コント日本一を決める『キングオブコント2022』(TBS系)が、10月8日(土)に放送されます。厳しい予選を勝ち抜き、ファイナリストになったのは10組。今回は、大阪の賞レースでも結果を残しているビスケットブラザーズ(原田泰雅、きん)の決勝直前インタビューをお届けします。
今年もダウンタウンがMCを務める『お笑いの日』内でフィナーレを飾る同大会。決勝に勝ち上がったのは、いぬ/かが屋/クロコップ/コットン/最高の人間/ニッポンの社長/ネルソンズ/ビスケットブラザーズ/や団/ロングコートダディ(※50音順)の面々です。
果たして、最後に栄冠を勝ち取るのはいったい誰なのか――ファイナリストたちの熱い思いを連続インタビューでお届けします。
昨年のトラウマを払拭して決勝へ!
ーー2019年大会以来の決勝です。今の気持ちを聞かせてください。
きん 嬉しいですね。二度と出られない可能性がある真っ暗闇だったんですけど、ここで決勝にいけてよかったです。
原田 昨年は何を思ったのか、地面に落ちているイチゴを2人で取り合う……というわけわからんネタをしてしまいました。
きん 準々決勝で落ちたんですけど、ほんまに5分間、イチゴを取り合うだけ。
原田 自分ら的には攻めた結果というか。
きん ホームランを狙いすぎてな。
原田 前回は仲間が決勝に出ていたり、(後輩の)空気階段が優勝したりしているのを見て、間違っていたなと思いました。
ーー(笑)。今年はどんな形でバージョンアップしたんですか?
きん イチゴを取り合わない。
原田 あとは笑いがある(笑)。(今年のファイナリスト)ニッポンの社長、ロングコートダディさんは大阪でずっと一緒にやらせていただいているし、空気階段ともツーマンライブをやらせてもらって……。賞レースの決勝で戦ってきたメンバーと一緒にやっている中、勝手に意識するくらい周りがレベルアップしていたんで、それがよかったなと思います。
きん ほかにも大阪のメンバーはいっぱいいるんですけど、そこで1位とるのはとても難しいことで。
原田 全国トップクラスのメンバーと一緒にやれているんで、そこでネタを磨けたのは大きい。(所属する)よしもと漫才劇場さまさま。支配人、仕事ちょうだいねという感じです。
ーー2019年大会はどんな状態だったんですか?
きん とにかく緊張していましたね。
原田 冷静にゲボ吐いてました。
きん 自分で見返したら(決勝のネタは)いつもより1.5倍の速さでやっていたので、いつも通りやれるようになりたいですね。(今年の)準決勝は5分10秒で仕上げていたんですけど、タイム見たら4分30秒やったんで、(経験を積んでも)結局変わってなかったです。
ーー3年前とは違いますか?
きん 3年前のネタの方がかっこいいですね。
原田 そうですね。めっちゃアホでやっていたつもりが「おしゃれやね」と言われたり、かっこいい感じに観られたりしたんですけど、今回は(ネタの方向性的に)その可能性ゼロなので。“やっぱりビスケットブラザーズって芸人やったんや”って(思ってもらえる)。モデルや役者と勘違いされてもしゃーないしな。
きん いや、思われてないねん。
原田はとにかく褒められたい!
ーー原田さんは“褒められたい方”だそうですね。今回、決勝に進出したことで、どのように褒められたいですか?
きん これがけっこう難しくて何でもいいわけではないんですよ。面と向かって「すごいですね」と言われても、そんなに嬉しくないらしくて。
原田 「決勝にいくと思っていましたよ」って言われながら頭撫でられたいですね……。
ーー(笑)。
原田 一番褒められている感じがしますし、ボディタッチは気持ちが落ち着きますから。
ーー(笑)。ビスブラさんは業界内でも評価の高いコンビです。
原田 この時期になると「絶対に決勝にいける」とみなさんに言っていただいているのに、2回連続(決勝に)いけなくて、それでも諦めず声かけてくれるので、みんな優しいなと思います。
きん 芸人、お客さん、いつも観てくれている人が応援してくれて力になりました。
ーー恩返しは優勝だと。
原田 空気階段とツーマンをずっとやっているんですけど、この前ライブやったら満席じゃなかったんですよ……。
きん 空気階段の単独ライブって1万枚売れるんですよ。
原田 今のままやったら空気階段に捨てられる可能性があるので(笑)、ここから恩返しというか、“当たり前”を守る戦いが始まりそうです。
ーー(笑)。関西の賞レースでも立て続けに優勝しています。“勝ち方”みたいなものは見えてきているのでしょうか?
きん 勝手に緊張感が高まっているので、そこで大きい声を出すことですね。
原田 僕らはプレッシャーを感じて「優勝するぞ!」と思って挑んだときに、よかったことがない。舞台袖や楽屋でフザケまくっているときに優勝していることが多いので、ずっと面白くフザケとかなアカンのかもしれないですね。
きん 一番難しいやん。
ーー優勝したらどんな番組に出てみたいですか?
きん 全国に行ってごはん食べてお金もらえる仕事をしたいです(笑)。
原田 (現在は不定期で放送中の)『関口宏の東京フレンドパーク』ですね。特番でやっていますけど、ドラマに出られる役者さんばかりで、ほとんど芸人が出ていないので、「出たい」と公言しておきたいです。子どものころ、レギュラー放送されていたときに“これって売れたら出られる番組なんやろな。楽しそうやな”と思っていたので、出たいですね。
ーー決勝の意気込みをお願いします。
原田 ネタの特性もあって、テレビに出れば出るほど知り合いが減っている気がして……。オカンが知り合いに「観て」と連絡したら返事が返ってこなくなった、とかも聞くし、今回は知り合いを増やす戦いにしたいですね。
きん ずっと何をかけて戦ってんねん(笑)。
原田 友だちにも支えられてきたので、そいつらが「俺、友だちやで」と自慢できるような成績を残したいです。
きん 僕らのネタはいい舞台にいけばいくほどギャップがあると思います。“こいつらこのネタを1年間詰めてきたんや”というキモい結果発表ができるし、そこで僕らのネタを見せられるのが嬉しいです。
※本記事は、決勝発表直後に収録した『ザ・ベストワン』の写真も掲載しています。