくちゃスベってすぐに嫌にはなりましたけど、決まったときは、初めての賞レース決勝やし、テレビでネタが流れるし、浮き足だっていた記憶がありますね。しかも芸歴も僕らがいちばん若かったんで「よしよし。来てる来てる」って。
嶋佐 めっちゃ嬉しかったです。賞レースって1個テンションが乗っかるんですよね。
――劇場メンバー以外の人たちとのガチンコ勝負というのも大きそうです。
屋敷 確かに急に全国大会になりましたからね。自分らのお世話になった先輩からコメントをもらえるとか、賞レースっぽいことが何個かあって、「決勝の感じ」を味わえたのはよかったです。そのぶん、負けたときに「こんな感じになるんか」というショックはありましたけどね。
「いまだけを見ないこと」が肝心
――後輩芸人は、さまざまな経験をしてきた先輩の話を聞きたいものです。いまの若手にアドバイス、伝えたいことはありますか?
嶋佐 『UNDER5』の結果をそこまで気にせず、10年くらいは先を見てやったほうがいいんじゃないかなと思います。
屋敷 まあね。気にするやろうけどな。
嶋佐 すべてはタイミングなんで。
屋敷 どこでどうなるか、わからないですからね。本当に5年目ぐらいのときのヒエラルキーが、コロッと変わることがあるんですよ。いま同期でまったく無名なヤツらが3年後とかにM-1チャンピオンになる世界なんで。いまだけを見ず、嬉しいことも、悲しいこともやっておいたほうがいいよ、とは思いますけどね。
取材・文・写真:浜瀬将樹
大会概要
「UNDER 5 AWARD2024」決勝戦
日程:2024年6月23日(日)19:30~21:00(予定)
会場:ルミネtheよしもと
(新宿区新宿3-38-2 ルミネ新宿店2 7階)
MC:ニューヨーク
審査員:
石田明(NON STYLE)
岩崎う大(かもめんたる)
長田庄平(チョコレートプラネット)
佐久間一行
哲夫(笑い飯)
野田クリスタル(マヂカルラブリー)
塙宣之(ナイツ)
※五十音順
特別出演:金魚番長(UNDER5AWARD2023王者)、OWV(大会スペシャルサポーター)
※大会テーマソング「Luminous」のスペシャルパフォーマンス映像も上映します。
決勝戦進出者:
家族チャーハン(吉本興業)
キャプテンバイソン(プロダクション人力舎)
清川雄司(吉本興業)
ぐろう(吉本興業)
例えば炎(吉本興業)
ツンツクツン万博(グレープカンパニー)
伝書鳩(吉本興業)
マーティー(吉本興業)
ライムギ(吉本興業)
※五十音順
<チケット情報>
【会場チケット】
前売り・当日券
一般発売:6月12日(水)10:00~
チケット販売:FANYチケット
【配信チケット】
無料生配信
※終了後、48時間の見逃し配信あり
チケット販売:FANY Online Ticket
FANYチケット(会場)はこちらから。
FANY Online Ticket(配信)はこちらから。
大会公式ホームページはこちらから。
公式Xはこちらから。
FANYコミュ『UNDER5 AWARDの楽屋』はこちらから。